あなたのやりたいことって、なに?
悪くない。
悪くない人生だった。
前職辞めてから、人生の生き甲斐だった人生をかけてでもやりたかった目標をふと無くしてしまって、それでも今を楽しんで生きてきた。「今を楽しむ」にフォーカスして生きていくことにしたんだ。
「今を生きる」
軽やかに、今を楽しく、心が躍ることに向かって、ふんわりと、生きる。
それで、上手くいっていたのよ。
「海外に住む」ことが長年の夢だった。
学生時代、カンボジアシェムリアップに1ヶ月住んだ。
もう、めちゃめちゃ楽しかった。
街に出ればクラクションの音がしないことはないこと。
1日中バイクに乗って、夕方家に帰って、ティッシュで顔を拭くと、ティッシュが必ずまっ茶色になること。
ローカル料理が安くて美味しいこと。
たまに1人時間を過ごして、少しの寂しさがあること。
バイク運転中にブレーキが効かなくなってほぼ事故しかけたこと。
道路に普通に異物が転がっているから、タイヤのパンクは日常茶飯事なこと。
毎朝のクイティウ(ライスヌードル)が美味しいこと。
昼ごはんに決まって食べるお肉が硬いこと。
そんなん、何が楽しいのかわからないなんて声が聞こえてきそうだけど、
私には、私にとっては、エキサイティングでファンタスティックでクレイジーなかけがえのない、2度とない最高な経験だった。この経験は何にも変えられないし、誰にも渡さない。
ある友人はいった。彼女はフィリピンに1年間、デンマークに1年間の留学経験がある。
「私は途上国のフィリピンより日本より発展しているデンマークの方が自分にはあってると思った。私は新しいことを学びたい。」
私は・・・?
カンボジアには1ヶ月だけ住んだけど、日本よりもの先進国に住んだことはないな・・・
それがきっかけだった。先進国で暮らしてみたい。自分は今カンボジアが最高だと思っているけど、他の国ではどうなんだろう。経験値1の中の1が最高というのは説得力がないよな。他の国でも過ごしてみたい。
カナダには手ぶらで来た。
「海外で暮らしてみたい。自分には何が合うのか、試してみたい」
それだけだった。目的なんかなかった。やりたいことなんかなかった。今を楽しめれば、それでいい。それがいい。
そう信じようとしていたのかもしれない。
それである時、こう言われた。
「◯◯さんは本当はどうなりたいんですか?人からなんて言われたら嬉しんですか?心が動く言葉ってなんですか?」
フリーランス動画編集者としてやっていく中で、パッションがとても熱いクライアントさんに出会った。その方から言われたのがこの言葉だった。青天の霹靂。寝耳に水。え、私今通り魔に刺された?え、今ってもしかして頭上に雷落ちた?今血出てる?自分焦げた?え?え???
未来のことなんて考えていなかった。
「今を生きる」なんて便利な言葉に甘えてた。
「今を生きる」が間違っているなんて言わない。すごくかっこいい。
でも。
それに甘えちゃいけない。自分軸のない人が使っていい言葉ではない。
あの頃の憤りなんて忘れていた。
大学卒業後、4月にすぐ入社せずに10月入社に遅らせてもらって、何してたか。
アルバイトして、お金を貯めて、海外に行っていた。
なんのために?
あの時、私、男女不平等に怒ってた。
世界ジェンダーギャップ指数150ヶ国くらい中、日本、120位くらいで。
先進国最下位。は?
学生の時の私の口癖がこちら:
「男になりたい」
身長でも、体力でも、体格でも、体重でも、力でも、勝てない。圧倒的に勝てない。
例え頭脳で勝っても、力で抑えられる。
例え口で勝っても、手を出されたら終わり。
性被害に遭ったら、「抵抗しない方が悪い」「そんな格好している方が悪い」
本当ムカつく。
女性年齢階級別就業率のM字カーブは有名だと思う。
30〜40代女性が仕事辞めて、子育てせざるを得なくて、子育てが落ち着いた40後半以降の女性がまた始めるのは、パートタイム。正社員じゃないの。
前職勤めていたのは、外資IT系大手企業。
とってもいい会社でした。
IT業界というのも影響して、当時男女比は8:2、今後6:4を目指すって言ってた気がする、私の在籍時に。
そもそも、理系で浪人した時から何かがおかしかった。
下のクラスには女子もパラパラいたけど、上のクラスになればなるほど女子消える!消える!消える!なんで!!!ねぇ女子!!!!!!
大学に入学して、女子率25%。理系で25%だからかなり多いけど。けど!!!けどさあ!!!女子どこだよ!!!
会社入って、さあ今度こそ!の気持ち。
同期には3~4割くらい女子いて安心安心、あーよかった。の気持ちも束の間。
気づいちゃったんです。
マネージャー陣、男性しかいない。
うそです、女性のマネージャー、いました、1人。
ただその方は優秀すぎて私のマネージャーのマネージャーのマネージャーくらいの雲の上の存在の人。
それで。気づきました。
そういえば女性のリーダーすらいないなって。
リーダー、つまり20代後半〜30前半くらいの方なんだけど、男性に比べてほとんどいなくて。女性ってどこ行っちゃうんだろう?本当に、女性ってどこにいるの?
愕然としたよね。こんな素敵なグローバルな会社でさえも、このくらい。女性の社会進出、どうにかできないのかな。もっともっと、全ての人が、ひいては女性が、社会で生きやすくなったらいいんじゃないかなって。そういうのも例えば少子化とか社会問題の解決にも繋がってくると思うんです。
私に何かできることないのかな。政治家にでもなろうかしら。
会社を退職してから、フリーランスになって「今を生きる」なんて言い始めてから、自分以外のことが目に入らないようになってから、そんな気持ち忘れました。
「◯◯さんは本当はどうなりたいんですか?人からなんて言われたら嬉しんですか?心が動く言葉ってなんですか?」
私がやりたいことは、
「自分の意思で自分の未来を紡げる人を増やしたい、特に女性の社会的地位の躍進を進めたい」
ありがとうクライアントさん。もうその方との関係は切ってしまったけれど、本当にありがとうございました。
さあ!自分の背中を世界に見せながら、できることを一歩一歩、やっていこうかね。ちょうどいい頃合いだ。
強く、地に足をつけて、しなやかを目指しながら、軽やかに、芯を強く、今を楽しみながら、すぐに過ぎていってしまう一瞬一瞬を大切に、生きよう。