何か始めよう、新しいこと
スライダーズ(The Street Sliders)が東京・豊洲PITのライブ(2023年4月28日)
https://tss40th.com/specialpreviewgig/
を行った直後からツイッターには賛辞があふれた。でも5月3日に武道館でライブをやるとアナウンスされて以降、何か新しいことをやるのだろうか? とずっと気になっていた。過去をなぞるだけではなく、新しいことをやるなら、もちろんそれに付き合うのはやぶさかではないが……と。豊洲PITライブのツイートを読み進めると、「バンドとしての目的のない、優秀なコピーバンドのようでした」という主旨のものもあって、武道館公演がどんな内容になるのか気がかりだった。
フタを開けると、先のツイートはあたらずとも遠からず、といったところ。JOY-POPSの新しめの2曲を演ったことには希望が持てた。今後へのつながりを感じさせる。実際、今秋はツアーを行うとのだが、それよりも新アルバムが出るんじゃないか? と期待していいかも。
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5月3日のライブはもちろん会場で見た。席は2階の南の前の方で、演者の表情などは読み取れなかったが、圧倒的なサウンド、ビート、ロールがズシ~ンと腹に響いた。強烈なパンチをくらったような。「これこそスライダーズだぜ!」。彼らのライブを30年ぶりに体験できたことに「ありがとう、生きてて良かった」と。
でも、何か足りないと思ったのも事実。2000年10月のLAST LIVEと似たような内容でいいの? という感じか。往年のスライダーズを求めるファンが圧倒的多数なのは分かるが、そういうジジババの固定客ばかり相手にしていていいのか(ワタシも50代のジジです)。日本ロックンロール継承のためにも、若い人をもっと引き込めないだろうか。会場に来ている人もほとんど中高年の固定客のようで、若い人はほぼ見かけなかった。2000年以降はスライダーズとして活動していないのだから、今の人が知らないのは無理もないけど。事業継承はロックンロールの世界でも問題となっている?
(固定客のカネ払いは確かに若者よりいい。固定客狙いのプロモーションのあざとさについては別稿で。)
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秋にはツアーがある。その前に新アルバムを出すならもちろん聴くし、もちろんライブにも行きたい。しかし5月3日のライブと似たような内容になるなら、おそらく行かない。年齢を重ねたからこそできる曲を聴きたい、パフォーマンスを見たい。
新アルバムが出るとして、それにどんな曲が詰まっているのか楽しみに待っていよう。スライダーズだから曲がロールするのは当たり前。「ミッドナイト・アワー」のようなちょっと意味ありげ、説教くさげな曲が聞けるか。ハリーはかつて「狼煙」時代に「曲は詞がすべて」という意味のことを言っていた。六十をとっくに過ぎ、がんからサバイブし、また4人で演奏できるようになった今こそ聴ける曲--。それがどんなものなのかまだ分からないが、また会場で聴けるといい。「何か始めよう、新しいこと」。(了)
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追記:
「40周年のお祭りは年内でおしまい」と予測するツイートがあった。なるほど、ハリーの体調のこともあるし、その可能性は無きにしもあらずと思ったが、もちろんスライダーズとしてずっと活動を続けてほしいと願っている。
今後ぼちぼち記したいテーマ:
・固定客狙いのあざといプロモーション
・ハリーの40年間同じギターソロはもはや意匠
・ヨンス『愛の痛手が一晩中』が素晴らしい
・「 秋・ツアーやるゼィ!」は口調もフォントも違う
・容姿のこと(はげてる? 太った?)
・シャケが嫌っている
etc.