弁護士任官経験者の圓道先生に聞いてみた(要約版)
弁護士任官経験者の圓道先生に対するインタビューを要約しました。ご興味が出た方は動画もぜひ。
1.対談形式の要約
司会者:皆さん、こんにちは。本日は島田法律事務所の圓道先生にお話を伺います。先生、よろしくお願いします。
圓道先生:よろしくお願いします。
司会者:まずは簡単に自己紹介をお願いできますか?
圓道先生:はい、弁護士の圓道です。2003年に弁護士登録をしまして、弁護士歴は約20年です。2009年に弁護士から裁判官に任官し、約3年間裁判官を務めました。その後、2012年に再び弁護士に戻り、現在は主に訴訟業務を中心に活動しています。
司会者:ありがとうございます。まず、先生が2009年に裁判官に任官されたということですが、そもそもなぜ弁護士から裁判官への転身を考えられたのですか?
圓道先生:弁護士になる前から、裁判官にも興味がありました。修習生の頃に出会った右陪席の裁判官が、元弁護士で裁判官に転身された方だったんです。その方から「弁護士から裁判官になる道もあるよ」と教えてもらったことがきっかけでした。それで、最初は弁護士として経験を積んで、後に裁判官になることも選択肢の一つとして考えていました。
司会者:なるほど。では、弁護士としての経験を積んだ後、どのような経緯で裁判官への任官を決めたのでしょうか?
圓道先生:弁護士として企業法務や金融機関の業務に従事し、だいたい5年半ほど働いた頃、同僚たちが留学などのために事務所を離れるタイミングがありました。その際、私も新しいキャリアを考える時期に差し掛かり、弁護士任官を選びました。特に企業法務の事務所では、数年ごとに海外留学などが一般的で、その時期はちょうど事務所を離れるタイミングとしても適していました。
司会者:その時、事務所の方々はどんな反応でしたか?
圓道先生:最初は驚かれましたが、説明していくうちに理解していただけました。弁護士任官を進めるためには、事務所の支持や協力が必要ですし、最終的には応援していただけることになりました。
司会者:それで裁判官になられたわけですが、裁判所での最初の配属はどちらでしたか?
圓道先生:福岡地方裁判所でした。裁判所からの希望として、東京で弁護士をやっていた場合、利益相反の問題が生じるため、東京以外の裁判所への配属が求められました。福岡に行くことになったのですが、実際に福岡に行ってみると、日本海側なので思っていたよりも寒くて驚きました(笑)。
司会者:福岡での裁判官としての業務について、どんな経験がありましたか?
圓道先生:最初の半年間は左陪席裁判官として、上級裁判官の指導を受けながら判決を書く練習をしました。また、破産事件などの特別案件にも週に一度だけ関わることがあり、いろいろなジャンルの裁判に取り組むことができました。弁護士時代は主に企業法務や金融関係の業務だったため、交通事故や過払い金の裁判などは新鮮な経験でした。
司会者:弁護士時代の経験と裁判官としての業務を比較して、どのような違いを感じましたか?
圓道先生:弁護士としては、自分が当事者として裁判を戦うという感覚がありました。勝ったり負けたりすることで達成感を感じることが多かったですね。一方、裁判官としては、中立の立場で裁判を進行するので、直接的な勝敗の感覚はありません。そのため、弁護士時代のような「自分が戦っている」という感覚は薄れていました。それが、私が弁護士に戻る決断をする一つの要因にもなりました。
司会者:確かに、裁判官としての役割は弁護士とは異なりますよね。では、裁判官として見た「優れた弁護士」とはどのような方だと思いますか?
圓道先生:裁判官の視点から見ると、法廷での説明がしっかりしている弁護士は非常に信頼できます。特に、建築紛争のように専門的な内容の裁判では、わからないことを素直に質問できる弁護士が信頼されやすいですね。また、書面での準備がしっかりしていて、裁判所の意図を理解した上で、適切な説明ができる弁護士も評価が高いです。
司会者:弁護士に戻られた後、どのような仕事に取り組まれているのでしょうか?
圓道先生:現在は訴訟業務を中心に取り組んでいます。企業の法律顧問としての仕事が主で、企業法務を扱う一方で、訴訟が発生すればその対応も行っています。事務所自体は2010年に設立された比較的新しい事務所ですが、企業との長期的な関係を大切にしながら、企業法務の古き良き伝統を守りつつ、現代のニーズに対応しています。
司会者:最後に、裁判官としての経験が弁護士としての業務にどのように生かされていますか?
圓道先生:裁判官としての経験は、訴訟の進行や判決の構造をより深く理解するのに役立っています。弁護士として再び裁判に関わる際、裁判官の視点を持ちながら、より戦略的に事案を進められるようになったと思います。また、裁判官時代に学んだ書面作成の厳密さは、弁護士としての業務にも大いに役立っています。
2.より時間がない人のために
圓道先生は2003年に弁護士登録し、20年のキャリアを持つ。
2009年に弁護士任官し、裁判官としての経験を積んだが、2012年に弁護士に復帰。
弁護士任官のきっかけは修習生時代の裁判官との出会い。
最初に入所した事務所は企業法務が中心の中規模事務所で、銀行案件や企業法務を手掛けた。
弁護士として5年半勤務後、裁判官として新しい経験を積むことを決意。
裁判官時代には福岡の地裁に配属され、交通事故や過払い金事件などを担当。
裁判官として、裁判中に得た経験は弁護士時代とは異なる形での達成感があった。
弁護士任官後の裁判官としてのキャリアは裁判長からの指導を受けつつ、判決書作成や和解の進行に携わる。
和解をまとめる弁護士には、依頼者との信頼関係や交渉力が求められる。
裁判官から見た弁護士の重要なポイントは、しっかりとした事前準備と裁判での説明能力。
裁判官の仕事は膨大な案件処理が必要で、書類の提出期限を守ることが裁判進行の大きな助けとなる。
圓道先生は弁護士としての闘争心を大切にしており、最終的には弁護士としての活動に戻ることを決断。
現在は島田法律事務所で企業法務を中心とした弁護士として活動。
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