【IPO】Geolocation Technology(4018)新規上場企業分析&初値予想

新規上場会社概要

会社名 株式会社Geolocation Technology
(英訳名)( Geolocation Technology, Inc.)
上場予定日 2021年9月13日
市場区分 Q-Board
既上場市場 TOKYO PRO Market
※同社株式は2021年9月12日付でTOKYO PRO Marketを上場廃止となる予定である。
代表者の役職氏名 代表取締役社長 山本 敬介
本店所在地 〒411-0036 静岡県三島市一番町18-22 TEL 055-916-0294
ホームページアドレス https://www.geolocation.co.jp/
設立年月日 2000年2月21日
事業の内容 IPアドレスデータベース「SURFPOINT™」を基にした技術・サービスの提供等
業種別分類・コード 情報・通信業・4018(新証券コード(ISIN)JP3386740009)
銘柄略称 Q―ジオロケ
発行可能株式総数 2,304,000株
発行済株式総数 596,000株 (2021年8月11日現在)
上場時発行済株式総数 696,000株 (注)1.公募分を含む。
2.新株予約権の権利行使により増加する可能性がある。
1単元の株式数 100株
資本金 102,000千円 (2021年8月11日現在)
事業年度 7月1日から6月30日まで
監査人 有限責任監査法人トーマツ
幹事会員 エイチ・エス証券(株)

公募・売出し要領(予定)

公募 100,000株
売出し(オーバーアロットメントによる売出し) 15,000株
公開価格の決定方法 ブック・ビルディング方式
仮条件決定日 2021年8月25日
ブック・ビルディング期間 2021年8月27日から2021年9月2日まで
公開価格決定日 2021年9月3日
申込期間 2021年9月6日から2021年9月9日まで
払込期日 2021年9月10日
受渡期日 2021年9月13日
元引受証券会社 エイチ・エス証券(株)、(株)SBI証券、西日本シティTT証券(株)、岡三証券(株)、マネックス証券(株)

仮条件

2,040円~2,240円

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参考資料URL

株式会社Geolocation Technology IR情報
2021.08.11 2021年6月期 決算短信 PDF (323KB)
2021.08.11 2022年6月期の業績予想について PDF (426KB)

福岡証券取引所 新規上場会社概要
上場申請のための有価証券報告書 PDF

エイチ・エス証券
Geolocation Technologyレポート PDF
新株式発行並びに株式売出届出目論見書 PDF

事業内容

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■事業概要
Geolocation Technology(4018)は、IP Geolocation という同社のコア技術を用いて、BtoB 向けのオンラインマーケティングとオンライン不正検知の領域において、自社開発のサブスクリプション方式の SaaS(Software as a Service)型サービスの提供を主力として事業を展開。その他、IPv4 アドレスを保有する売り手候補と買い手候補を結びつけることで売買を成約させ、成功報酬を受け取る IP アドレス移転事業も手掛けている。静岡県三島市に本社を置いており、『独自の技術とノウハウを開発し、地域社会にとって価値のある新しいインターネットサービスを提供します。』という企業理念の下、地域社会に貢献すべく様々な活動を行う。」
(「エイチ・エス証券 Geolocation Technologyレポート」より引用)

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2022年6月期業績予想

「2021.08.11 2022年6月期の業績予想について」より引用

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【2022 年6月期業績予想の前提条件】
1.全体の見通し
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、世界経済が大きな打撃を蒙り、国内においては飲食業、観光業をはじめ、多くの企業の業績が同感染症拡大前に比べて大きく減少している状況でありますが、一部でアフターコロナをにらんだ準備や施策が開始されており、IT 関連の設備投資も先を見越した動きの中で活発化し始めております。
当社の 2022 年6月期の業績見通しにつきましては、当社が提供するサービスによっては新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けつつも、一方ではアフターコロナ対策やホームページ等への不正アクセス防止関連で動き始めている企業及び自治体向けの営業が活況を呈していることから、全体では順調に業績を伸ばしていくものと考えております。
当社は今後も原則役職員全員がテレワークでの勤務を継続する考えであり、従来からの対面での営業に加えて、オンラインによる商談やセミナー開催のほか、当社のコールセンターによるアウトバウンドコールからの商談成約件数の増大を推し進めてまいります。また、官公庁や全国の自治体に対して、観光や企業誘致、移住・定住、ふるさと納税等に関するマーケティング施策に対応するアプリケーションの提案・開発を推進してまいります。さらに、法人各社の多様化するニーズに対応すべく、既存サービスのバージョンアップや新サービスの開発にも注力してまいります。

上記の取組みを行うことにより、当社の 2022 年6月期の業績予想は、売上高 675 百万円(前期比 15.8%増)、営業利益 126 百万円(同 153.4%増)、経常利益 113 百万円(同127.8%増)、当期純利益 78 百万円(同 121.1%増)を見込んでおります。


2.業績予想の前提条件
(1)売上高
当社の事業は、IP Geolocation 事業と IP アドレス移転事業の2つのセグメントから構成されております。

・IP Geolocation 事業
IP アドレスに、位置情報、組織属性、回線情報、気象情報等 100 種類以上のデータを組み合わせた当社のデータベースである SURFPOINT™を維持管理し、これをベースに法人顧客のマーケティングに役立つエリアターゲティングや企業分析、また顧客のウェブサイトへの不正アクセス防止・セキュリティ対応、さらにインターネット広告プラットフォームの提供といった各種分野のサービスを開発・提供しております。
2022 年6月期は各サービスの過去の実績や新規成約の獲得推移を考慮し、受託開発や顧客のウェブサイト制作業務については前期末の受注残を参考にして、売上高を算定しております。
以上により IP Geolocation 事業の売上高は、641 百万円(前年同期比 15.9%増)を見込んでおります。

・IP アドレス移転事業
当事業は IP アドレスの売買の仲介であり、IP アドレスを保有する売り手候補と買い手候補を結びつけることで売買を成約させ、成功報酬をいただくものであります。
2022 年6月期は、2021 年7月に大口案件を成約することができましたが、さらなる仲介を成立させるため売り案件を待っている状態であり、かつ、売り手の希望に沿う買い手を紹介する必要があります。売り手の需要予測が難しいことが背景にあるため、売上高は 2021 年7月実績である 34 百万円(前期比 14.5%増)のみを見込んでおります。

「2021.08.11 2022年6月期の業績予想について」より引用

主要取引先(一例・順不同)

株式会社オプト
株式会社メディアプラットフォームラボ
株式会社マイクロアド
株式会社プレイド
ヤフー株式会社
株式会社コナミデジタルエンタテインメント
株式会社アニマックスブロードキャスト・ジャパン
株式会社インターネットイニシアティブ
株式会社しんきん情報システムセンター
静岡県三島市、松崎町、警察、その他官公庁

競合の状況

「過去には国内に競合企業が存在したものの、基幹データベースの発展的な維持管理にコストを要する構造であることから、現在ではこれら技術を販売・事業化しているのは日本国内では同社のみのようだ。なお、海外には、digital element 社や MaxMind社などの競合企業がいるものの、digital element 社とは 2017 年 9 月にパートナーシップを締結している他、MaxMind 社も日本国内に事業所はないため、現状ではマーケットの奪い合いは発生せず、必然的に寡占的な状態が作り上げられている。」

(「エイチ・エス証券 Geolocation Technologyレポート」より引用)

特許

2019.04.22リリース 国内唯一のIP Geolocation技術を有するGeolocation Technology社、生活圏や興味などのユーザ像を推定する「IPアドレスに基づくユーザ属性推定システム」特許を取得

2020.09.23お知らせAIを用いたバナー広告生成技術にて特許出願しました

2021.07.13お知らせ特許取得のお知らせ
■特許番号:第6902765号
■特許登録日:令和3年年6月24日
■発明の名称:IPアドレスの使用地域特定システム
■特許権者:株式会社Geolocation Technology

大株主の状況

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株式会社エレファントは、代表取締役山本社長の関連会社である。
株式会社キャピタルバンクは、筆頭株主である小川武重氏の関連会社である。なお小川氏は創業間もなく以来の純投資であるが安定株主でもあり、コーヒーのBROOK’Sのオーナー経営者である。

上位株主はこのほかに会社役員や従業員持ち株会などでほとんどが占められており、ベンチャーキャピタルなども見られず、浮動株はほぼ存在しない。

大株主にはロックアップがかかっており、このため、上場後も、公募10万株及びオーバーアロメントとの売出1.5万株(うち5000株は従業員持株会が購入予定)を含めても、浮動株はせいぜい約70万株の内の14-15万株程度のみしか存在しない。

ロックアップについて

本募集に関連して、貸株人である山本敬介、当社株主(行使期間の到来している新株予約権者も含む。)である小川武重、株式会社エレファント、株式会社キャピタルバンク、遠藤寿彦、福井隆一、株式会社 MASA、株式会社 NORIKO、吉原明雄、髙橋邦美、茂田井純一その他7名(当社の従業員)の計 18 名は、主幹事会社に対し、当社普通株式の福岡証券取引所 Q-Board 上場(売買開始)日(当日を含む。)後 180 日目の 2022 年3月 11 日までのによる同意なしには、当社株式の売却(ただし、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すことは除く。)等は行わない旨合意しております。

また、当社の株主である新井穣、星久は、主幹事会社に対し、当社普通株式の福岡証券取引所Q-Board 上場(売買開始)日(当日を含む。)後 90 日目(2021 年 12 月 11 日)までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等(ただし、当社普通株式の売却価格が本募集等における発行価格又は売出価格の 1.5 倍以上であって、主幹事会社を通して行う証券会員制法人福岡証券取引所での売却等を除く。)を行わない旨合意しております。

加えて、当社は主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む。)後 180 日目の 2022 年3月 11 日までの期間中は主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の発行、当社株式に転換若しくは交換される有価証券の発行または当社株式を取得若しくは受領する権利を付与された有価証券の発行(ただし、本募集、株式分割、ストック・オプションとしての新株予約権の発行及びオーバーアロットメントによる売出しに関連し、2021 年8月 11 日開催の当社取締役会において決議された主幹事会社を割当先とする第三者割当増資等を除く。)等を行わない旨合意しております。

なお、上記のいずれの場合においても、主幹事会社はロックアップ期間中であってもその裁量で当該合意の内容を一部若しくは全部につき解除できる権限を有しております。

地方創生&サイバーセキュリティ関連

地方創生
2021.07.29お知らせ「東海道スタンプラリー」事例紹介を掲載しました
2021.07.20お知らせ【静岡県主催】「第1回静岡のテレワークを考えるセミナー」登壇のお知らせ
2021.06.29セミナー【7/28開催】スタンプラリーサミットのお知らせ
2021.06.05お知らせ【沼津市委託事業】『どんな企業でも出来るテレワークの極意セミナー』開催
2020.10.08お知らせ静岡県松崎町と地方創生に関する包括連携協定を締結しました
2020.07.15お知らせ伊豆半島のスポットを巡るWEBスタンプラリーが開催されます!
2020.07.10お知らせ「くりはら移住Webセミナー」が開催されます!
2020.01.23お知らせ三島市と地方創生に関する包括連携協定を締結しました

サイバーセキュリティ
2021.06.14お知らせサイバー捜査技術専科委託教養落札のお知らせ
2020.04.16お知らせサイバー犯罪対策に当社より2名の委嘱を受けました

(以下、「エイチ・エス証券 Geolocation Technologyレポート」より引用)
「また、セキュリティ関連の需要取り込みがさらに一歩進んだ事例として、2021 年 3 月 17 日付で発表している警察庁絡みの動向に注目したい。同社は同庁の一般競争入札に参加し、位置情報検索システムライセンスを約 4,300 万円で落札しているが、これは『位置情報検索システム』のシステム構築案件と捉えて良いだろう。例えば、サイバー犯罪が発生し、犯人の PC が押収されると、どこでインターネットを使ったかの記録として IP アドレスを抜き出し、どのような経路で行動したのかを調査していくことになる。昨今、スマートフォンが押収品となる事例も増えてきているが、当然 PC やスマホを使いながら犯人は街を移動している可能性が高く、犯罪行動の全容を把握すると同時にアリバイを崩すために、この『位置情報検索システム』が有用になるのだ。具体的には、スマートフォンの移動経路上の Wi-Fi アクセスポイントを地図上に表示するといった Wi-Fi スポットの検索機能に加え、IP アドレスからも位置情報や組織情報を検索できるようになっている。

さらに、セキュリティ関連の他にも、新たな動きとしてはデジタルスタンプラリーのアプリ開発が挙げられる。これは、観光地にある2 次元バーコードを読み取る形でスタンプラリーを実施することができるシステムであり、コロナ禍での外出自粛などを背景に、拡販の出鼻をくじかれてしまった面はあるものの、利用した自治体からの評価は非常に高く、話題にもなったことで引き合いは強い。『地域社会の活性化』を理念として掲げる同社だからこそ、『地方創生』という切り口から、シティプロモーション支援の領域に活躍の場を推し広げることができた事例であり、アフターコロナの中での事業展開に期待がかかる。」

(「エイチ・エス証券 Geolocation Technologyレポート」より引用)

会社四季報業績予想

会社四季報(東洋経済新報社)では、会員サイトにおいて、今期、来期の業績予想を公開している。業績予想は2021年8月末時点のもの。
会社四季報は9月中旬発売。

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初値予想の前提となる企業分析

2022年6月期予想はなお保守的
2022 年6月期の業績予想は、売上高 675 百万円(前期比 15.8%増)、営業利益 126 百万円(同 153.4%増)、経常利益 113 百万円(同127.8%増)、当期純利益 78 百万円(同 121.1%増)と、引き続き高成長を見込んでいる。

しかし、IP アドレス移転事業では、売上高は 2021 年7月実績である 34 百万円(前期比 14.5%増)のみを見込んでおり、2021年8月以降2022年6月までの売上はそのまま上ブレ要因となるため、コロナでの不透明要因があっても、なお業績予想は保守的であり、警察関連の大型受注があるなど、業績予想の実現可能性は十分に見込まれる。

コロナの影響としては、当初よりテレワークを実現し、NHKや日経新聞などから取材を受けるほどであり、一方で在宅勤務を基本とし、全国での技術者募集、採用が可能となっている点が、逆にプラスとなっている。

東京プロマーケットからQボードへの市場鞍替えの経緯
同社は東証マザーズ創設の2000年に創業したときより、同市場への上場を目標としており、近年の人材募集でも一貫して東証マザーズへの上場をうたってきた経緯がある。

創業20年目の2020年12月にTOKYO PRO Marketに上場したが、これは将来への足掛かりであり、この時点(2020年6月期決算)で監査を1期のみ受けていたため、他市場への上場基準を満たしていなかったことがある。
一方、2022年7月には東証の市場再編が行われるため、2021年には東証マザーズへの新規上場ラッシュがあった一方で、東証グロース市場発足まで様子見として、東京プロマーケットや地方市場に上場をする動きも見られた。

東証の市場再編の影響が出始めている?
それからもう一点、来年度から実施され、2022年4月に完全移行となる東証の市場再編の影響も出始めました。例えば、JASDAQへの上場を目指していた会社の、東京プロマーケットへの流入がはじまったのです。」
「また、東京証取引所も『東京プロマーケットを育てていこう』という意識が昔に比べだいぶ強くなってきました。東京プロマーケットは、新グロース市場、新スタンダード市場などのプレ市場と位置づけて、企業に対しても『東京プロマーケットから上がってきてはどうですか』ということを東証がはっきり言うようになってきています。」
コロナショックが株式市場にもたらした影響と、東京プロマーケットの変化
https://promarket.tokyo/archives/792(東京PRO Market)

エイチ・エス証券はここに着目し、東京プロマーケット上場支援業務に参入し、その流れで今回、Geolocation Technology社のQボード上場の主幹事業務を行っていると考えられる。

「昨年3月に福岡市に営業所を新設するなど事業拡大を図っており、資金調達に加え、九州で知名度を上げるため福証への上場を決めたとしている。」
福岡証券取引所へ2年ぶり単独上場、静岡のIT企業…取引活性化に期待
読売新聞2021/8/12

将来的に東証グロース市場(2022年4月発足)への鞍替え期待も
「■上場後の事業拡大に向けて
山本:近年中のマザーズ上場を計画しており、準備を進めている最中です。上場後はAIやディープラーニングをシステムに組み込むため技術開発を進めていきます。」
http://www.independents.jp/article/item001736
※「THE INDEPENDENTS」2019年2月号 - p22-23より
※掲載時点での情報です

「00年の創業当初から上場を目指しており、約40人の社員のうち役員含め5人を管理部門に配置するなどガバナンスを強化してきた。東証マザーズやジャスダックといった市場への参入にも意欲を示す。」
ジオロケ、東証プロ市場に上場申請 即戦力確保へ
2020/11/9 日本経済新聞

初値予想・高値予想

業績の高成長、浮動株の少なさやロックアップなどの需給、DX、地方創生やサイバーセキュリティなどの材料の一方で、地方市場である点も加味し、1株利益115円程度の実現を前提として、PER40倍~50倍として、株価4600円~5750円。
上場後の人気化局面があるとしてPER60倍で高値6900円、PER70倍で8050円程度までを想定する。

将来的に、2022年7月以降、2022年6月期決算以降のどこかの局面で、東証グロースへの鞍替えの動きが表面化した場合には、PER100~150倍、11500円~17250円といったこともありうるが、これはあくまでも不確定な将来に基づく独自予想である。

■参考サイト
Geolocation Technology(4018)のIPO新規上場情報
Geolocation Technology[ジオロケーションテクノロジー](4018)やさしいIPO株のはじめ方
IPOゲッターの投資日記
【上場】Geolocation Technology(ジオロケーションテクノロジー)IPOの初値予想!

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