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【 #球春到来 】【姫路イーグレッターズ】明るく激しく

姫路

新球団、姫路イーグレッターズ。兵庫県姫路市に球団が置かれるのは2度目。

この日の練習は灘浜球場で行われた。
海がすぐ近くにあり風が強い。

灘浜球場

朝10時。練習が始まった。球団名やロゴの入ったパーカーを着て練習に臨むメンバーたち。
指揮を執るのは海田智行。オリックス・バファローズで左のリリーフとして活躍した投手だ。

練習前に選手を集める海田監督(右)

選手を集め必要事項をさっと伝え、アップに入っていく選手たち。
新チームだが、練習開始から1か月が過ぎ、雰囲気も出来上がってきていた。

「ジャパンウィンターリーグに出場していたメンバーや年の近いメンバーがくっついてそれでみたいな感じですね」
横のつながりと世代のつながりで選手の仲は良くなっていったようだ。

左から斉藤優介、磧大輔、森下晶登。斉藤と森下はジャパンウィンターリーグ組

この日の使用グラウンドはバッティング練習ができないということで、体力強化メニューとシートノックが行われた。

シートを記載したホワイトボード「これ僕が作ったんですよ」とは海田監督

基礎をひたすら

トレーナー指示で始まったのはアップ。アップの段階から走るメニューを段階的に入れていく。
数十本のダッシュを入れた後はキャッチボール。
そこからシートノック、投内連携に入るのだが、シフトに入る前に選手が集まって方針を決めたり、確認をしてから入ったのが印象的だった。

ノック前に集まる選手たち
投内連携開始前には投手も野手も集まり確認

チーム1年目。同じチームにいた選手自体少ない中で、選手同士、選手主導でしっかり言葉に出して確認をしていた。

投内連携では、海田監督が繰り返し、投手のモーションについて確認していた。ボークを取られないように、モーションを細かくチェックしていた。

マウンドに上がる土屋風丸

「投内連携とかは年に数回ぐらいしかしないようなプレーの練習だけど、頭を使う練習をしないと上達しない。NPBと同じ水準の練習をして、結果実戦で使わなくても、こうしてやったほうがいい」

ランダウンプレーの練習では「どっちが追い込むか」「どのタイミングでボールを受け取るか」を繰り返し行った。毎試合出るようなプレーではないが、いざ事が起こったときに対応できるかどうかでは大きく差が出てくる。

挟殺プレーの様子

そのあと待っていたのは走り込みとトレーニング。
「6球団で一番走って、一番トレーニングをしていると思う」と海田監督が言う通り、インターバル走をひたすら繰り返した後、トレーニングに入った。

顔も膝も笑っている森下と薗佑海

トレーナーと海田監督のチェックが入りつつ、みっちり下半身を鍛える。

トレーナーの山田さん曰く、現在の練習強度は一番キツいものを10とすると5ぐらいとのこと。まだやれる、伸びしろがある。

そうして体幹トレーニングは1時間ほど続いた。野手陣は打撃練習をするために移動。投手はその後も灘浜球場にとどまり引き続きトレーニングが行われた。

しかし、野手は移動もトレーニング。
指定された選手は下半身強化のためにマウンテンバイクの移動が待っていた。
打撃練習場までおよそ8キロ。間には急勾配の橋や坂もある。筆者は車で移動したが、自転車を追い抜かした際に「あ゛ーーーーー」という悲鳴にも似た声が聞こえてきた。

出発直前の磧。この笑顔から数分後悲鳴が上がった

打撃練習

打撃練習はベースボールパーク球道で行われた。
新築で、球場の壁面にはイーグレッターズのロゴも入っている。

ベースボールパーク球道
自転車組も無事に到着

ここから2時間、グループに分かれて打撃練習が行われた。
時に変化球を交えながら、状況を想定してバッティングを行った。

マシン相手にバットを振る竹内航大
端のレーンでは素振りやティーなど、各自の課題に向き合う
片付けはみんなで

まさかの邂逅

練習中、一人の選手がカメラに向かって話してくれた。
「実はお兄ちゃんが昔このリーグにいたんですけど…結構前だったんですけど知ってます?」

濱田俊志。翌日18歳になるということで周りの選手から手荒く祝福をされていた。

例のトレーニングで悶絶しながら必死についていく濱田

ん?濱田…?と思い聞いてみたら、「お兄ちゃん「濱田勇志」っていうんですよ」まさかだった。久々に名前を聞いた。濱田勇志。2019年の兵庫ブルーサンダーズ(当時)の優勝メンバーでNPBとの交流戦でリーグ選抜選手として何度も選出された外野手だ。

神戸三田ブレイバーズ時代の濱田勇志。通算105試合で打率.247を記録

「この前卒業式だったんですけど、野球することにずっと応援してくれて…お兄ちゃんは右打ちでヒットをよく打つタイプですけど、僕は左打ちで長打狙い。タイプは全然違うけれど憧れのお兄ちゃんです」

この日の練習、濱田は三塁の守備に就き、軽快な動きを見せていた。打撃練習でも広角に鋭い打球を飛ばしていた。しかし同じ三塁には3月7日のリーグ選抜に選出された高橋志庵、一塁には外野からコンバートされた久保雄亮がおり、ポジション争いは激しい。

「背番号1なのでチームで一番輝ける選手になりたい」という濱田。
注目する選手は、と海田監督に聞いたときに、真っ先に濱田の名前が出てくるほどに期待も大きい。

シーズンが始まって兄を超える活躍を見せることができるか注目だ。

濱田と同学年の宮本史恩

チームとしての形

「まだ選手は僕の沸点を探ってるのかなぁという感じがします」
練習中に海田監督が漏らした。
「僕がめっちゃ怒るってことは基本的にはないんですけど、顔色を窺ってるというかそんな感じですね」
新チームと新監督。海田監督も一緒に体を動かしたり、選手と一緒に冗談を言い合うシーンも見られた。

海田監督と話す久保雄亮

できたばかりのチーム。選手個々の能力は悪くない。もっと一体感が出で来ると一気に上位に食い入ることもできるかもしれない。

開幕まであと少し。チームとしてのレベルアップを期待したい。

(文・写真 SAZZY 取材日:2月27日)

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