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【 #球春到来 】【大阪ゼロロクブルズ】チャンスは自分で掴むもの

雨の龍間

龍間ぐりーんふぃーるど。球場に向かう道すがら、時折雨が降るような天気。練習は11時からだったが、グラウンド整備もかねて10時過ぎには選手たちが動き始めていた。
アップ、キャッチボールの後は投手と野手に分かれての練習が始まった。

野手には藤井秀悟監督と浅井良コーチがこの日の天気顔負けのノックの雨を降らせ、藤井監督は投手陣の練習も確認し、指導を行った。

横山雄凛ダニエル投手をチェックする藤井監督

■不在メンバーとキャンプ参加

この日不在だったのは元東北楽天ゴールデンイーグルスで現役復帰をする菅原秀。そして、千葉ロッテマリーンズのキャンプに参加していた佐藤雄飛、田中涼、堅木康生、木村勇太、嵯峨一矢の6名。

「菅原はもう一度プレーしたいという話があって、チームに参加することになった」と谷口功一GM。ブランクはあるが球速は140キロ台にまで戻ってきているとのことだ。
菅原は前日のシート打撃で登板し、三者三振に抑えた。練習参加のペースも一任されているとのこと。

また千葉ロッテキャンプ参加組の5名には、毎日レポートを作成し、NPBのキャンプの様子をチーム全体に共有しているという。
「帰ってきたあいつらが楽しみや…めっちゃ刺激を受けて帰ってくるか、すごいのを目の当たりにして自信を無くしているか…」
キャンプは主に手伝いがメインのため、練習後に空いた設備を使って練習をしているとのこと。
刺激を受けて帰ってくるメンバーが楽しみだ。

■いざ実戦

ノックの後はシートバッティングが行われた。
登板した投手は6名。
シチュエーションを考えながら打者が打席に入っていく。

ネット真裏からの様子

光ったのはディロルフ ジョセフ 亜希羅。昨年ドラフト候補にもなった右腕は打者8人に対して被安打0、与四球1。多少のコントロールのばらつきはあったものの5奪三振。
球速は142キロと控え目だったが随所に伸びのあるボールを投げ込んだ。

ディロルフ投手

「昨年ドラフトに指名されなかったときにまだ力不足だと感じました。より自分の力をこの冬にどうやって伸ばして勝負するかを考えていました」と語るディロルフ。藤井監督には「落ちるボールの習得」を厳命され、スプリットを武器として今シーズンに臨む。

「NPB行きとこのチームで優勝したいです」とディロルフは気合十分だった。

また昨年リーグのシーズン安打記録を塗り替えた今田勇大はここまで実戦形式の練習で安打が0。
途中で1本出たのだが、当たりが微妙すぎたので藤井監督判断でノーカウントに。
その後全員の打席が終わった後、藤井監督に促され、再度打席に立った。

相手は新加入の木山卓大。バットを少し短く持って、振りぬいた打球はセンター前に抜けていった。

「意識は変わらず、何かを変えることはないんですけど、今季は長打の割合を増やしていきたいです」と今田。

また、ノックやそのあと行われたランダウンプレーでは一塁守備にもついていた。

ランナーをタッチする今田

一塁守備は「内藤(晃裕)さんの穴を埋めないといけないと思ったんで」と、浅井コーチにも勧められて始めたそうだ。若干のぎこちなさは残るが、人数が限られているゆえに複数ポジションを守れる強みは大きい。
開幕時に今田が一塁にいるのか、はたまた別の選手を一塁に回して今田が外野に戻るのか、注目していきたい。

■ランダウンプレーと雷

シート打撃が終わった後はランダウン(挟殺)プレーの確認を行った。

ここでいろいろな課題が出た。
ランナーの追い方や送球の仕方など、気づいたことはすぐ浅井コーチが軌道修正を入れていく。しかし同じようなミスが頻発する。追い方を間違えたり、雑なプレーが何度も出た。

ランダウンプレーについて話す谷口GMと浅井コーチ

練習の後、谷口GMの雷が落ちた。

「沖縄組のレポート読んでるんか。同じプレーでも少しでも送球がそれたらあかん、NPBは取るところにボールをしっかり投げるって書いてあったやろ。それでアウトかセーフの差が分かれるんやんか。去年1点差でどれだけ負けたんや」

ランナー三塁の場面でこんなことがあった。
走者は安田悠人。俊足が持ち味のバッターだが守備陣がどんなに追い込んでもかなりの時間粘る。そのまま打者走者の進塁を許したり、安田自身もセーフになる、果てはホームに帰ってくるということが何度も見られた。

安田を追う掛谷和紀

安田にとってはいいアピールになったと思うが、実際にこんなプレーが起きた際に、ランナーをアウトにできないと谷口GMが言うように、ゲームを落とすことになりかねない。

「沖縄組が帰ってきたら今いる選手のほとんどが控えになる。それなのにシート打撃でも空いている時間に『ほかのポジションに回ってみる』とか『ランナー行かせてほしい』とかそういうのもなかった。アピールが寂しい。去年抜けた主力…投手でいうと野村賢介、中村巴瑠、野手だと内藤、栗本皐生、バルデラマ。穴は大きいんだけどな…」と谷口GM。

沖縄組も帰ってきて間もなくオープン戦が始まる。
アピールの仕方一つでチームの状況が変わってくる。出場機会というチャンスは自分で掴みにいかなければ、巡ってこない。
この中でチャンスを掴むのは果たして誰か。

(文・写真 SAZZY 取材日:2月20日)

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