「ご飯は食べた~?」
☝この国では「こんにちは」などと同様、一般の挨拶だ。
この挨拶を初めて聞いたのは、お嫁に来た当時、夫の後輩が午後3時ごろ家に来た時だった。夫はいなくて、お義母さんが対応した。
「ご飯は食べた~?」
(えっ?なんでこんな時間に、ご飯食べた~?って聞くの・・)
「あ~食べてないですけど・・・」
(うそっ?この時間まで、食べてないの?何、この状況?もしかしたら・・)
「じゃ食べていきなさい!○○はいないけどね。ほら、準備してあげて!」
「あっ…はい!(うっそ~ご飯ないんですけど、炊かないといけないし)」
後で聞いた話によると、この半島は大陸からも島からも多くの侵略を受け、一食を食べるということが大変だったので「ちゃんと食べることができたのか?」という、とってもリアルな安否確認の挨拶なのだという。
特に朝鮮戦争を経験された、お義母さんの世代からすると「食べてない」というのは、イコール「食べさせなければならない」という条件反射になるようで、食べさせてあげれることが嬉しいようだった。
実はこの国で通算24年生活した私も、いつのまにやらそうなっていた。
日本から同僚やお客さんが来ると「美味しいものを食べさせたい!」という、条件反射が発動する。
特に痩せている人を見ると「細くてきれいだな」とか「カッコいい」とかではなく、「まぁ~?!ちゃんと食べれてるのかしら?」となって、思わず食べさせたくなる。
おかげで「韓国来て、太った・・」と怒られる(?)ことも、しばしば・・・
しかしこの国の一般家庭の食事は、野菜が中心なので体には良い。
以前、息子の数学の塾の先生が、生徒たちに「ご飯食べたか~?」と聞いたそうだ。(ちなみに数学の塾は、午後6時から10時までです。)
息子は「食べました~!」と言ったのだが、息子以外の子は食べていなかったという。そこで先生が、何かおごってくれたのかと思ったら、息子に・・
「何、食べたの?」
「ワカメスープとごはんです。」
「え?普通のワカメスープだったら、お腹減らない?」
「いや~今日のはカレイが一匹入っていたので、お腹いっぱいです。」
「え~カレイのワカメスープ?!それは食べたことないな。美味しいか?」
「すっごく、美味しいですよ~!」
お腹を空かせている周りの生徒さんはお構いなしで、息子と先生は話が弾んだという。
すると一週間後、数学の先生が・・・
「カレイのワカメスープ、作って食べたんだよ。奥さんは苦手なんだけど、自分は料理が好きでね~!いや~人生の中で食べたワカメスープで、一番おいしかったよ~!教えてくれてありがとう!!」
だとか。
それを、私に教えてくれた息子君・・・
「おかあさん~今カレイが、旬なんだってさ!またあれ、食べたい~!」
「おっしゃ~~、つくったるわぁ~~♪」
お魚がおいしい季節になりました。 皆さんもお試しあれ~♡
(牛肉バージョンでも美味しいですよ。お試しには、レシピあり☝)