旦那様はサンタクロース(1)
家で私が晩ご飯の支度をしていると、携帯のLINEが彼からの着信を伝えた。
「サンタクロース一級の試験に合格したよ。」
すぐに返信する。跳ねているうさぎのスタンプを押す。
「おめでとう…これで名実ともに本物のサンタね!」
「うん、君には苦労をかけると思うけど…。」
「ううん、誇りある立派な仕事よ。」
「うん、そうだね。」
------------
やっと暖かくなってきた春先のある日、いつもの洋食屋さんで私達はご飯を食べていた。食事が済んで、デザートに苺のタルトと紅茶が来ると、彼は急に姿勢を正し改まった声でこう言った。
「だ、大事な話があるんだ。」
(キタ--!)
私はおもむろにフォークを置き、彼の瞳をまっすぐに見て待った。
「実はぼ…僕は、君に言っていなかったことがある。僕は普段は塾の講師をしていると言ったが…それとは別にもう一つ、大事な仕事をしているんだ。実は僕のもう一つの仕事というのは…さ、さ…」
「…笹?」
「さ、サンタクロースなんだ!それでもいいなら、僕と結婚してくれないか?」
彼は勢いよく一気に告白した。私は即答した。
「そんなのいいに決まってるわ。世界中の皆に夢を与える素晴らしい仕事だわ!」
いつもこうして2人で会った後、さよならしてそれぞれの家に帰る。あの名残惜しさをこれからはもう味わわずに済むのだ。同じ所に帰れる…それだけで私は嬉しかった。たとえ彼が何者でも、たとえどこに行くことになっても、ついていくと決めていた。
こうして私達は結婚した。
------------
------------
皆様こんにちは。かねきょです。
このお話は漫画にして描こうと思って、以前メモだけダーーっと書き散らしておいた物のほんの出だしです。でもクリスマスまでに描けそうにないな~と思って、とりあえず文字に起こしてみたのですが、読みたい人いるかな~(笑)
なかなか時間が取れないので、このままだとクリスマス過ぎる…と思って、チラ見せしてみました。
つづくのか?(笑)
旦那様はサンタクロース(2)
kanekyo12|note(ノート)
ありがとうございますサポートくださると喜んで次の作品を頑張ります!多分。