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Lawyer’s INFOの岩崎先生に聞いてみた(要約版)

弁護士のキャリアプランに関する情報を発信されている岩崎先生に対するインタビューを要約しました。

ぜひ動画もご覧ください。

1.対談形式の要約
北(司会)
「本日は、要総合法律事務所の弁護士・岩崎先生にお話を伺います。先生、よろしくお願いします。」

岩崎(弁護士)「よろしくお願いします。簡単に自己紹介をすると、もともとは森・濱田松本法律事務所で約4年半働いた後、今の要総合法律事務所に移籍しました。その頃に法律事務所の口コミサイト『ロイヤーズインフォ』を立ち上げて、弁護士のキャリア情報を発信しています。昨年はUCLAに留学して帰国し、現在は弁護士専門のエージェント事業もやっているので、いろいろ手広く活動している感じですね。」


ロイヤーズインフォの立ち上げ

「最初に立ち上げた『ロイヤーズインフォ』って、どんなサイトなんですか?」

岩崎「法律事務所の“内部の働きやすさ”や“待遇”を口コミとして集めて、就職・転職中の弁護士や法科大学院生などに向けて情報を提供するサイトです。僕自身、新人時代に『条件明示がほとんどされない』ことに衝撃を受けまして。事務所間の情報非対称性がすごいなと思ったんです。そこを改善しようと作りました。」

「いざ運営してみて、意外だったことはありますか?」

岩崎「思った以上にニーズが大きかったことですね。初月から相当なPV数があり、今も月平均5万PVほどあります。弁護士人口は約4万人なので、1人あたり結構なページを見ている計算ですが、やはり“リアルな就職・転職情報”への需要は高いんだと感じました。」

「口コミっていうと誹謗中傷や根拠のない内容が書かれるリスクもあると思いますが?」

岩崎「そこは事務所から『これは事実と違う』という申告があれば、やり取りしつつ対応しています。ただ、実際“まずい内部事情”を聞くことも多いんですね。表に出せない情報ほど、かえって重要だったりする。だから『これをどう世に届けるか』はずっと課題だったんです。」


弁護士専門エージェントの始動

「それで弁護士専門のエージェントを始めたと。」

岩崎「そうです。口コミサイトだけでは伝えきれない貴重な情報がある一方、それを公開すると訴訟リスクなども大きい。そこで、個々人が相談に来てくれたら、必要な情報を個別に伝えられる仕組みがいいだろうと。人材紹介はビジネスとして成立しやすいので、収益モデルを確立して継続したい、というのが狙いです。」

「なるほど。中途採用で“こういう人材が欲しい”って話は、どんな状況なんでしょう?」

岩崎「大手・中規模問わず、人手不足感は強いです。特にインハウスロイヤーを求める企業は増えてます。昔から『大手で留学帰り』の弁護士へのニーズは根強いですが、“留学前に転職する”人が最近は増えている印象もあります。早めにリスクを取って新しい環境に飛び込む、という動きですね。」

「逆に中小規模から大手に行くケースもあるんですか?」

岩崎「あります。大手のなかでも拠点拡大や専門分野強化のために中途を採ることが増えました。以前は新卒採用がほとんどでしたが、今は中途にも門戸が開いてきた。どこで人手不足なのか、ポジション次第という面が大きいです。」


弁護士キャリアの考え方

「そもそも『弁護士キャリア』をどう捉えたらいいか分からない人も多いと思うんですよね。」

岩崎「僕は“キャリアはツール”だと考えています。最終目標は『自分の人生をどう豊かにするか』ですよね。年収を上げたいのか、専門性を極めたいのか、ワークライフバランス重視なのか、人によって価値観はまるで違う。だから“万人に通じる正解”は存在しません。『自分の幸せをどこに置くか』をまず考えて、そのためにキャリアをどう設計するかが大事です。」

「でも若手だと、自分の幸せって何か分からないことも多いですよね。」

岩崎「確かに。それを見つけるには“過去を振り返って自分が楽しかったことを棚卸しする”とか“興味ある分野を実際に試す”とか“できることを増やしてみる”の3ステップが効果的かなと思います。いろいろ挑戦しつつ軌道修正していくのが現実的ですよ。」


ライスワークとライフワーク

「岩崎先生自身は、弁護士以外の活動もライフワーク的に楽しまれてますよね。」

岩崎「僕は“弁護士業”をライスワークと捉えつつ、『ロイヤーズインフォ』や人材エージェントをライフワークにしてきました。でも徐々にこの“ライフワーク”が収益化してきて、境界がなくなりつつあります。理想としては“生産する娯楽”に近いイメージ。自分が楽しいことが収入源になると、より充実できると思うんです。」

「じゃあ、今の知識を持ってもう一度新人に戻れるなら?」

岩崎「街弁も向いてたかも、と思ったりします。人と話すのが好きなので。ただし4大での経験は貴重でしたし、『ロイヤーズインフォ』用の知見を得るうえでも役立ちましたね。結果的には自分の性格に合わせて少しずつキャリアを広げてきた形です。」


これからの弁護士キャリア

「最後に、就職や転職を考えている方へのメッセージをお願いします。」

岩崎「まず『キャリアはあくまで道具』であり、あなた自身がどう生きたいかを明確にすることが大切です。そのうえで必要な情報をしっかり集めて、必要ならエージェントを使うのもいい。弁護士の世界は情報非対称がまだ大きいので、なるべく客観性のあるソースに当たるのが重要だと思います。もし困ったら『ロイヤーズインフォ』や僕のエージェント宛に気軽にご相談いただければ。」

「本日は貴重なお話をありがとうございました。」

岩崎「ありがとうございました。」

2.より時間のない人のために
導入

  • 岩崎弁護士の自己紹介(経歴:森・濱田松本法律事務所→要総合法律事務所へ移籍)

  • 「ロイヤーズインフォ」を立ち上げ、弁護士のキャリア情報発信やエージェント業を行っている

  • ロイヤーズインフォの概要

    • 法律事務所の口コミサイトで、採用時の条件明示や情報非対称性を解消するために作成

    • 月平均5万PVほどで想定以上のニーズがある

    • 誹謗中傷などの不適切な口コミは削除対応をしている

    • 口コミに書けない“本当は大事な裏情報”も寄せられるが、公に出せない問題がある

  • 弁護士専門エージェント設立の経緯

    • 上記の“裏情報”を必要な人に届けるために個別対応できる仕組みとしてスタート

    • 弁護士の中途転職をサポートし、キャリアの相談も受ける

    • 新卒の転職エージェント化はこれからの課題

  • 転職市場・採用ニーズの動向

    • 大手事務所や企業(インハウス)の求人ニーズは高い

    • 大手で留学帰りの弁護士は依然として人気

    • “留学前”に大手を辞めて別の環境に移る流れも出てきた

    • 大手から中規模事務所への転職理由:専門特化しすぎず、汎用性を高めたい

    • 中規模から大手へ移る理由:拠点拡大や特定分野での人材不足に応じた採用枠がある

  • エージェントとしての取り組み

    • 長期的視点でキャリア相談に乗り、履歴書添削や事務所・企業情報の提供を行う

    • 他のエージェントからの情報も含めた客観的な情報提供を重視

    • キャリアの悩みを根本から聞き取り、その人の目指す道を共に考える

  • 弁護士キャリアの考え方

    • 岩崎弁護士の持論:キャリアは“あくまで手段”であって、“個人の幸せ”が目的

    • やりたいことを明確にするために、過去の楽しさを棚卸し→いろいろ挑戦→できることを増やす、の3ステップが重要

    • 弁護士業を「ライスワーク」、別のやりたい事業を「ライフワーク」と捉え、両立させる考え方

  • ライスワークとライフワーク

    • 弁護士業はライスワークとして優れた側面(在庫や設備投資が不要、単価が高い等)がある

    • ただし、激務になりやすくストレスも大きいので、それを「人生すべて」にすると辛い人も多い

    • ライフワーク的活動(例:ロイヤーズインフォやエージェント業)も少しずつ収益化し、境界をなくしていくのが理想

  • 新人だったらどうするか

    • 「街弁」も向いていたかも、と岩崎弁護士自身が振り返る

    • ただし、大手や留学経験を通じて学んだことも大きく、ロイヤーズインフォの知見を得るにも役立った

    • 個々の性格や強みに合わせてキャリアは変わる

  • 締めのメッセージ

    • キャリアに正解はないが、個々人の価値観や幸せを明確化し、情報をしっかり得ることが大切

    • 岩崎弁護士への相談やロイヤーズインフォなど、客観的ソースを活用してほしい


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