見出し画像

映画「めぐみへの誓い」が、世界へ!②

映画祭オープニングの当日は、随分早めに会場に行きました。

場所は、ソウルの中心街の一角。

6階建てビルの最上階フロアーで、シアター(200席弱)ひとつの会場でした。(このミョンボ・アートシネマは、アーカイブ上映が多いようです。)


その前にまず・・・

私には、どう考えてもわからないことがありました。


「北朝鮮主導の統一を悲願する、文在寅政権下で

 何故このような映画祭が、開催可能なのか?

 そのオープニングに、なぜ映画『めぐみへの誓い』が選ばれたのか?」


随分前にどこかでお話したと思うのですが、2019年の秋にソウルで反文政権のデモが大きくなったきっかけは、ひとりの日本人ジャーナリスト(篠原常一郎さん)の月刊HANADAの記事からでした。


当時、現地で生活していたので、いろいろ変化する日々の状況をお伝えしてましたね。(例えば、こんな感じでした☟)

当時と同じ政権下である今、映画「めぐみへの誓い」が上映される・・・

いったいどういう規模で、どんな人たちが来て、どのような感じで、この映画祭が行われるのか?!


結果的に現場で3日間、ボランティアスタッフや主催者などとの交流を通して、26年間生活しても分からなかったことが、明らかになりました!!

まず主催者は、脱北者支援団体の社団法人「忘れな草」でした。

「決して忘れてはならない『歴史の遭難者たち』のために『行動』する団体」と自ら謳っているこの団体の理事長は、保守系の前国会議員で韓国では知らない人はいない女性(朴宣栄 パク・ソンヨン氏)でした。

社団法人『忘れな草』設立趣旨文「北朝鮮政権の抑圧を避けて、自由・民主主義・人権を尊重する大韓民国の社会に根を下ろした北朝鮮離脱住民の数は、既に2万4千名になり・・」

今回ボランティアスタッフの中には、この団体が支援している脱北者の学生や脱北者のご家族もいらっしゃいました。


また、その団体の責任者さんのお話によると・・・

「脱北者たちは、想像も絶する状態で逃げて来られます。拉致された横田めぐみさんの、ある意味10倍はひどい目に合っているように思われます。」

と言いながら、書くことも躊躇してしまうような壮絶な話しをして下さいました。(内容は割愛させて頂きます)


その後、帰国して調べたところによると、日本の「特定失踪者問題調査会」の文面に、以下の内容がありました。

北朝鮮国内にいる拉致被害者に対して、必ず救出するという日本国民の強い意思を伝えることなどを目的とした対北ラジオ放送「しおかぜ」を通し毎日呼びかけを行っている。また韓国の脱北者団体の協力を得ながら、大きな風船を飛ばして膨大な数のビラを北朝鮮国内に撒く「バルーン・プロジェクト」を行い、情報の注入と、情報提供の呼びかけを実施している(バルーン・プロジェクトは韓国が親北政権になったことにより現在中断)。

なるほど、日本の拉致被害者の会や特定失踪者の会は、韓国の脱北者団体と連携していたんですね。

このように北朝鮮の国家的陰謀や犯罪などに対して、両国間が共通認識のもと協力し合う時、まさに映画「めぐみへの誓い」はその事実を多くの人たちに伝えることができる、大変貴重なコンテンツなのですね。

だから、映画「めぐみへの誓い」が開幕作に選ばれたのだな!!と、理解することができました。


また、こんなこともありました。

あるボランティアスタッフは、私が日本人だとわかると駆け寄って来て

「日本人の方ですか?映画祭にお越し下さって、本当にありがとうございます!私は慰安婦問題は、大ウソだと思ってます!!」

と、熱く語り始めたのでびっくり!!  私は初め・・・

「最近は『反日種族主義』という本も、流行ってますからね。」

と、当たり障りのない話しをすると・・・

「いや、あれは教授たちの論文であって、私たちは具体的に行動しているんですよ!!」と、より一層、熱く語り始めたのです。


じっくり話を聞いてみると、「慰安婦法廃止国民行動」という団体の中心的立場の方で、映画祭のボランティアスタッフとして仲間数人と来られていたのでした。

「映画『めぐみへの誓い』でもあるように、従軍慰安婦問題はデマです!!このままでは韓国人は『嘘つきな民族』だと世界に思われてしまう。そう思われたくないから、ひたすら行動を起こすしかありません!!コロナが落ち着いたら、日本に行って朝日新聞社の前で抗議デモをするつもりです・・」

驚きました。こういう方も、いらっしゃるんですね・・・

それも30代の若い方々が、実際に「行動」を起こしていたのです。


また、この映画祭の開幕式には、ソウル市長も来られてました。

その祝辞では「来年の秋ごろには、新しい韓国を見ることになるだろう!」と力強く言っていたので、もしかして大統領選挙に出るつもりなのかな??と思い、親友に聞いてみると・・・

「そうね~大統領選挙に出るかもね?!今回ソウル市長になった時も、今の政権に嫌々している若い人たちが立ち上がって『票』を入れたっていわれてるからね・・・」などと、教えてくれたのです。


若い人たちが親中親北の文政権に反対し、「保守」に傾き動き始めている。

なるほど、だから・・・

このような映画祭が、それなりの規模で開催されることになったのですね、納得です!!        

                              つづく



拙い文章を読んで頂いて、ありがとうございました。 できればいつか、各国・各地域の地理を中心とした歴史をわかりやすく「絵本」に表現したい!と思ってます。皆さんのご支援は、絵本のステキな1ページとなるでしょう。ありがとうございます♡