ただいちばんのさいわい
noteの文士、OZZY-ZOWプロジェクトさんから、なんとなんと、バトンを受け取りました。
モッコーBグル部さん主催
https://note.mu/yocy_gowe
ノートバトンココセン
https://note.mu/notebaton/n/nb7cfea9ec4ea
「励まされた、または救われたなどのエピソード」とのこと。
私は小学校5年生の時、東京都の某区から茨城県に引っ越しをしました。社宅暮らしから夢のマイホーム一戸建てへ。子どもにとって転校とはなかなかにストレスの多い出来事です。なるべく早くなじめるといいな。友達できるといいな。引っ込み思案は封印して、明るいキャラでうまいことやろうと思っていました。
でも、グループも難しいし、近所の子は私を支配しようとするし、そんな中いじめられっ子に懐かれてしまい、ケンカに巻き込まれる始末……。
なんだか疲れてしまいましたが、そんなこんなでオタク真っ盛りな中学生になり、つくば科学万博EXPO’85はご近所で開幕されたのでした。
近かったこともあり、何度も行きました。野外の巨大ビジョンに写っていたのは、当時まだ公開されたばかりのアニメ『銀河鉄道の夜』だったと思います。あの、ますむらひろしさんの猫の絵で、田中真弓さんが「カン……パネルラァ!」と叫ぶシーンはCMでも何度も流れました。というわけで、なんとアニメが先だった私ですが、その後宮沢賢治作品はたぶん殆ど読んだと思います。
思春期の私の胸に刺さって、今でも事あるごとに思い出す言葉があります。
「なにがしあわせかわからないです。ほんとうにどんなつらいことでもそれがただしいみちを進む中でのできごとなら峠の上りも下りもみんなほんとうの幸福に近づく一あしずつですから。」
正しい道ってなんだろう。ほんとうの幸福ってなんだろう。
友達づきあいや、いじめなどの問題に頭を悩ませていた中学生の私も、大人になった私も、
「ただいちばんのさいわいに至るためにいろいろのかなしみもみんなおぼしめしです。」
この言葉をいつもふっと胸の底から思い出すのです。
「カムパネルラ、また僕たち二人きりになったねえ、どこまでもどこまでも一緒に行こう。僕はもうあのさそりのようにほんとうにみんなの幸のためならば僕のからだなんか百ぺん灼いてもかまわない。」
「うん。僕だってそうだ。」カムパネルラの眼にはきれいな涙がうかんでいました。
「けれどもほんとうのさいわいは一体何だろう。」ジョバンニが云いました。
「僕わからない。」カムパネルラがぼんやり云いました。
このジョバンニとカンパネルラのやりとりは今でも私の作る物語の核になっている気がします。ほんとうの幸。みんなの幸。分からないまま一生が終わるかも知れないので、これは永遠のテーマだなぁと。
以上、私のココセンでした。
*バトンを渡してくれた人→ OZZY-ZOWプロジェクトさん
*次にバトンを渡した人→山内たまさん
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