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月面探査がなぜ今、投資家に注目されているのか?

こんにちは、お金が入るでかねいりです。

6月3日の日経記事で「中国が月面着陸から土壌の採取に成功」というものがありました。最近、月面探査にかかわる記事を目にすることが増えました。

そこで今日は、なぜ月への探査を進めているのかについて調べて考えたことをお伝えできればと思います。


■月面探査の歴史

月面探査は1950年代後半からアメリカ、旧ソ連がスタートさせ、1966年に旧ソ連が世界で初めて月面の軟着陸し、その後アメリカが続きました。

1969年には、アメリカが「アポロ11号」で初の有人月面着陸を果たします。

そこから少し時間があき、2013年に中国が3か国目となる月面着陸を成功させます。

そして、2023年にインド4か国目となる月面着陸を成功させました。

日本はというと、2024年に5か国目として月面着陸を成功。ターゲットとなる着陸場所から半径100メートル以内での成功は世界初となりました。

■なぜ、月面を探査するのか?

月面探査を各国が進める理由は、将来の基地建設に向けた地質調査のためと言われています。

では、何のための基地建設なのかというと、その理由はいくつかあります。

ひとつは、「資源開発」です。

月には、核融合発電の燃料となる「ヘリウム3」や、建材などに使えるアルミニウムやチタンといった金属があると言われています。一方で、資源がどのように分布しているかは十分にはわかっていません
そのため、月の土壌を採取することは、極めて重要な意味を持ちます。
そこで注目されているのが、月の裏側です。
平らな地形が多い月の表側に比べて、月の裏側は凹凸が多く、隕石の衝突の跡がたくさん残されていて、こうした地形の違いが資源の分布に影響を及ぼすと言われています。

そうした中、今回の日経記事に「中国が月面着陸から土壌の採取に成功」とありましたが、実はこれは月の裏側の土壌で、中国が月探索の先頭を走っている状況なのです。

レアメタルのような希少性の高い資源を手に入れることができれば、他国との外交における交渉を優位に進めることができるようになり、大きな意味を持つことになります。

そのほかには、「火星への進出の拠点」としての基地建設という理由もあります。

月には水などの資源が存在する可能性があると言われており、人類が活動する拠点として使えるほか、より遠い火星などに進出するための足場にもなり得ると考えられています。アメリカが提唱した「アルテミス計画」の狙いもここにあります。

また、イーロン・マスク氏も火星進出への意欲を見せています。スペースX社を通して、最終的には火星に恒久的な基地を作り、人が暮らせる自立したエコシステムを築くことを宣言しています。

さらには、宇宙ビジネスの拠点としようとする考えもあります。

月の重力は地球の1/6。そのため、地球に比べ、少ないコストでロケットを打ち上げられる可能性があります。地球の周囲にある人工衛星を維持管理したり、そのほかの小惑星などを探査したりする際に、月が重要な打ち上げ拠点となり得ると考えられています。

■ビジネスへの展開

月探索は、もともとは国家が科学力を競う場で、国の威信をかけて挑んだ一大事業したが、宇宙開発の拠点になると目された昨今は、国家の取り組みに加え、民間企業や大学が、月面ビジネスに進出する動きが世界で本格化しています。

月面ビジネスは、PwCの予測では、月への貨物輸送は2036~2040年の5年間の合計で最大420億ドル(約4兆8000億円)のビジネスに拡大月の水資源開発などに関連する環境データが生み出す市場も同時期に最大で58億ドルに膨らみ、合わせて約5兆5000億円になると見込んでいます。年間でならすと1兆円規模になる計算です。

その中で、日本のベンチャー企業のアイスペース(ispace)は、月面利用の拡大を見据える。2024年以降も継続的に月着陸船を送り込み、2030年までに低コストの月面輸送サービスを構築することを目指しています。その先に描くのは「2040年代に月面に1000人が滞在し、年間1万人が旅行する」という世界の姿。

月面ビジネスの拡大を支えているのが、投資家の存在です。米ブライステックによると宇宙関連のスタートアップへの投資額は2000~2020年に累計367億ドルにのぼり、うち7割の262億ドルは15年以降に集中していると分析。起業家らがリスクを取って宇宙に挑む背中を押しており、月面ビジネスへの期待の大きさがわかります。

■国際ルールが整備されていない月面

一方で、月面に関する国際ルールは現在整備されていません。1967年に発効した「宇宙条約」は、国家による月や天体の領有は禁止したものの、資源を所有することについては明確に禁じていません

1984年に月の資源を「人類の共同財産」と定める「月協定」が発効しましたが、日米中ロなど主な宇宙先進国は批准していない現状です。

国家がメインとなり、今後も月面探索や拠点建設が進んでいくことが想定されますが、国際ルールが整備されていないことから、米中対立の新たな火種となる可能性もあります。

引き続き注目をしていきたいと思います。

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