ヒストグラムの読み取り方のコツ
本日は「ヒストグラムの読み取り方のコツを教えてほしいです」というご質問にお答えしていきます。
まず、ヒストグラムとは…
量的データの分布の様子を見るのに用いられる図のこと。
簡単に言うと…
あるデータをもとに、多い少ないを棒グラフのように示したもの!
↑ヒストグラムと棒グラフは厳密にいうと別物ですが、簡単に説明するため
にこのように表記しました。
分かりやすくイメージするための解説と思ってください。
例:とある小学校の4年生20人の身長
140㎝~145㎝ 1人
146㎝~150㎝ 8人
151㎝~155㎝ 10人
156㎝~160㎝ 1人
このデータをヒストグラムにするとこんな感じ
・151㎝~155㎝くらいの身長の人が一番多い
・クラスの9割が146㎝~155㎝
↑このようなことがパッと見ただけで読み取れますね
ヒストグラム自体はお分かりいただけましたか?
では実際の国試を使ってヒストグラムの読み方・解き方のコツを解説します。
第37回198番の問題です。
取組開始時と中間評価時に、それぞれ市民 1000人ずつを無作為抽出し、横断調査を実施した(開始時:上図、中間評価時:下図)。調査方法は同一である。市民の食塩摂取量の変化に関する記述である。最も適当なのはどれか。 1つ選べ。
(1) 集団全体の食塩摂取量の平均値は下がったが、中央値は変わらなかった。
(2) 集団全体の食塩摂取量の平均値及びヒストグラム上の最頻値は下がった。
(3) 集団全体の食塩摂取量の分布のばらつきは大きくなったが、範囲(レンジ)は狭まった。
(4) 第1四分位点未満の者の食塩摂取量は下がったが、第3四分位点以上の者の食塩摂取量は上がった。
(5) 第1四分位点未満の者の人数は減ったが、第3四分位点以上の者の人数は増えた。
解き方のコツ
いきなり問題文を読み始めるのはNG!
難しそうな問題ほど、落ち着いて、1つずつ整理してみましょう!
まずは問題文と表からぱっと見で分かることを確認しておきます。
①そもそも何の話?
⇒市民の食塩摂取量の変化を取組開始時と中間で比較している
②一番大きい値は?小さい値は?
⇒開始時:大21.0g、小5.3g
中間:大21.0g、小5.3g
↑今回は図に書いてくれてますね!
③一番人数が多い数値は?
⇒開始時:10-11g
中間:10-11g
解く前にこの3点は確認してくださいね。
それでは1問ずつ見ていきましょう!
(1) 集団全体の食塩摂取量の平均値は下がったが、中央値は変わらなかった。
【ここで聞かれていること】
①開始時と中間で平均値は下がった?
②中央値は変わらない?
【ポイント!】
平均値とは
⇒全部の値を足してその人数で割った数
例)5.7.9.10.12の5つの数の平均は?
(5+7+9+10+12)÷5=8.6
中央値とは
⇒資料を大きさの順に並べたとき、全体の中央にくる
値のこと
例)5.7.9.10.12の5つの数の中央値は?
ど真ん中の数字 9
【考え方】
表に書いてある通り、平均値は11.3gが 10.9gへ
つまり、下がっている
中央値
左右に250人と書いている縦棒の間の数に注目!
開始時は9-13の左右に縦線
中間は8-14の左右に縦線
並べてみると…
9-10、10-11、11-12、12-13
開始時:10-11と11-12の間が中央値であることがわかる
8-9、9-10、10-11、11-12、12-13
中間:ど真ん中の10-11が中央値
つまり下がっている
2つとも下がっているから、不正解
(2) 集団全体の食塩摂取量の平均値及びヒストグラム上の最頻値は下がった。
【ここで聞かれていること】
①開始時と中間で平均値は下がった?
②最頻値は下がった?
【ポイント!】
平均値は(1)の解説見てください
最頻値とは
⇒統計資料において、最も現れる度数の多い値。
例)小4クラスの男子の身長の最頻値は?
150、148、150、150、160…
ここで何回も(頻繁に)出てくる数字は150
つまり最頻値は150となる
↑一番人数の多い数をみたらいい
【考え方】
表に書いてある通り、平均値は11.3gが 10.9gへ
つまり、下がっている
最頻値は解き方のコツ③一番多いのは?でも調べていました
⇒開始時:10-11g
中間:10-11g
つまり、変わらない
平均は下がっているが、最頻値は変わっていないから、不正解
(3) 集団全体の食塩摂取量の分布のばらつきは大きくなったが、範囲(レンジ)は狭まった。
【ここで聞かれていること】
①表の分布のばらつきは大きくなった?
②範囲は狭まった?
??????
なんか日本語として違和感…
↓イメージで考えてみてね
ばらつきが小さいということは
□□□□ ←こんな感じ。バラバラしてない 範囲(レンジ)も狭い
ばらつきが大きいということは
□ □ □ □ ←こんな感じ。バラバラしてる 範囲(レンジ)も広い
つまり、ばらつきが大きいなら範囲も広くなるし、ばらつきが小さいなら範囲も狭くなる。
どっちかが大きくてどっちかが小さいのはありえないので不正解。
(4) 第1四分位点未満の者の食塩摂取量は下がったが、第3四分位点以上の者の食塩摂取量は上がった。
【ここで聞かれていること】
①第1四分位点未満の者の食塩摂取量は下がった?
②第3四分位点以上の者の食塩摂取量は上がった?
これは見た目で判断!
第1四分位点の縦線の所に注目
9-10gが8-9gになり、減っている
第3四分位点の縦線の所に注目
12-13gが13-14gになり、増えている
これが正解
(5) 第1四分位点未満の者の人数は減ったが、第3四分位点以上の者の人数は増えた。
【ここで聞かれていること】
① 第1四分位点未満の者の人数は減った?
②第3四分位点以上の者の人数は増えた?
これも見た目で判断!
第1四分位点未満の者
5?+20+50+80=155 が 40+60+80= 180へ
見た目で増えているのがわかる
第3四分位点以上の者
図右側の250人のラインに注目
開始時は第3のラインの所がちょうど250人のところだったのに、中間は250人ラインの左側に第3ラインが来てる
第3四分位点以上の者が、250+α人いるのが見た目で分かる
第1四分位点未満の者は増えているし、第3四分位点以上の者も増えているから、不正解
まとめ
図や表のある問題って苦手意識がありますよね…。
私も苦手でした。
でも今のように、落ち着いて1つ1つばらしてみたら、めっちゃ簡単!
条件反射で、「うわっ、無理!難しい!」と思う前に、単語1つずつを落ち着いて見てみましょう。
必ず、「見たままじゃん!」とか「なんか日本語おかしくない?」とすぐわかる問題があります。そういう問題はすぐ消して、残り2~3択に時間をかけていきましょう!
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