【推薦文】コロナのせいにしてみよう。シャムズの話。
本記事は書籍「コロナのせいにしてみよう。シャムズの話」(國松淳和著、金原出版、2020年6月19日発売)の推薦文です。
【本編はこちらから】
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私たちがコロナに適応していく過程で生まれた
「CIAMS」という概念
国立国際医療研究センター 国際感染症センター
忽那 賢志
新型コロナが発生してから私たちの生活は大きく変わり、そしてもう後には戻れなくなりました。この「コロナ禍」と呼ばれる社会状況の中で、私たちみんながストレスを抱えながら生きています。
そうした中で、ある頃から「あれ、この人こんなこと言う人だったかな」とか「急に会議で的外れな発言するようになったな」と思うような人たちが周りに増えてきました。その原因の一端は「コロナへの見えない不安」であることは、私にもわかっていました。
國松医師はそれをCIAMS(COVID-19/Coronavirus-induced altered mental status)と名付けました。私はこの概念を聞いていろんなことが腑に落ちました。そうか、みんなシャムズだったのか、と。
そしてこの本を通読しシャムズは決して悪いことではないことを理解しました。おそらくシャムズは人間の「コロナというストレス(この本で言う精神的加重)」に対して生じた、ある意味では生理的な反応なのでしょう。
私は『Yahoo!』でコロナの記事を日々書いているのですが、特定のキーワードに過敏に反応する方々がいます。それはPCRであったり、アビガンであったり、BCGであったりです。
彼らは非常に攻撃的に、執拗に、粘着的に持論をSNSなどで披露し(多くは理論的に破綻していますが)、私やその他の専門家を徹底的に叩こうとします。なぜこのような人たちがいるのか私にはわかりませんでしたが、シャムズという概念を理解し、彼らはコロナが不安であるがゆえにあのような振る舞いになるのだとわかりました。
あれは「コロナが周りにいないか不安だからPCRをして正体を現せ!」「コロナで死ぬのが怖いからアビガンをよこせ!」「BCGがコロナに効くという仮説があるから俺は助かるに違いない!」という、コロナへの不安が顕在化したシャムズの一種の表現型なのでしょう。そう考えると、私に攻撃する彼らさえ愛しく思えてきました。
おそらくコロナが怖くない人はいないと思います。本書は「コロナが不安な自分」から一歩引いて俯瞰的に自分を見ることができるようになる、ある意味啓発本のような役割を果たすかもしれません。そして、自身を俯瞰的に見られるようになったら、今度は周りにいるシャムズの人に手を差し伸べてください。
本書はコロナとともにある社会を生きるためのヒントが散りばめられた、コロナ時代必携の書です。
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【 書籍 】
・著 者:國松 淳和
(医療法人社団永生会 南多摩病院 総合内科/膠原病内科)
・定 価 :1,430円(1,300円+税)
・四六判・168頁
・ISBN 978-4-307-10203-2
・発行日:2020年6月19日
・発行所:金原出版
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