見出し画像

ソースネクストCLOの櫻田先生に聞いてみた(要約版)

ソースネクスト株式会社のCLOを務める櫻田晋太郎先生に対するインタビューを要約しました。

ご興味が出た方は、是非動画もご覧ください。

1.対談形式の要約
司会者(以下、司):
本日は櫻田先生にお越しいただきました。先生、今日はよろしくお願いします。

櫻田先生(以下、櫻田):
よろしくお願いします。こちらこそ、お招きいただきありがとうございます。

司:
早速ですが、まずは簡単に自己紹介をお願いできますか?

櫻田:
はい、弁護士の櫻田と申します。69期で弁護士になりました。一昨年、2021年4月に独立し、四谷で事務所を運営していました。その後、昨年の4月にソースネクスト株式会社さんからお声掛けいただきまして、現在はCLO(チーフリーガルオフィサー)として、同社の中で活動しています。私の事務所も一緒にソースネクストのオフィスに移転して、今は会社の法務責任者を務めながら、事務所も運営しています。

司:
ありがとうございます。まず、CLOという役職についてお聞きしたいのですが、会社によって異なると思いますが、具体的にどのような業務を担当されているのでしょうか?

櫻田:
そうですね、CLOというのは会社によって業務内容が少し異なるかもしれませんが、基本的には会社全体の法務面を統括する役割です。私自身、就任した当初は組織の中で働く経験がなかったので戸惑いもありました。最初は顧問弁護士として週に1、2回だけソースネクストに出社していたんですが、そこから段々と業務範囲が広がりました。

司:
そうだったんですね。では、今のCLOとしての業務についてもう少し詳しく教えていただけますか?

櫻田:
はい。CLOの一番の役割は、会社の利益を法的観点から守ることです。よく法務の仕事は「リスクを避けるために事業を止める」といったイメージを持たれるかもしれませんが、私の役割は単に「これはダメです」と指摘するのではなく、会社の利益を最大化するための法的アドバイスを提供することです。たとえば、事業が法律上のリスクを伴う場合、そのリスクを最小限に抑えつつ、どうすれば事業が成功するかを考えるという、攻めの法務と言えるかもしれません。

司:
なるほど、ただリスクを避けるだけではなく、会社の利益を追求するために法務部門が積極的に関わるわけですね。では、法務部との関係性についてもお聞きしたいのですが、CLOは法務部の上に立つポジションという理解でよろしいでしょうか?

櫻田:
そうですね。私がCLOとして、法務部を含むすべての法務関連業務を統括しています。法務部長の役割も兼ねている形です。ソースネクストの場合、CLO制度を導入してから、経営判断がスピーディーになるよう、執行役員の権限が強化されました。それまでは、取締役の承認が必要なことが多かったのですが、現在はCLOや他のCXOが直接判断できる範囲が広がり、意思決定のスピードアップが図られています。

司:
スピードアップというのは、現代の企業にとって非常に重要な課題ですね。具体的にはどのように権限が広がったのですか?

櫻田:
例えば、以前は重要な契約書を締結する際に、必ず経営会議の承認を得る必要がありました。しかし今は、私がCLOとして承認をすれば、契約を締結することが可能になりました。これにより、会議体の数が減り、より迅速に事業を進められるようになっています。また、他のCXO(CFOやCTOなど)も同様の権限を持ち、各分野で迅速な意思決定ができる体制が整っています。

司:
それは非常に効率的ですね。法務というとリスクを避けるために慎重な判断が求められるイメージがありますが、それでもスピーディーに動くためにはどのような工夫をされているのでしょうか?

櫻田:
やはり、事前にリスクをしっかりと把握し、どうすればそのリスクを最小限に抑えられるかを常に考えることです。また、社内の各部門とのコミュニケーションを密にして、事業内容や計画を深く理解しておくことも重要です。例えば、新しい事業を立ち上げる際に、どのような法的な課題が生じるかを事前に共有し、問題が発生する前に対処するようにしています。

司:
法務部門として、企業の成長や利益を支えるためには、やはり事前の準備や各部門との連携が不可欠なんですね。

櫻田:
そうですね。特に私たちのようにスピード感を重視する企業では、問題が発生してから対処するのではなく、あらかじめリスクを見越して対策を講じることが求められます。そのためには、法務部門が企業の経営やビジネスの流れをしっかりと理解し、先手を打つことが大切です。

司:
非常に勉強になります。では、もう少し個人的な視点でお聞きしますが、弁護士としてのキャリアを積む中で、CLOという役職に就くまでの道のりについてお聞かせいただけますか?

櫻田:
私が弁護士になった当初は、CLOになることなど全く想像していませんでした。実際、私は元々一般的な民事案件を扱う弁護士としてキャリアをスタートしましたが、ある時ソースネクストさんとご縁があり、週1回社内弁護士として働く機会をいただきました。そこから少しずつ関わりが深まり、会社の中で法務だけでなく、経営にも関与するようになっていきました。

司:
CLOに就任するまでに、会社との長い関係があったんですね。

櫻田:
そうですね。週1回の勤務からスタートしましたが、その後、緊急の案件や大きな契約があるときは柔軟に対応し、次第に会社全体の法務業務を任されるようになりました。そうした中で、会社のビジネスモデルや経営方針を理解することができ、それが今のCLOとしての役割に繋がっています。

司:
最後に、今後の目標について教えてください。CLOとして、これからどのようなビジョンを持っていますか?

櫻田:
まずは、ソースネクストとその関連会社であるポケトークの法務部門を、盤石な体制に整えることです。特に国際的なビジネスが拡大しているため、グローバルな視点での法務戦略が必要です。また、法務部門が単なるリスク回避の部署ではなく、企業の成長を支えるエンジンとなるような組織作りを目指しています。

司:
非常に興味深いお話をありがとうございました。櫻田先生の今後のご活躍を楽しみにしています。

櫻田:
こちらこそ、ありがとうございました。

2.より時間がない人のために
自己紹介

  • 櫻田先生は69期で弁護士となり、2021年に独立後、2023年にソースネクスト株式会社のCLO(チーフリーガルオフィサー)に就任。

  • 現在はソースネクストでCLOとして活動し、独立した事務所も運営。

  • CLOの役割

    • 会社の法務全体を統括し、事業の法的リスクを管理しつつ、利益を最大化するためのアドバイスを提供。

    • 法務部のトップとして、会社の意思決定プロセスをスピードアップさせることも重要な役割。

  • 法務と経営の関係

    • CLOは単なるリスク回避のための役割ではなく、事業の成功を支援する攻めの法務を実践。

    • 契約書などの重要事項もCLOが承認できるため、意思決定の迅速化が図られている。

  • 効率的な業務遂行

    • 法務部門が他の部門と密にコミュニケーションを取り、事業計画を理解し、リスクに事前対策を講じる。

    • リスクを予測し、先手を打つことで、スムーズな事業運営を支援。

  • キャリアの道のり

    • 最初は一般的な民事案件を扱っていたが、ソースネクストとの顧問契約を通じて関係を深め、CLOに就任。

    • 会社のビジネスモデルや経営方針を理解し、法務から経営に関与するようになった。

  • 今後の目標

    • ソースネクストと関連会社であるポケトークの法務体制を強化。

    • グローバルなビジネス拡大に対応し、法務部門が企業の成長を支える組織にすることを目指している。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?