NHKディレクターの細かな配慮とインタビューへの準備
こんにちは、かんまにです。(^^)/
先回の話では、スマイルアップの補償本部長と母との違和感のあるやり取りについてお話ししました。
今回は、
わたし達が感じたスマイルアップの『すべてをお金で解決する謝罪方式』は手放して、
良ちゃんやわたし達残された家族の思いをもう一度世間に公表し、多くの人に知ってもらい、同じような苦しみを抱える人を一人でも減らすために、
NHKのインタビューを受ける方針に切り替えていった経緯などをお話していきます。
そもそも、中谷良という人は争い事が嫌いで平和を好む優しい人でした。
それゆえに優しさが裏目に出て、繊細さや弱さになり、昭和の芸能界という黒い渦に呑まれて潰され、孤独のまま、この世を去ってしまいました。
そんな良ちゃんの現在を探していたのが、NHKのディレクターさんでした。
ここからはNさんとお呼びします。
・ディレクター『Nさん』の気持ちを尊重する人間性
Nさんは取材にあたる際、わたし達が取材を受ける受けないにかかわらず、良ちゃんの気持ちを第一に考えて下さっていました。
母のところに訪ねてきた時も、良ちゃんが亡くなっていることを告げると、まず一番に仏壇に手を合わせて下さいました。
とはいうものの、こちらとしては、まだNさんがどんな人なのかもわかりません。
そこで今回、母のところまで来た目的について話を聞きました。
Nさんいわく、
その軸になっているものは、
『これだけ長年にわたって繰り返されてきた性加害がなぜ見過ごされてきたのか?』
といった疑問でした。
我が家に来る以前から、すでにこの問題の取材をしていて、その中でお会いする方々は、自身が傷ついたり、身内を亡くしたり…悲しく、辛い思いをされている方々も少なくないということ。
そんな中でも、「自分と同じ思いをする人をなくしたい」「二度とこのようなことが起こらないようにしてほしい」という思いから、カメラの前で証言していただく方たちがいらっしゃること。
そうした人たちの思いが少しでも世の中に届くように、その思いに少しでも応えられるように、という気持ちで、日々、番組を制作しています。
ということでした。
わたしはそのNさんの話を聞き、Nさんの根本にある生き方や考え方が、わたしの生き方と一致するものがありました。
そこで、父や母と話しをし、
・どんなことを聞きたいのか?
あらかじめ質問を送ってもらうこと
・編集したものが
おかしな切り取り方をされて
使われていないか?
完成したものを見せて頂くこと
この2点をお伝えして
取材を受けることを決定しました。
・要点を得たメールでのやりとり
スマイルアップの補償本部長さんとのやりとりは電話だったため、わたし自身は母からの又聞きでした。
なので、お互いの思い込みによる齟齬や誤解があってもわかりません。
その点では、Nさんとのやり取りは、わたしが間に入り、メールでおこなっていましたので、思いや疑問点など、確認を取り合いながら話を進めることができました。
そして、インタビューを受けるにあたって撮影前に質問をまとめて頂き、その質問に対して、母の思いを話を聴きながらまとめていきました。
じつはわたしにとってこの作業が結構大変でした。
・母の心と頭の整理
作業が大変だった理由として、母は目の前の現象や例え話にとらわれて、思い付きで話をすることが多く、話にまとまりが無いために、インタビューを受けるとなると、伝えたい事も伝わらないまま時間ばかりが長くなることが想像できたからです。
これは母をバカにしているわけではありません。
むしろわたしは母のフットワークの軽さや、いつも他人のことを気遣う優しさなどは尊敬しています。
でも、想像して頂ければわかると思いますが、わたしの母に限らず、今までインタビューなどに縁のなかった普通のおばあちゃんが、頭の中の考えを簡潔にまとめることなど、できる人の方が少ないと思います。
よくあるのは、人の名前や表現する言葉が見つからずに、「ほら、あれよ、あれ」とか、「それが、あーして、こうなるから」とか、何が言いたいのか意味不明なこともよくあります。
他にも頭の中が整理できていないために、何度も同じ話を繰り返したり、何について話しているかを見失って、トンチンカンな着地点に到着したりすることもあります。(笑)
だからこそ、インタビューの時にそうならないように母の頭の中を整理していきました。
まずは昔を思い出すこと。
その時にどう感じたか?
良ちゃんに対してどうしてあげたかったか?
といった時代背景や心理状態など感じていた思いや気持ちを聴き出し、まとめておく必要がありました。
じつはここに、わたしが伝えたい『生き方』の本質が隠されています。
・『生き方』の本質は『自分の気持ちの言語化』をすること!
わたしはこのスマイルアップの補償問題やNHKのインタビューと関わっていくことで良い経験をさせてもらえました。
その経験というのは、母との対話です。
わたし達家族は子どもの頃から、家族会議のような深く話し合う機会を設けることがありませんでした。
なので、家の中の空気感は『言わなくてもわかるでしょ?!』という感じで、自分の気持ちや思いを言語化することの重要性がまったくわかっていませんでした。
でもこれは、うち以外のどこの家庭でもよくあることなのかもしれません。
なぜなら、思いを言語化する時に言葉を間違えたり、相手の気持ちと合わなかったりすれば、ケンカになったり嫌われたりするからです。
もちろん、思ったことをなんでも言えば良いというものでもなく、言葉を考えなければいけません。それが大変なのです。
わたし自身がその環境で育てられていましたので、自分の心の内を表に出せない人間に育ちました。
ですが、そのままではガマンの連続で、何をやっても息苦しく、つらい日々を送る結果となっていきました。
そこから年月を重ね、心理学や認知科学などを学ぶことで、心の表現の必要性や重要性に衝撃を受け、いつかわたし達家族の間でも思いの風通しを良くしたいという考えを持つようになっていきました。
今回やっと、その機会がやってきたようにも感じていました。
そして、良ちゃんが活躍していた当時、
母がどんな思いで良ちゃんを見ていたか?
良ちゃんがどんな思いで毎日を過ごしていたか?
良ちゃんの変化を感じ取れていたか?
など、NHKディレクターのNさんの質問をもとに、その時の事実や状況だけでなく、心で感じていたことを一つずつ順番に言語化していきました。
そうすることで母もやっと、当時の良ちゃんがどんな思いを抱いていたかを想像できるようになっていったのです。
そこで初めて本当の意味での良ちゃんに対する『命の尊厳の救済』が出来るようになったと思っています。
これが2024年3月頃の話です。
次回はNHKのインタビューの中身を引用しながら、母の心の動きをお話していきたいと思います。
毎回書き添えていることですが、この記事の内容は過去のやりとりを理解してもらうために執筆しています。
誰かが悪くて、責め立てたいとかの話ではありません。
良ちゃんの気が病んで孤独の人生を送ってしまったこと。
ただその『人としての尊厳と名誉』を取り戻したいために執筆しています。
誤解しないようにお願いします。
それともう一つ、『生き方』や『在り方』、『考え方』などは間違いを認め、受け入れて改善していくことでアップデートできます。
良ちゃんの活躍していた昭和の時代と令和の現代では『常識』にも大きな変化があります。
これを理解していないと生きヅラさを感じます。
それが時代の流れで『諸行無常』と言います。
わたしはその生きヅラさを解消するための方法をメインサイトでお話ししています。
興味のある方は、そちらもお読みください。
最後までお読みいただきまして
ありがとうございました。