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電羊法律事務所の平野先生(スドー先生)に聞いてみた(要約版)

最高裁で複数の無罪判決を獲得すると共に、漫画村に広告を出していた広告代理店に対する損害賠償請求が認容されるなどの活躍をされている平野先生に対するインタビューを要約しました。呪術廻戦の監修もされています。

ぜひ動画もご覧ください。

1.対談形式の要約
司会者
: 今日は電羊法律事務所の平野弁護士をお迎えして、お話を伺います。平野先生、本日はよろしくお願いします。

平野弁護士: よろしくお願いいたします。

司会者: では、まず簡単に自己紹介をお願いできますか?

平野弁護士: はい、私は東京都町田市で電羊法律事務所を運営しています。弁護士登録は2014年で、現在9年目になります。これまで主にコンピューターシステム開発紛争やインターネット関連の案件、著作権問題などを扱ってきました。

司会者: 弁護士としてのキャリアが多岐にわたりますね。先生は大学院を卒業されてから、一度企業に就職されていますよね?

平野弁護士: そうです。私は2003年に学部を卒業し、2005年に大学院修士課程を修了しました。その後、日立製作所に入社し、主にコンピューターシステムの営業を担当しました。

司会者: 法学部を出て、国際法の研究者を目指されていたと聞いています。その方向から一転して就職に至った経緯を教えていただけますか?

平野弁護士: 元々、私は研究者志望で、修士課程では国際法、特に国際公法の研究に取り組んでいました。しかし、研究の適性に疑問を感じたんです。テーマ設定や深掘りが難しく、経済的にも博士課程進学は現実的ではないと判断しました。それで、自分のスキルを活かせる職場を探し、日立に就職しました。

司会者: 就職先として日立を選ばれたのはどうしてですか?

平野弁護士: 当時は就職氷河期で、厳しい状況でした。私は高校時代からインターネットに興味があり、プログラミングやHTML、CSS、JavaScriptなどを独学していました。この知識を活かせると思い、日立のシステム営業を選びました。

司会者: 営業職を経験されたことで、その後のキャリアにどんな影響がありましたか?

平野弁護士: 日立では営業とシステムエンジニアの垣根が低かったため、技術的な仕事も経験しました。例えば、配線作業やネットワーク設定なども行いました。この経験が後の法務関連の仕事で役立ったと思います。

司会者: その後、アイルランド留学を経てアクセンチュアに転職されたんですよね?

平野弁護士: はい、2007年に日立を退職し、アイルランドのトリニティカレッジでLL.M.を取得しました。留学後、アクセンチュアでコントラクトマネジメントを担当しました。

司会者: コントラクトマネジメントではどのような業務をされていたのですか?

平野弁護士: プロジェクトチームに所属し、契約内容のスコープ外業務が発生しないようチェックしたり、契約変更手続きを行ったりしました。法務部門の実働部隊として、契約の作成や交渉を支援する役割でした。

司会者: アクセンチュアでの経験が豊富ですが、なぜ弁護士を目指そうと思ったのですか?

平野弁護士: アクセンチュアでのキャリアを振り返り、このままの道では自身の限界を感じました。また、ロールモデルとなる先輩が見当たらず、自分の将来像を描けなかったんです。そのため、30歳を迎える前に夜間ロースクールに通い始め、弁護士資格を取得することを決意しました。

司会者: 弁護士になられてからは、どのような案件を多く手がけられたのですか?

平野弁護士: 最初はインターネット関連の誹謗中傷対応や発信者情報開示請求が中心でした。その後、漫画家の方々とのつながりから海賊版対策を手掛けるようになり、現在でも大きな柱となっています。また、システム開発紛争などの技術系案件も増えてきました。

司会者: 漫画村事件やUQWiMAX事件など、注目される案件も多いですね。これらの案件に取り組む際、どのような困難がありましたか?

平野弁護士: どちらも技術的な理解が必要で、特にWiMAX事件ではモバイルルーターの仕組みを一から学び直しました。また、裁判官に技術的な内容を分かりやすく伝えるため、図解や論理構築に多くの時間を割きました。

司会者: さらに、先生は刑事事件でも複数の無罪判決を勝ち取られていますね。そのような案件では、どのような工夫をされていますか?

平野弁護士: はい、刑事事件では、いかに客観的証拠を丹念に分析し、事実関係を整理するかが重要です。例えば、ある案件では現場の状況を詳細に再現するため、専門家と協力し実験を行い、それを裁判で提出しました。また、被告人本人の人柄や背景を丁寧に掘り下げ、裁判官に伝える努力も欠かしません。

司会者: 弁護士としての幅広い経験とスキルが発揮されていますね。最後に、これから目指す方向性について教えてください。

平野弁護士: 今後もインターネットやIT関連の法務に力を入れていきたいと考えています。また、新しい分野や未開拓の領域にも挑戦し、クライアントの役に立てるよう努力を続けます。

司会者: 本日は貴重なお話をありがとうございました。

平野弁護士: こちらこそありがとうございました。


2.より時間のない人のために

  • 平野弁護士は2014年に弁護士登録し、東京都町田市で電羊法律事務所を運営。主にIT・インターネット関連の案件を手掛けている。

  • 学部卒業後、大学院で国際法を研究するも、研究者としての適性に疑問を抱き、日立製作所に就職。主にコンピューターシステムの営業を担当。

  • 高校時代からプログラミングに親しみ、技術的な知識を活かして日立での営業職やシステムエンジニア業務を経験。

  • 2007年にアイルランドのトリニティカレッジでLL.M.を取得後、アクセンチュアに転職。コントラクトマネジメント業務で契約管理や交渉支援を担当。

  • アクセンチュアでの経験を経て、キャリアの限界を感じ、夜間ロースクールに通い弁護士資格を取得。

  • 弁護士としての初期はインターネット関連の誹謗中傷対応や発信者情報開示請求を中心に活動。その後、海賊版対策やシステム開発紛争など、IT・技術系案件を多数手掛ける。

  • 注目案件として漫画村事件やUQWiMAX事件に携わり、技術的な内容を裁判で分かりやすく説明する工夫を行った。

  • 刑事事件では、客観的証拠の丹念な分析や現場再現実験を行い、複数の無罪判決を獲得。

  • 現在はインターネットやIT関連の法務をさらに強化し、未開拓の分野にも挑戦する意向を持つ。


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