「リメンバー・ミ―」的に、義理の母。
夏になると花火大会や、盆踊りを思い出します。
両親の実家がある栃木県のある川では、精霊流しもしていました。
中学に入るまで夏休み期間はほぼ、おばちゃんのお家で生活していたので、それら夏の行事が恋しくなります。(ちなみに、韓国ではしませんね・・)
これらはすべて先祖供養のための行事であり、夏は死者の季節でもあるんですよね。
お盆の日おばあちゃんの家の前に、ナスやキュウリに割りばしを刺してつくった馬を置いて、ご先祖様がこれに乗って帰ってくるんだよと言う、おばあちゃんの言葉を信じていたものです。
結局、少し怖い「お化け」の御先祖様にも、これらすべてによって、ちょっぴり親しみを感じてました。
けどそれが、実はもっと感動的な「出会いの場」なんだと想えるようになったのは、今年の春に見た映画「リメンバー・ミー」によってですね。
何よりも、先祖供養って「思ってあげること・思い出すこと」だったんですよ。
なんと、シンプルなのでしょう!
最近、お義父さんのお話はしたので、ここら辺りでお義母さんのお話をさせて頂きますね。
実はお義母さんも、とても素敵な方でした。
第一印象は、結婚を反対していたこともあったので、私には童話「ヘンゼルとグレーテル」の「魔女のおばあさん」のように見えましたが・・。(鼻の辺りがあんな感じでした 笑)
しかしお義母さんは私を受け入れてしまうと、まるで実の子のように、いや実の子よりも大切にしていたと義姉たちが言うぐらい、私もそれを感じてました。
例えば、私が高熱で、倒れてしまった時のこと。
嫁として「家事をしなければ」というのがあるので、起きて動こうとすると、義母は「寝てなさい。」とバシッと言うのです。
そして、私の熱を測るのですが、それがなんと・・・
義母の額が、私の額を目がけてやってきて、それぞれの「おでこ」と「おでこ」が遂にごっつんこして測るという、日本ではありえない測り方だったのです。おぉ~~!!
私の目の前に、義母の顔が「どアップ」になるこの測り方は、嫁としては何の心の準備もなく、急なことだったので・・・驚きました~!!!
そしてお義母さんは一言「熱がある。これは絶対、無理はしちゃいけない!」と、バシッ~~!といわれたのです。
さっぱりしていて、なんせカッコいいのです。
特に大統領選挙などの時は、出馬者の演説やテレビの解説よりも、お義母さんの熱弁の方が面白いぐらい。もしもお義母さんが、もう少し遅く生まれたならば、必ず大統領にしたい存在でした。
夫から聞いた話によると、昔は病気も直してしまうほどの力があった(?)そうですが、あのお義母さんなら「あり得る」と思ったぐらいです。
お義母さんとの思い出の中でも、絶対に忘れられないことがあります。
息子が幼稚園の時、当時流行っていたローラー・スケートをお誕生日に買ってあげたんですね。ひとまず家の中で、私が横についてあげながら練習させたのですが、夕食の準備があったので、その役目をお義母さんに頼んでしまったのです。
結局その時、お義母さんと息子は転んでしまい、打ちどころが悪かったようでお義母さんが動けなくなってしまいました。
その前から少し痴呆症が出てきた時だったので、それからは寝たきり老人になってしまったのです。
体は回復に向かっていったのですが、お義母さんの性格上、おむつをしなければならない痴呆症老人が居た堪れなかったようです。
意識がしっかりしている時は「死」を選択して、食事を口に通そうとしませんでした。
当然私がこうさせてしまったという想いと、痴呆症の寝たきり老人を看護するという葛藤の中で、私はとても大変でした。
そんな中、一年も経たずに・・・・
数か月後には、義母は逝ってしまったのです。
このようになってしまった原因は、全て私のせいだと思い、自分を責める日々を過ごしていました。せいぜい、親不孝者の私ができることは、お義母さんが好きだった般若心経の韓国語の書道を、書いて上げることだけでした。
そんなある晩、私の夢の中にお義母さんが出てこられたのです。
それは夢のようで夢でないような、お義母さんは私に「もう自分を責めないように。」と言いながら、私の中に入り心が一つになった瞬間、体がとっても熱くなり「あぁ~~許されたんだ。」という実感がしたのです。
それから私は、自分を責めることをしなくなりました。
今思うとあの時、お義母さんがわざわざ来てくれて、私に「今を生きろ!」と教えてくれたのではないかと思っています。
そしてそれからは、お義母さんが一緒に居てくれるという感覚があります。
今でもあの時のことを思い出すだけでも、体がフワッと熱くなってきますし、お義母さんは私の中で常に生きているという実感がします。
韓国の祭祀は、そんな義理の両親を思い出させてくれる素敵な日です。一年の中でも、旧正月(ソル)・秋夕(チュソク)・命日と3回あります。
私にとって、そんなお義母さんが一緒にいて、共にいることを感謝できるこの環境が、とてもありがたいな・・・と、心から思っております。
長い間、お付き合いありがとうございましたm(__)m