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(2021年3月18日)「カーリングシトーンズ」〜ライヴ「またか!いい加減にシトーンズ!」を観て〜


 カーリングシトーンズのことを‘おじさん達のおふざけ’と思っている人って多いんじゃないだろうか。そして、それは間違っていない。
 でも、それこそがエンターテイメントの核となる衝動だったりするのだ。と、カーリングシトーンズを見ていて深く思う。
彼らの‘楽しそう’は、自分の‘楽しい’になる。

 今回のライヴ「またか!いい加減にシトーンズ!」は東京2DAYS、両日配信有りの2公演。
私は2日目に東京ガーデンシアターへ行き、興奮冷めやらぬ中、帰宅して、お家で1日目の配信鑑賞をする。という、なんとも贅沢な日を過ごした。
いや、正確には過ごしている。
配信期間は1週間、まだまだシトーンズの世界を楽しんでいる最中だ。


 今日は一体どんなステージが見れるのだろうと、初めて来た東京ガーデンシアターでワクワクしながら開演を待った。
 わかっていたはずなのに、ステージに6人が現れたときのアベンジャーズ感はハンパなかった。
野球でいうとオールスター、任天堂でいうとスマブラ・・・いやいや、これはもうカーリングシトーンズという他ならない。
もうこの際、『スゴい人がたくさん集まる様』という言葉を『カーリングシトーンズ』として辞書に載せてしまおうよ、と大袈裟ではなく思ったのだった。

 6人が楽器の前に立ち奥田シトーンのカウントからはじまった1曲目は「パンのうた(仮)〜俺たちのトラベリン」。
カンタンカンタビレの中で作られた新曲からスタートし、ここから、ライヴをしていない間のYouTubeでの伏線を回収しまくりの2時間となった。
アルバム『氷上のならず者』の楽曲達が独特の間合いでテンポ良く披露される。
楽器チェンジのなんだかんだもあって、各曲の間に入るMCは、もっと聞きたい!と思うくらいに面白いのだけど、
ひとたび演奏がはじまると、この人達は音楽家なのだなと、とんでもなくカッコイイからズルい。

キングシトーンのハーモニカも
トータスシトーンの関西弁も
奥田シトーンのドラムも
寺岡シトーンのベースも
斉藤シトーンのギターも
浜崎シトーンのタンバリンも
全部同じステージで見れるなんてすごい。

「B地区」での、魂のコールアンドレスポンスはお家に帰ってから存分にやります。と心に思いながら両手を挙げた。
帰ったら配信を購入することは95%心に決まっていたけど、それを99.9%にしたのは一緒に騒ぎたいという気持ちだった。
制限されたライヴ会場では、まだまだ出来ないことも多くて、もちろん来たくても来れない人も多い中で、会場にこうしていれることには感謝しなければならないのだけど、
最近では、この状況を悲観的に考えることはもうやめて、会場と配信のハイブリッドライヴ体験を楽しもうと思っている。
出来ないことを探すより、出来ることを見つけたいのだ。

 ライヴも中盤となり、もぐもぐタイムの代わりにカンタンカンタビレコーナー。
ここで披露された曲は1日目と2日目では違う2曲だという。この瞬間、配信購入は文句なし100%になりました。
そして、なんと、この場所で新しい曲を作り始めちゃったりしちゃった。
目の前で繰り広げられる、高貴な大喜利遊びを、感動しながら笑いながら見て、なんともとても贅沢な気分になった。

 カーリングシトーンズの曲はわかりやすくて、すぐに覚えられる。
正直、歌詞カードを手に真剣に聴くなんてことはあまりしていないかもしれない。でもマイ鼻歌ランキングでは上位だったりする。
良い塩梅の力の抜け加減で、良い具合のわかりやすさ。
それでいてたまにとんでもなくカッコイイ。
よいしょよいしょで個々の色が見えるけれど、全部が‘カーリングシトーンズらしい曲’ってなってるからすごい・・・って素人ながら思うのです。

 トータスシトーンが「ドラムから見える景色っていい」と言えば、次の曲でキングシトーンはいつの間にかドラム位置に立ってたり、ステージ上での自由な振る舞いは6人さまざま。当たり前のように曲作って、アルバムを出して、ライヴをしているけど、考えれば考えるほど奇跡のようなバンドだって思う。

本編最後は代表曲「スベり知らずシラズ」でハッピーに締めくくられたのだが、
このライヴで、どうしても見逃せないのはアンコールの寸劇。
YouTubeでも、今日のライヴが始まってからも、『テルヲ』と連呼し続けたシトーンズメンバー。しっかりというか、これでもかというくらいの伏線回収具合だった。
朝ドラを見てなかった私でも見始めちゃうくらいに、ここ数ヶ月『テルヲ』はカーリングシトーンズの話題の中心だった。
これはもう、ファンである私達への大サービスでしかない。
着物姿で真剣に楽器を弾く姿を見て腹を抱えて笑いました。

そして、最後の曲「涙はふかない」。
ただでさえ楽器を置いて歌う6人の姿は珍しいのに、こんなにかわいい姿を見せてくれて、感謝。


 私は実は、カーリングシトーンズをライヴで見るのは今日が初めてだった。
ライヴ空間に枯渇している‘今’に、この初めてを体験できたことは偶然かもしれないけれど、とても嬉しく思う。

 月額900円の動画配信サービスへの登録には躊躇するのに、4500円の配信ライヴをためらいなく購入する私が、少し世間一般の価値観とはズレていることには気づいている。
だから、このライヴを日本中のみーーんなにオススメしようとは思わない。

 でも
 彼らのファンである私達だけが楽しめる究極のエンターテイメント。
 彼らを応援していた私達に与えられたご褒美。
 カーリングシトーンズってそんなバンドだと思う。

ありがとうカーリングシトーンズ。

また会いたいです。

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