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アトム市川船橋法律事務所の高橋先生に聞いてみた(要約版)

複数の裁判員裁判事件で無罪を獲得しつつ、弁護士YouTuberとしてチャンネル登録者数9.53万人(取材当時)を誇るアトム市川船橋法律事務所の高橋裕樹先生に対するインタビューを要約しました。

ぜひ動画もご覧ください。

1.対談形式の要約

北: 本日は「アトム市川船橋法律事務所」の高橋先生をお招きしました。先生、どうぞよろしくお願いいたします。

高橋: よろしくお願いします。アトム市川船橋法律事務所の代表弁護士、高橋と申します。

北: 先生はもともと千葉県内の老舗法律事務所に7年ほど在籍されて、そこから独立して今の事務所を立ち上げられたと伺っています。まずはその経緯をお聞かせいただけますか?

高橋: はい。私は弁護士登録後、千葉市にある大きめの事務所で7年ほど勤めていました。そこでは、民事案件がメインだったんですが、国選事件などで刑事も少しずつ触れていて。

「刑事事件がやりたい」と強く思っていたわけではなかったのですが、裁判員裁判などを経験するうちに「やはり刑事が面白い」と思うようになったんです。ただ、大きな事務所でアソシエイトとして働いていると、自分で事務所を構えてみたいという気持ちが出てきまして。

それでちょうど同期が市川市でやっていた事務所を都内に移転することになり、そのタイミングで「事務所とホームページを引き継がないか」と声をかけられたんです。渡りに船でしたね。それが2014年ごろです。

北: なるほど。最初から「刑事専門でやるぞ」と決めたわけではなかったんですね。

高橋: そうですね。私自身、民事事件の経験が長かったので、独立当初もごく普通の「街の弁護士」として民事を中心にしていました。ただ裁判員裁判に興味があったので、否認事件や無罪を争う案件には積極的に取り組んだんです。結果として、独立前から合わせて8件ほど無罪判決を得る機会に恵まれました。

北: 無罪判決を複数回得るというのはすごいですね。そういうご実績もあって、さらに独立後に「アトム市川船橋法律事務所」となったのはどうしてでしょう?

高橋: そこはちょっと複雑なんですが、「アトム法律事務所」というのは全国的に刑事事件で強みをもつ大手さんなんです。代表弁護士の岡野先生と私が同期でして、岡野先生から「千葉で集客している事務所を引き継ぐが、いっそ法人化して一緒にやってみないか」と声をかけられたんです。アトム本体とは資本関係が一切なくて、私の事務所はまったく別法人なんですよ。

ただ、アトムさんはネット集客が非常に強くて、千葉の案件が来たときに「アトム×高橋」の共同受任という形にできれば依頼者も安心しやすい。そういうアライアンス契約を結ぶにあたって、事務所名に「アトム」を残したという経緯です。

北: なるほど。実は別法人だけれど密に連携しているんですね。さて、高橋先生はテレビやラジオなどのメディアにもよく出ていらっしゃいますが、どんなきっかけだったんですか?

高橋: 最初はワイドショーや情報番組などから「いま話題の事件にコメントしてほしい」という依頼をいただくようになりました。SNSにちょっと感想や法的見解を書いていたのをディレクターの方が見つけてくれたみたいです。そこで呼ばれて出ていたら、次第に「解説を分かりやすくしてくれる弁護士」として声がかかるようになったんですね。

たまに芸能事務所に所属している弁護士さんもいるんですが、私自身もいまはプラチナムプロダクションに所属しています。そうした活動をしていると、メディアからの仕事は一時期結構多くなりました。

北: テレビ出演でのお客さんへの影響はいかがですか? すぐに「依頼につながる」とは限らないとも聞きます。

高橋: そうですね。テレビに出ても、あんまり直接の依頼につながることは少ない印象です。一瞬映ったとしても、視聴者には「この弁護士は誰なのか」がなかなか伝わらない。もちろん名前が出ること自体はメリットなんですが、集客効果という意味では薄いですね。

北: それよりも、いまはYouTubeでの発信が効果あるとか。

高橋: ええ、YouTubeは2019年ごろから本格的に始めました。きっかけは岡野先生に「とにかくやってみろ」と言われたからですね。テレビってコメントしても数十秒でカットされちゃいますけど、YouTubeなら自分の考えを10分でも20分でもしゃべれる。

実際やってみると、集客にもつながりますし、いろんなニュースを弁護士視点で語るというのは裁判員裁判のプレゼン練習にもなるんですよ。コメント欄はときに厳しいことも書かれますが、それが自分の話し方を見直すいい材料になっていると感じます。

北: チャンネル登録者数が今6万人を超えてますね。何か「バズる」きっかけはあったんでしょうか?

高橋: 正直、いきなり何十万回再生というのは、狙ってできるものではありません。時事ネタとのタイミングや、SNSで話題になっている内容をいち早く動画にしてみるとか、手探りでやっているうちに少しずつ伸びていった感じです。やっぱり100本くらいは何でも挑戦してみるのが大事かなと。

北: 若手弁護士さんの中には「刑事事件をやりたい」「発信力をつけたい」という方も多いと思います。そうした方へのアドバイスはありますか?

高橋: 刑事弁護は国選で経験を積むのもいいですし、各弁護士会や日弁連の法廷技術研修に積極的に参加してほしいですね。あと、裁判員裁判の弁護団に入れてもらえると勉強になります。

それと同時に、自分のプレゼン技術を磨きたいならYouTubeもやってみるといいと思います。自分のしゃべりを客観視する機会は意外と少ないですし、視聴者からのフィードバックはリアルですから。

北: 確かに、トークスキルが鍛えられるうえに、集客面でもプラスになるかもしれませんね。

高橋: そうなんです。最初は恥ずかしかったり、何を話せばいいか分からなかったりしますが、やっているうちに方向性が見えることもあるので、ぜひ試してほしいです。とりあえず量をこなしてみるのがポイントですね。

北: 本日は、高橋先生の経歴から事務所の立ち上げ、アトムとの関係、そしてYouTubeやメディア展開まで、貴重なお話をたっぷりうかがいました。今後の展望や若手へのアドバイスなども含め、大変参考になりました。今日はどうもありがとうございました!

高橋: こちらこそ、ありがとうございました。また何かあればいつでもお声がけください!

2.より時間がない人のために
・経歴・独立の経緯

  • 高橋先生は千葉市の老舗事務所で7年勤務。

  • 民事がメインの事務所で国選事件なども扱い、刑事への興味を深める。

  • 同期弁護士が事務所を都内に移転する際、事務所・ホームページを引き継ぐ話を受け、2014年頃に独立。

  • 刑事事件への取り組みと無罪判決

    • 独立前から合わせて8件ほど無罪を獲得。

    • 国選での裁判員裁判経験などから、否認事件や無罪案件に積極的に取り組むようになる。

    • ただし、事務所全体では民事が依頼の大半を占めており、刑事は全体の1~2割程度。

  • アトム法律事務所との関係

    • アトム代表の岡野弁護士と同期。

    • アトムが千葉で展開していた拠点を引き継ぎ、別法人ながらアライアンス契約を締結。

    • 「アトム市川船橋法律事務所」として、アトム全国ネットワークの集客も生かし、共同受任する形態。

  • テレビ・メディア出演

    • ワイドショーなどから事件解説を依頼されるようになった。

    • 最初はSNS発信やブログを書いていたのをディレクターに見つけられたのがきっかけ。

    • 芸能事務所にも所属し、朝や夕方の情報番組で短くコメントすることが多かった。

    • 直接的な集客効果は薄いが、知名度・認知度向上には役立つ。

  • YouTube活動の開始と成長

    • 2019年頃から本格的にスタート。

    • 岡野弁護士のアドバイス「まず100本撮れ」を受けて取り組む。

    • 時事ネタやニュース解説をいち早く動画化すると伸びやすい。

    • 無罪実績によるブランディングや、裁判員裁判のプレゼン練習としても有効。

    • 視聴者からのコメントが、自分の話し方を客観視するいい機会になる。

  • YouTubeと集客効果

    • テレビ出演よりも明確に依頼や問い合わせが増える。

    • 全国から「高橋先生にお願いしたい」という相談が来ることも多い。

    • 過払い金など、特定のテーマで作った動画が意外な集客につながった例も。

  • 若手弁護士へのアドバイス

    • 刑事事件のスキルを身につけたいなら、法廷技術研修や先輩弁護士との共同受任を活用。

    • 研修と同様に、自分を客観的に見る手段としてYouTubeはおすすめ。

    • 最初のうちはどんなネタが当たるか分からないので、とにかく量をこなし、そのうえでフィードバックを受けるとよい。

  • 今後の展望

    • 事務所としては刑事・民事ともに幅広く対応するが、刑事事件に関してより専門性を追求していきたい。

    • 高橋先生個人としては「法廷でのプレゼン力」をさらに磨き、いつかは裁判員裁判にもっと集中できる形を理想にしている。

    • YouTubeも10万登録を目指して継続的に発信していく予定。


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