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IPTech弁理士法人の安高先生に聞いてみた(要約版)
IT系スタートアップに特化した弁理士法人の代表をされている弁理士・公認会計士の安高先生に対するインタビューを要約しました。
ぜひ動画もご覧ください。
1.対談形式の要約
北:「本日はお忙しい中ありがとうございます。IPTech弁理士法人代表の安高先生にお越しいただきました。先生、本日はよろしくお願いします。」
安高:「こちらこそよろしくお願いします。」
北:「まず、視聴者の方に向けて、簡単な自己紹介をお願いしてもよろしいでしょうか?」
安高:「はい。IPTech弁理士法人の代表を務めております安高と申します。独立して開業したのが約6年前で、以来、ITやスタートアップ分野に特化した知財業務を中心に活動してきました。弁理士資格に加えて公認会計士の資格も持っていますので、その両面から支援できるのが特徴です。本日はどうぞよろしくお願いいたします。」
北:「弁理士と公認会計士、二つの資格をお持ちなんですね。大変興味深いです。ではまず、弁理士の道に進むまでの経緯をお聞かせいただけますか?」
安高:「はい。実は、大学では物理学を専攻していまして、研究者を目指していました。東京大学の物理学科に進学し、最初は自分に自信を持っていたんです。ただ、東大という環境は本当に優秀な人ばかりで、学ぶ中で『研究者としてはそこまで突出した存在ではないかもしれない』と感じるようになりました。」
北:「物理から知財の世界への転身は大きな決断だったと思います。そのきっかけは何だったのでしょう?」
安高:「そうですね。物理が好きで得意だったのは間違いありません。ただ、研究者として突き詰めるには、何かが足りないとも感じていました。大学4年生のとき、進路をどうしようか悩んでいたときに、友人から『国一の試験があるから受けてみたら?』と勧められたんです。勉強は得意だったので、試験には合格しました。その後、特許庁という選択肢を教えてもらい、特許の分野がこれから重要になると感じて、特許庁に進むことを決めました。」
北:「特許庁での経験はその後のキャリアにどのように影響しましたか?」
安高:「特許庁では、特許審査官として新規性や進歩性を評価する業務を4年間行いました。この経験を通じて、知財業界全体の仕組みや特許の価値について深く理解することができました。自分で判断を下し、特許の権利化や却下を決めるという責任の重い業務は、大きなやりがいがありましたね。」
北:「なるほど。それだけやりがいがある職場を辞めて弁理士資格を取る決断をされた背景には、どのような考えがあったのでしょう?」
安高:「一言で言えば、自分の可能性を広げたかったからです。特許庁での仕事は素晴らしいものでしたが、審査業務がルーティン化しやすい側面もあります。また、自分が特許というツールをより実践的に使って企業や事業に貢献する側に回りたいと思うようになったんです。そのためには、弁理士資格を取得して民間の現場に出る必要があると考えました。」
北:「弁理士資格を取得後のキャリアについてもお聞かせください。まず、どのような業務からスタートされたのですか?」
安高:「資格取得後は、まず野村総合研究所(NRI)のグループ会社である知財コンサルティング会社に入りました。そこでは、特許情報の分析や競合他社との比較、知財戦略の提案といったコンサルティング業務を担当しました。」
北:「コンサルティング業務の中で学ばれたことや印象深いエピソードはありますか?」
安高:「知財コンサルティングの魅力は、特許を単なる権利としてではなく、企業の成長を支える戦略的なツールとして扱える点です。例えば、ある製品分野での競合分析を通じてクライアントの競争優位性を明確にするようなプロジェクトがありました。その際、自分の提案がクライアントの事業計画に大きく影響を与えたことは、非常にやりがいを感じましたね。」
北:「その後はYahoo!の知財部門にも所属されていたとか?」
安高:「そうです。Yahoo!では、事業会社の内部から知財戦略を構築する経験を積みました。特許の権利化はもちろん、著作権管理や商標関連の業務も担当しました。特に、知財を活用したビジネスの促進やM&A時の知財評価など、幅広い業務に携われたのが貴重な経験でした。」
北:「そして、独立されてIPTech弁理士法人を立ち上げたわけですね。その際のビジョンや目標について教えてください。」
安高:「はい。独立の際には、特にスタートアップとIT分野に特化するという明確なビジョンを持っていました。スタートアップ企業は新しい技術やビジネスモデルを持っている一方で、知財戦略に関してのサポートが十分ではないことが多いです。そこで、彼らの成長を支援する知財専門家としての役割を果たしたいと考えました。」
北:「その選択が今の成功に繋がっているのですね。現在の事務所の規模や体制についても教えてください。」
安高:「現在は弁理士やスタッフを合わせて30名近くの組織となり、IT分野の特許業務を中心に活動しています。経営陣は私を含めた3名で、それぞれ業務のマネジメント、人事・財務、営業・マーケティングなどを分担しています。また、リモートワークを活用して、地方在住のスタッフも積極的に採用しています。」
北:「今後の展望についてもお聞かせください。特に目指している方向性や新たなチャレンジについて教えてください。」
安高:「目標としては、50名規模の組織を作り、日本で最も強いIT特許事務所を目指すことです。そのためには、さらに大規模なクライアントとの取引を増やし、より高度な知財戦略を提供していく必要があります。また、スタートアップ支援の分野でも、これまで以上に影響力を高めていきたいと考えています。」
北:「素晴らしいビジョンですね。本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。」
安高:「こちらこそありがとうございました。視聴者の方々も、知財や特許に関してお困りのことがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。」
北:「本日はありがとうございました!」
2.より時間がない人のために
自己紹介と経歴
安高先生の概要:
IPTech弁理士法人代表。
弁理士資格と公認会計士資格を持つ。
約6年前に独立開業し、IT分野とスタートアップ支援に特化。
大学時代から特許庁勤務まで:
東京大学物理学科出身。
研究者を目指していたが、自分の適性を考え知財の道へ。
国一試験に合格後、特許庁で特許審査官として4年間勤務。
特許庁での経験:
新規性や進歩性の評価を担当。
責任のある業務でやりがいがあったが、ルーティン化への懸念を感じる。
弁理士資格取得後のキャリア
知財コンサルタントとしての経験:
野村総合研究所グループで特許分析や知財戦略提案を行う。
特許を戦略的に活用する視点を学ぶ。
Yahoo!での知財業務:
特許権利化、著作権管理、商標関連業務を担当。
企業内での知財戦略構築に携わる。
IPTech弁理士法人の設立と展開
独立の背景と目標:
スタートアップやIT分野に特化した弁理士法人を目指す。
知財戦略の重要性が認識されていないスタートアップを支援するニーズを感じた。
事務所の規模と体制:
弁理士やスタッフを含め約30名。
リモートワークを活用し、地方のスタッフも採用。
経営陣は3名で分担して業務を管理。
現在の活動と将来の展望
活動の柱:
IT分野の特許業務に特化。
スタートアップ企業の知財戦略支援。
今後の目標:
50名規模の組織を目指す。
日本で最も強いIT特許事務所を目指す。
大規模クライアントとの取引増加と高度な知財戦略提供。
スタートアップ分野でのさらなる影響力拡大。
視聴者へのメッセージ
知財や特許に関する困りごとがあれば気軽に相談してほしい。
スタートアップ支援やIT分野に強い弁理士法人としての役割を果たしたい。