えっ、デモに参加してきたの?!
10月2日の水曜日、あのJ君からラインが来ました。
「先生、申し訳ないのですが、急にソウルに行く予定になったので、今日の授業を他の日に変更してもらえませんか?」
「いいよ、じゃあ金曜日ね。」ということで、その日の授業が無くなったのですが・・・
「もしかして、あの子、3日にある文大統領下野のデモに参加するのかな?いや~普通の子なので、そこまではしないでしょ。でも大学主催の団体バスがあって、授業の免除なんかあれば行くかもな。以前、あの大学の教授たちがデモに参加しているし。」なんて、思ってました。
そして今日、授業の時にその真相を聞くと、実はJ君のお母さんが個人でデモに参加したいというので、優しいJ君はお母さんを守るために、あのデモに一緒に参加してきたというのです。
「いや~すごい人で、もう本当に大変だったんですよ!初めに少し参加して、フィギュアショップ(☜ちなみにJ君は、アニメ好きです。笑)に行こうとしたんですが、全然動けなくて・・・」
と言いながら、楽しそうにデモの話をしてくれました。
1、モーセが海を二つに分けるように・・
いろいろな団体が、それぞれの大きな旗を掲げていたそうなのですが、その中でも影響力のある団体の旗がなびく時、周りの人たちはモーセが海を分けるように、さっと分かれて通りやすくしてくれたそうです。
例えば朝鮮戦争時に最前線で戦い勲章を何個かもらって、軍服にその勲章を付けていた元軍人さん(80歳以上のおじいさま)たちの団体や、例の延坪海戦などで犠牲になった20代の軍人さんのお母さん達が、亡くなった子の写真を胸に抱きながら行進している団体とかだそうです。とてもリアルですね・・
2、外国人観光客たちは・・
J君がフィギュアショップへ移動する時、集まってきた流れとは逆の動きだったので、人の波から脱出するのに大変苦労したそうです。ちょうどJ君の前には、同じように脱出しようとしていた3人の中国人観光客がいたそうで、中でもとっても太った人がいたので、その人の後ろに「すみません。」といいながらピッタリ付いてなんとか脱出したそうです。
たまたまこのデモの日に、ソウルに来た外国人観光客さんたちは、相当大変だったでしょうね・・
3、既成世代と若者と・・
「先生!デモに参加していた人たちは、ほとんどが40代以上のおじさんおばさんやおじいさんやおばあさん達で、若い人たちはあまりいなかったんですよ。せいぜいチョ・グク(法相)問題で、関連あるソウル大・高麗大・延世大・釜山大の学生たちが、夕方6時以降から別にデモをしたそうで。例えば、うちの大学生たちは、この連休に日本旅行してるんですよ~!」
「えっ?!少し前までは、この時期に日本旅行したら「売国奴」だって、あれだけ世論で騒いでいたよね・・・」
「大学のチャットでは、『ただ今、東京到着!おすすめの美味しいお店教えて~!』とか、『これ読める人~!』って、メニューを写真撮ってアップするとか・・・最近、航空券がすっごく安いのでうちの学生たちは、随分日本に行ってますよ。もう関係ないんです!僕も行きたかったなぁ・・・」
話を聞いていると、社会主義や共産主義という単語は、教科書上だけに存在している単語なので、あまりよくわからないということなのです。確かに世代が違うということは、そういうことなんでしょうね。
「例えば、北朝鮮の正式な名称って『朝鮮民主主義人民共和国』って言うじゃない。あちらも「民主主義」という単語を使うんだよね。聞いたところによると文政権は「自由民主主義」という単語から「自由」をとって、「民主主義」という単語だけを使おうとしているって言われてるよ。この「自由」があるのとないのとは、天地の差なんだよね。」
「そっか、そういえばそんなプラカードがあったけど、そういうことだったんだ・・・」
この国を通して、いろいろなことを感じさせてもらってます。
今回のデモは韓国の史上最大の規模で、約48万5000人ほどが全国から集まったそうです。先日あった、文政権支持&チョグク応援のデモの10倍から20倍だとか。
香港デモも激しくなってきているようですが、こちら韓国でも長引きそうな気配がします。そんな中で、北朝鮮は新たな弾道ミサイルを発射してますし・・・
アメリカ・ファーストのトランプさんが曖昧な中、日本もそろそろ腰を据えて、いろいろと考えていかなければならない時に来ているのでしょうね。
ひとまず、現地からの報告でした。
お付き合い、ありがとうございました!
(写真はこちらのネット上のを、お借りしました。)