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「新型コロナウイルス」と「生成発展」について考えてみたという話

こんにちは、お金が入るでかねいりです。
現在のパナソニックの創業者で、日本において最も有名且つ成功した経営として知られる松下幸之助さん。晩年「生成発展」という言葉をよく使われていました。「生成発展」とは、簡単に言うと、自然の理法(筋の通った原則原則)に従えば、世の中は良くなるようにできているということ。「実践経営哲学」という書の中で以下のように言っています。

'’例えば、資源の枯渇ということが言われている。もう何十年かしたら資源がなくなってしまう、そうなると人間は生きていかれなくなってしまうというような極端な考え方もある。しかし、私は基本的にそうは考えないのである。確かに個々の資源というものをとってみれば、有限であり使っていくうちになくなるものであろう。けれども、それに代わるものは人知によって必ず生み出し、あるいは見いだすことができると考えるのである。’’

この「生成発展」=「自然の理法に従えば、世の中はうまくいくようにできている」ということなのですが、そこで考えたのが、この新型コロナウイルスの状況を「生成発展」という原理原則の中で、我々はどう受け止め、どう考えればいいのだろうか?という事でした。

今回のこの新型コロナウイルスを生成発展の原理原則で考えるとすれば、あまりそうは考えたくありませんが、世の中が良くなるために起こるべくして起こっているという風にも受け止める事ができます。
今回の新型コロナウイルスの影響による一番の変化は「人との接触」についての認識です。「人との接触=感染のリスク」と捉えられ、必要以上の接触を避けなければならなくなりました。このことを「世の中が良くなるために起こった必然」と解釈し、自分なりに次のことを考えてみました。

■「未来」が早くやってくる
■「会う事」の価値の再認識
■「会社の存在意義」がより問われる時代に


■「未来」が早くやってくる

「人との接触」を避けるために起こったひとつの変化として、テレワーク化が挙げられます。少し昔を思い出してみると「働き方改革」という名のもとにこのテレワーク化が掲げられていましたが、なかなか進まない現状がありました。総務省の平成30年通信利用動向調査によると、企業におけるテレワークの導入率は19%。ここ10年、10~20%の間を行ったり来たりしている状態でした。

一方で、現状は大手企業を中心に多くの企業がテレワークを実施せざるを得ない状況。LINEが行った全国調査によると全国平均で35%の企業がテレワークに取り組んでいると発表しています。
新型コロナウイルスが起こっていなかったら、テレワーク率はこれまで同様に10~20%を行ったり来たりという状況が続いていたことが想像できます。

また、早期の状況回復を期待していますが、ワクチンや特効薬の開発にはまだ時間がかかるという状況を考えると、この状況が長期化する可能性が高いと考えます。そうした際に経営的な観点で考えなければならないことは、できる限り人手をかけずに事業を行うという事です。いわゆる自動化・ロボット化・AI化・IT化の実装です。その流れがさらにスピードアップする可能性があります。
直近では、エレベーターを使用する際に、ボタンに触れずに声で作動するAI技術をつくった中国企業に問合せが殺到しているというニュースが話題になっていました。これらに対する投資が避けて通れなくなるという状況が、いよいよ目の前にやってきたと考えます。


■「会う事」の価値の再認識

上記のようにテレワーク化が大幅に進み、オンラインでのミーティングやセミナー・研修などが促進されました。私も取引先とZoomでミーティングを行ったり、友人とZoom呑みをしたりとオンライン生活の真っ只中にいます。実際にやってみて感じた事は、思っていた以上に違和感がないという事でした。Zoom呑みに至っては、家で飲むことも多く、時間制限もないため、飲み過ぎてしまうくらい普通に盛り上がりました。

しかしながら、この生活を続けていく中で、改めて感じる事は「会いたい気持ちが強くなる」という事でした。特に大切なお客さんや友人にはその気持ちがより一層強くなることを実感しています。また、ある友人は、この生活が続く事で人に対してやさしくなくなっていたことに気づいたと言っていた事が印象的で、人と人が直接会う事で、その空気・雰囲気の中から「やさしさ」や「安心感」が高まり、心の落ち着きをもたらしてくれるという事に気づかされました。

そういった意味で、これまで以上に「会う」という事がいかに尊い事で、価値のある事だという認識が高まることが考えられます。


■「会社の存在意義」がより問われる時代に

今回の新型コロナウイルスにより、経営者は非常に難しい判断を迫られる場面に遭遇しています。清掃業を営む経営者のお話を聞き、まさにそのことを実感しました。

マンションなどの日常清掃を手掛ける同社。パートさんとして多くの高齢者の従業員を抱えています。この新型コロナウイルスの状況と言えども、もちろんマンションに住む方々の生活は続きます。そうした背景もあり、取引先であるマンションの管理会社からは継続的に仕事をおこなってほしいという依頼が来ていました。しかしながら、仕事を継続するということは、従業員である高齢者の方々を感染のリスクにさらすことになります。非常に難しい判断です。この経営者は悩みに悩んだ結果、こう決断したのでした。
それは「我々の仕事は、世の中の人々の生活のインフラを支える仕事である」という理由から運営を継続するということでした。
「生活のインフラを支える」ということは、医療やガス・電力の仕事と同様の役割を担っているということ。自分たちの仕事はそれだけ社会にとって必要な重要な仕事をしているからこそ継続してサービスを提供していく必要があると考えたのです。

その話を聞いた時に、ピンときたことがありました。それは、ここから「会社の存在意義」がより問われる時代に突入したのだという事です。今回の新型コロナウイルスの影響により、これまでのビジネスの前提が崩れ(例えば会う事ができないなど)、これまで通りのやり方では、自分たちがやってきた事業が成り立たなくなるという事が起きつつあります。
そうした際に、改めて「自分たちはなぜこの事業を行ってきたのか?」、「今後、この状況を踏まえて、自分たちはどのようにして世の中の役に立っていくのか?」という事を問いたださなければならなくなっていると考えます。そこに意味を見出す事ができなければ、お客さんが去り、従業員も去り、残念ながら事業の継続は難しくなる時代になると考えます。


「新型コロナウイルス」と「生成発展」

松下幸之助さんの「生成発展」という事から、今回の新型コロナウイルスについて考えてみましたが、改めて感じたのは、良い意味で、もとの状態に戻してはいけないのだという事です。

多くの犠牲を生んでしまっている現状からも、これらの事から多くを学び、世の中をより良くしていく機会、世の中を抜本的に見直していく機会にしていかなければならないという事を実感するとともに、人の笑顔で溢れる世の中に役立つ仕事をしていきたいという想いを新たにしました。

女性の笑顔(イラスト)


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