節分の日にふと2018年の抱負を
土曜日。今日も仕事。お昼に自分用のご飯をセブンイレブンで買うついでに細めの恵方巻きを何本か買う。晩ご飯を作るのをサボる算段だ。
「高い……まぁ仕方ない」
恵方巻きに気を取られたせいか、豆を買い忘れた事に気付いたので、夫にLINE。「豆まき用の豆、忘れちゃったんで買っといてくれる?」
帰宅してみると夫は買ってくれていなかった。仕方ない、自分で買いに行くつもりだったが、行ってくれるというのでお願いした。
いつもだと豆と一緒に置いている無料の鬼のお面をもらってくるのだが、夫が行った時はなかったそうなので、仕方なく工作することにする。ティッシュの空き箱を開いて、マジックでいつものように超絶フリーハンド。
写真はサン・ナーン(笑)
適当に作った割には、なかなか鬼然としている。耳のところに穴も開けてゴムを通す。目もくり抜く。油性ペンでドンドン塗る。楽しいねぇ。
夫の買ってきた豆で早速外で豆まき。鬼は夫の係。
「オニは外!ウチはウチ!」
サン・ナーンは相変わらず真剣に唱和する言葉を間違えている。一昨年は「オニは外!ちくわウチ!」だった。今年は……よそはよそウチはウチみたいになってる。「福」ってものがなんだか分からなくて、それで覚えられないのかな。まぁ、福なんて目に見えないから仕方ないのかもね。対してオニはビジュアル的にもすごく分かりやすいしね。
家族全員で玄関先で毎年豆まきしてるのこのご近所でウチくらいだわ。散らばった豆は明日掃除することにして、とりあえず家の中に入る。
年の数だけ豆を食べる……つもりがその後もぽりぽりと食べたいだけ食べる。皆、なんとなくやめられない止まらない。
夫もスーパーで恵方巻きを買ってきてたので、相当数の恵方巻きが我が家にあった。それを南南東を向きながらみんなで黙々と食べる。
この風習は私が子供の頃にはなかったけど、こんなに浸透したのは、恐らくそれがご飯だったからなんだろうな。お母さんが楽できるし、なんとなく特別な行事をこなしている感じがするし、店側も海鮮とかマグロとか、豪華にして高く売ることができて万々歳……という感じで四方八方、うまくマッチしたのだろう。
少しおつまみも用意して、ビール350ml1缶を夫婦2人で開ける。ま、うちのアルコールなんて、ホントにほんのたまに夫婦でこの1缶開けるだけ。
みんな疲れているのか、食べたら寝てしまった。まだ9時なのに。
私も夕寝したけどさ。
noteを眺めてて、色んな人の短歌や俳句や写真などのノートが目に入るうちに、ふと昔の友達のことを思い出してGoogleで検索する。
大学3年の時、私は初めて大学の短歌会に入った。理由なんてあまりない。自分の入ったゼミの先生がその会の主宰だったというのもあって、単純に勉強のつもりで入ったのだった。同じ年で、あるいは先輩や後輩で、もうとっくに本格的に短歌をやっている人もいれば、私のように超のつく初心者もいて、なかなかカオスだった。私にとっては刺激的な場だったと思う。
その短歌会の同級生に、目黒くんという男の子がいた。短歌もうまかったし、写真部にも所属していて、写真も素敵だった。その3年生の時の終わりくらいだったか、本阿弥書店主催の「歌壇賞・俳壇賞」の受賞パーティーの受付のバイトを何かのつてで頼まれて、ゼミの子や短歌会の子たちと何人かでやることになった。受付が終わったら私達も中に入って、立食パーティーのご馳走を頂けるという文字通り美味しいバイトだった。
受付ではやってきた受賞者の方に名前を伺って、その方の名前の書いてある安全ピン付きのリボンと書類の入った封筒をお渡しするという仕事だった。日給5,000円くらい?
そこに、目黒くんは現れた。歌壇賞の新人賞を受賞した先生として。
同じ大学の同い年の男の子。
写真のような、短いムービーのような短歌を詠む人。
彼にリボンと書類を渡しながら「目黒先生、どうぞ」と言ってみる。嬉しいような羨ましいようなモヤモヤした気持ち。
パーティーの食事は美味しかった。
ような気がする。忘れた。
その後、目黒くんは自費出版ではなく、ちゃんと出版社に出してもらって歌集を出版していた。彼は大学を出た後、地元に帰って公立の高校の先生をしながら本を出したのだ。
その本を私はAmazonで購入した。
その本は『CANNAVIS』というのだけれど、すごく良くて……本当に尊敬する。私は短歌は趣味としてほんのちょっとやってみたけど、センスも才能もなくて。だからもう私は彼を羨ましいとは思わなかった。
仕事にかまけて、私はほぼ一切の創作とは縁を切っていた。漫画も描かないし、絵も描かない。短歌も授業以外では作らなかった。
で、戻るけれども、ググってみて驚いた。目黒くんはまだ短歌を続けていた。いっとき俳句もやっていたのをネットでだいぶ前にちらっと見たけど、短歌もまだ続けていて、また本を出していたようだった。すげーなぁ。
その本を手には入れていないのでなんとも言えないが、それについての書評のようなものはいくつか読んだ。とても真摯に、生活と地続きに、彼の短歌はあったようだ(心境の変化なんかも、色々と)。私が作るみたいなフワフワした実体のない短歌(と呼んでいいのかわからないような戯言)とは大違いだった。
仕事なんて言い訳にすらならないんだなぁ。
私は多分、短歌はホントに遊びでたまにやるくらいなので、目黒くんと同じ土俵に立つ気は全くないのだけれど、何かを感じたらそれを創作の糧にして作り続ける、というのは、私にとっては「生きること」なのかもしれないとここ2〜3年でやっと思うようになったので、すごく遅まきながら、何かを作りたい、残したいと改めて思う。多分私の場合、それは、漫画や文章で。
もう2月なのに(笑)
今更抱負なのかよ!
のんびり屋なもので、すみませんね。
まぁ、去年の暮れも思ったけど、改めて。
今年は出来るだけ漫画描きます。
おしまい
ありがとうございますサポートくださると喜んで次の作品を頑張ります!多分。