ベトナム入国レポート - 入国編
概要
正直、こんなにも人の往来に影響が出るとは思ってもいませんでした。
今年の3月にベトナムから帰国する際は、「まぁ、遅くとも6月ぐらいには多少の条件はありつつも隔離とかの制約なくいけるっしょー!」ぐらいに思ってました。
ですが、実際は、もっと複雑な状況となりました。
そんな中、ベトナムとの往来について、実体験をベースにまとめました!(全体的に主語がなく、私が日本で行った行動とベトナム側の知り合いに協力してもらった行動が混在していますが、許してください)
何かの参考になれば幸いです。
ちなみに、現在は、在ベトナム日本大使館のHPで入国および14日間隔離について、手順が記載されています。まずは、そちらを参照することをオススメします。
https://www.vn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/20200731nyuukoku.html
※念の為記載しておきますが、以下の内容を参考に手続きし、問題が起きたとしても一切の責任は負いません!
初動
さて、前段での楽観的な考えもあり、しばらくは、特に何も動かず、主に外務大臣の情報をチェックし、いい感じにならないかなぁと待っていました。そして、6/19に往来の制限の緩和に合意と発表され、6/25,26,27の3日間でJCCIアレンジによるチャーター便が飛びました。
あれ、もしかして、これって、1個人にとっては、待っててもいつになるか分からないやつでは・・・と危機感を感じて動き出したのが、6/26でした。
ベトナムの知り合いになんとかVISA取れないかー?って話をし、そこから進み出しました。
入国許可を得るまで
まずは、ハノイの保健省に申請し、承認を得る必要があると言うことでした。保健省に申請する為の必要書類としては、私自身の会社の登記簿と私のパスポートのコピーで、それぞれにベトナム大使館による領事認証されたもの、と言うことでした。
領事認証について調べてみると、ベトナム大使館に申込書があり、それを書いて申請すればいけるようなのですが、更に調べるとベトナム大使館で領事認証をもらう前に日本の外務省から認証をもらう(アポスティーユ)必要がわかりました。しかも、パスポートのコピーは、公証役場で行う必要があります。
「あー、これはめんどいやつだ・・・」ってことで、士業の方にお願いした方がいいだろうと思い、検索し、問い合わせし、以下の事務所さんにお願いしました。
https://www.cut-bell.com/category/1992340.html
特急料金をプラスして、5営業日で対応可能と言う見積りをもらったのが、6/30で、すぐにお願いし、翌日にパスポートを手渡し。そして、7/7に領事認証された必要書類を受領できました。それらを全ページスキャンし、ベトナム側へ送りました。
保健省の結果を待っていたのですが、保健省から労働省に確認が入り、卒業証明書が必要となりました。実は、卒業証明書は、上記の領事認証関係の書類を依頼するタイミングで、必要になりそうと言う話があったので、事前に取り寄せていました。それをスキャンして送付し、労働省はOKとなり、また保健省の確認中と言うステータスに戻りました。この時点で、7/17です。
そして、しばらく経った頃、ハノイ保健省はOKとなり、ハノイ人民委員会(UBND)に書類が渡ったと連絡をもらいました。やっと、UBNDです。ただ、UBNDがいつ承認されるかは読めないと言われていたので、こっからが長いんだろうなとは思っていました。しかも、ちょうどこの頃、ダナン市中感染が発生し、更に読めなくなってしまいました。
先行きの見えない不安は募るばかりです。
ですが、そんな混乱の中、思ってたよりも早くUBNDの承認が出ました。8/7のことでした。そして、実際に紙を受領したのが翌週月曜日の8/10。そこから様々なことがトントン拍子に進んでいきます。(怒涛のごとく?)
フライト情報はいずこに
実は、7月中旬ぐらいからフライト情報も探っていました。Twitterでは、嘘か真かいくつかの情報があり、それを元にベトナム側の知り合いとも連携取りながら探ってはいたのですが、なかなか辿り着けませんでした。
もう無理ー!って思い、ベトナムに住む日本人の何人かに「もしなんか知ってたら教えてくだせぇ」と教えてクンを発動したところ、1人の方が「ここになんか情報あったよ」と、あるページのURLを教えてくれました。
そしたら、なんと、そのページにANAとJALの特別便に関する案内にリンクされてるじゃないですか。と言うことで、それを見つけて、ANAハノイ支店に連絡したのが8/10。
正直、入国許可については、必要書類の面倒さはありましたが、出してしまえば後は祈るだけでした。でも、フライト情報だけはどうにか自力で見つける必要があり、今回、最も苦戦したように思います。
出国に向けて!
入国管理局からVISA発給の為の書類さえもらえれば、書類関係はほぼほぼクリアしたようなもんです。なので、見切り発車ながらも8/26のフライトに照準を定め動き出しました。
あ、8/26フライトの場合、8/17までに必要書類をANAに送る必要があるんです。ANAがそれらの書類を元にベトナム航空局に旅客便への変更申請を行うそうです。つまり、普段は貨物便として日本→ベトナムに飛んでたんですねぇ。それを10名以上の申し込みを条件に旅客便にするってことみたいです。ありがたや~
ちなみに、必要書類は、以下3点。
・Approval Letter from Hanoi City Committee,
・Quarantine Instructions from Department of Health
・Approval Letter from Immigration Department
この内、3つ目の入国管理局からのレター(VISA発給の為の書類)が申請中だったので見切り発車と言う訳です。
隔離ホテルについて
さて、まずは、隔離ホテルです。入国後、集中隔離施設もしくはホテルでの隔離14日間が必須となっています。(※2020年8月時点では、自宅隔離は認められていません)集中隔離施設だと1日1000円ぐらいとか(?)で、かなり安いみたいですが、あくまで聞いた話では、4人ぐらいの集団部屋でwifiもあるかどうかは運次第とのことで、さすがに仕事出来る環境じゃなさそうだったので、選択肢から外しました。
ホテルの場合は、政府指定のリストから予約を取ります。指定ホテルには、それぞれ隔離プランと言うのが用意されています。指定されたホテルは以下6つ。恐らく、ホテルによってプランに差はあるかなと思いますが、今回は、8/26~14日間予約可能で一番安いところ!って指定でお願いし、Hoa Binh Hotelを予約しました。値段は後述しますが、ピンきりです。
ちなみに、これらの指定ホテルは、時期によって変わります。徐々に増えているらしいので、今後も増えるのではないかとは思われます。
・Hoa Binh Hotel
・InterContinental Westlake Hanoi
・Sofitel Legend Metropole Hanoi
・Muong Thanh Grand Xa La
・Binh An 3 Hotel
・Crown Plaza West Hanoi
やっとの思いでVISA取得!
さて、次にVISA取得に向けてです。8/10にUBNDから入国許可をもらいましたので、そのまま入国管理局へVISA発給の申請を行い。8/14に無事に書類をもらうことが出来ました。これを在日本ベトナム大使館へ持っていけばVISA発給です!また、VISA発給時に陰性証明書が必要かなと思ってましたが、必要ありませんでした。この書類と申込書等があれば大丈夫です。このあたりは、在日本ベトナム大使館のHPをご確認ください!
と言うことで、VISA発給の為にベトナム大使館へ向かいました。8/20でした。この時は、既に8/26のフライトを照準としていたことが決まっていたので、それまでであればいつでも良いのですが、なんか問題があっても嫌だなってことで、週末をまたぐ前にと言う感じで、この日に行きました。ちなみに、この日は、PCR検査も受ける予定をしていて、ベトナム大使館→病院ってスケジュールでした。
が!
ベトナム大使館にて申請したところ、書類が足りないよ?って言われます。頭真っ白です。もし、ここでVISA発給されなければ、フライトキャンセル、ホテルも日付変更、PCR検査も日付変更、次行けるのはいつなのか、とかいろんなことを考えてしまいました。
すぐにベトナム側の知り合いに連絡し、助けて~~~とメッセージを投げます。どうやら、必要書類は、ベトナム側の入国管理局からベトナム大使館にFAXで送ったと言うことらしくて、それを大使館職員に伝えると、
職員「あぁ、今、FAX壊れてるんです。なので受け取ってないですね。」
Trời ơi!!
と言うことで、ベトナム側の知り合いが入国管理局まで紙を取りに行くこととなりました。職員の人も「ベトナム側に確認してるけど、時間かかっちゃうからねぇ。午後には出来ると思いますよ」ってことだったので、PCR検査が14時からと言うのもあり、一旦、大使館を後にしました。
その後・・・入国管理局へ取りに行った紙のスキャン画像を送ってもらい、それをコンビニで印刷し、大使館へ戻り、事なきを得ました。無事に3ヶ月マルチVISAゲットです!
今までであれば、ベトナム側企業に招聘状お願いしますって言えば、1週間ぐらいで招聘状もらえて、それを持って大使館行ってVISAゲットって流れだったのが、ここまでつらつらと書いた通りの手順を踏む必要があり、もうVISAをもらえた時は感動でした。やっと、やっと!と言う感じです。
そして、PCR検査へ
最後にPCR検査についてです。これは、フライトの3日前~7日前の間に受ける必要があり、受けられる病院は決まっています。(こちらも日本大使館のHPにリストがあるので、そちらをご確認ください)
後、検体採取方式に注意です。一概に「PCR検査」と言っても唾液を採取するのと、咽頭拭い液を採取するのがあります。ベトナム政府の指定は後者のみです。上記の大使館のリストには、その両方が記載されていますので、病院HPや問い合わせなどで確実に確認しておきましょう。
それで、私の場合は、幸い自宅から電車で10分ぐらいの病院で対応が可能と言うこと、また、問い合わせ時にもベトナムへ行く方の検査を既に何件かやったことがあると言うことで、安心し予約しました。
そして、予約当日。上述の通り、大使館から病院へ向かいました。無症状であれ、もし陽性となれば、当然入国出来ない訳で、これまた色んな日付変更とかに追われたりすることを考えると、電車乗って行くのも怖くなったりしましたが、マスクとアルコール消毒を徹底しながら病院へ。
病院受付時にパスポートが必要と言うことをすっかり忘れており、パスポートは、午前中に大使館へ預けたままなんです。記載内容をダブルチェックしてくれる為で、写真とかないですか?ってことで、昔に撮ってた写真で事なきを得ました。みなさんも写真を撮っておくか、コピーを携帯しておきましょう!
そしてそして、あの咽頭拭い液採取です!そう!鼻から15cmぐらいの綿棒を突っ込むあれです!インフルエンザ検査をやったことある人なら分かると思いますが、もう痛いのなんの!我慢は出来ますが痛いです!とにかく痛いです!自然と涙出ます!痛いです!
そんなこんなで終わりまして、翌々日の土曜日に結果とともに証明書をもらえる手筈となりました。ただ、もし、陽性だった場合は分かった時点で連絡が来て保健所の指示に従うことになるそうです。つまり、電話が来たらアウト、ってことで電話が来ないことを祈っていたのですが、土曜日の朝10時頃に電話が来てしまいます・・・。
電話「◯◯◯トラベルクリニックですがー」
私「はい(まじかよ、電話来ちゃったよ、まじかよ・・・)」
この時、またもやいろんな日付変更やらなんやかんやが一気に頭の中を駆け巡りました。
電話「検査の結果がちょっと早めに出まして、14時から受け取り可能とお伝えしてたんですが、今からでも大丈夫ですので、ご都合が良ければお越しになってください」
私「え?え?えーっと、すみません、結果は陰性だったんですか?」
電話「はい、陰性ですー」
おおおおお、良かったあああああ!!!
と言う感じの土曜日の朝でした。いや、良かれと伝えてくれてはいるんですが、心臓に悪いっす・・・。
と言うことで、無事に陰性証明書をゲットしました。
海外保険
あ、1つ大事なことを忘れていました。みなさんは出張時に海外保険には入っていますか?入院しちゃうと保険が効かないのですごい治療費になることがあります。ですので、治療費を無制限に補償してくれる保険商品に加入することをオススメします。
今回は、特に渡航者の身元保証であるベトナム側企業が、いざと言う時には全て(治療費だけでなく、もしコロナを拡めた場合の損害賠償等)を支払うと言う誓約書を書いているので、私も海外保険に加入しました。みなさんもお忘れなく!
準備万端、いざフライトへ!
そして、全ての書類関係が揃い、後は、当日にオンラインで医療申告を行えばやらないといけないことは完了です。念の為、eticketやホテルの予約メールなどは印刷しておきました。
来る8月26日!何ヶ月かぶりの成田空港です。3月以前も羽田ばかり利用していたので、そういう意味でも久々の成田です。まぁ、当然と言えば当然ですが、人がほとんどいません。
あ、そうそう、eticketがもらえるとそこからANAのWebサイトへ飛ぶことが出来、マイレージ番号を入れれば、いつも使ってるANAのアプリにもちゃんと表示されて、一安心できるんですが、前日に「欠航」って注記が出たんですよ!まじびっくり。まぁ、でも、表立っては募集していないと言う意味で欠航って出てるんだろうなとは思いました。オンラインチェックインも出来てるし。
不安は募るばかりです
まぁ、でも、ここまで来たらどうも出来ないので、気にせず成田に向かいましたよ。もちろん、カウンターで通常通り受け付けてくれ搭乗券も発行されましたので問題はなかったですが。
荷物検査、出国審査(ちなみに、自動ゲートは全部クローズしてた)を通過した先はこんな感じ。まるでシャッター街。店が閉まってるのもですが、人が全くいないこともあり、恐怖さえ感じます。まるで、全ての人類が消滅してしまったかのような・・・。
ちなみに、お土産屋等、数店舗はこんな感じで開いています。お土産屋はAM8時から開店らしく、ちょっと待ちましたが購入可能でした。
そして、いざ搭乗です!搭乗してみると、予約のある席のところだけ収納が開いてるようでした。恐らく、10名ギリギリ乗ってるか否かぐらいかなと思います。こんな状況で飛ばしてくれることに本当に感謝です。
ノイバイ空港到着
そんなこんなでノイバイ空港へ到着し、通常通り降機。イミグレーションの前に陰性証明書を見せてくださいと言われます。あ、ちなみに、ノイバイには日本人スタッフがいらっしゃいました。多分、大使館の人かな?安心感がありますね。
それで、陰性証明書を見せて、入国審査へ行きます。入国審査もすぐ終わりスタンプを押されますが、パスポートを返却されません!知り合いに確認したところ、隔離終了後に返されるとのこと。逃げるのを防ぐ為でしょう。
そして、ターンテーブルのフロアに降りると、係の人に名前を確認され、荷物を受け取り、多少、何かを待ってる時間もありつつ、正規のゲートではなく、裏門的なところから駐車場へ向かい、1人1台ずつの車に乗り込みホテルへ向かいます。
ホテルでは、スタッフ通用口側に停車、そこから入り、ルームキーを渡され、スタッフ用エレベーターで部屋まで行き、ホテル隔離生活スタートです!
隔離生活については、半分が終わった頃にでも書こうかなと思います!
時系列まとめ
6/26(金):自力VISA取得に向けて動き出す。必要書類の確認。
6/29(月):必要書類判明。行政書士事務所に問い合わせ。
6/30(火):行政書士事務所より見積り受領。
7/1(水):行政書士にパスポート手渡し。領事認証書類作成開始。
7/7(火):領事認証書類受領。
7/8(水):全ページスキャンし送付。ハノイ保健省へ提出。
7/14(火):ハノイ労働省から卒業証明書が必要とのことで、事前に取り寄せていた卒業証明書をスキャンし送付。
7/17(金):ハノイ労働省から承認され、ハノイ保健省へボールが戻る。
7/27(月):ハノイ保健省から承認され、ハノイ人民委員会(UBND)へ書類が渡る。
--- このあたりでダナン市中感染発生 ---
8/7(金):UBNDから承認される。
8/10(月):入国許可を認める書類を受領。入国管理局へ申請。フライト情報を見つけ、ANAハノイ支店へ連絡。隔離用のホテルを決定し予約。
8/12(水):PCR検査の予約。
8/14(金):入国管理局よりVISA発給の為の書類を受領。
8/20(木):在日本ベトナム大使館にてVISA発給。PCR検査受ける。
8/21(金):フライトのeticketを受領。
8/22(土):陰性証明書を受領。
8/26(水):入国&ホテル隔離スタート!
費用まとめ
領事認証書類取得(特急対応):72,740円
ベトナム大使館でのVISA発給(3ヶ月マルチ):11,500円
PCR検査(証明書費用込):38,500円
ANA(成田→ハノイ片道):39,559,000ベトナムドン
空港からホテルへの車:4,000,000ベトナムドン
Hoa Binhホテル(3食込、13泊14日):36,400,000ベトナムドン
※Sofitelは5,460USD、Crown Plazaは2,590USDでした。
海外保険(東京海上日動、83日分):60,040円
合計(1円=218ベトナムドン):549,564円
最後に
コロナ前に比べると、非常に手間と時間とお金を必要とする状況になっています。今後もしばらくは、これと同じか、多少緩和されても似たような状況と言うのは続くのでしょう。
今回、ベトナム側の皆さんには、よく動いてもらい本当に助かりました!
また、こんな中でも緊張感を持ちながら運営、運航している空港関係者や航空会社には、尊敬の念とともに感謝しかありません。みなさんのお陰で無事に入国することが出来ました。
どういう形であれ、コロナが落ち着き、また国際往来が活発に行える世界になることを願っております!
※続きの隔離編はこちら。
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