IIDX旧筐体コンパネに自作基板を組み込んでINFINITAS対応させた話
はじめに
2019年12月から出荷が開始となったbeatmania IIDX Lightning Model(LMとか新筐体とか呼ぶやつ)。気づいたら周りのゲームセンターも新筐体が主流になってきた。
2023年10月18日のbeatmania IIDX31 EPOLIS稼働開始のタイミングで、旧筐体のうち、内部PC(基板、PCB)を更新していない筐体は、EPOLISへのアップデートの対象外となった。beatmania IIDX30 RESIDENTのオンラインサービスも早々に終了し、行き場を失った旧筐体が数多くあると考えられる。
数多くある割には誰も買ってくれないというね…。
IIDX19 Lincle以前の旧作やRootageのオフラインキットを用いれば旧基板の旧筐体でも稼働は可能だが、ゲームセンターで稼働させたところでそこまで需要があるわけでもなく…
というわけで、ヤフオクで旧筐体のコンパネ(コントロールパネル、操作する部分)が単独で売り出されていたので落札し、自作基板を組み込んでINFINITAS対応させた。今回は、その話。
ともかくデカいので、心して入手することをおすすめする。
何を作ったの?
作ったもの
旧筐体コンパネに取り付けてINFINITASを遊ぶための基板。基板やArduinoはDAOコン用のINFINITAS化基板をそのまま利用。過去資料参照。https://note.com/kandaiiidx/n/n5aa1b3edae81
自作基板と鍵盤を接続するためのハーネス
同じく皿用のハーネス。
コンパネのアクリル板とアルミ板に穴を開けて、LMと同等の場所にボタンを設置。
(純正で付いてたボタン用のハーネスは撤去)
見た方が早いと思うので
動画どうぞ。サムネがBMSになっててごめんね。
できること
INFINITASの純正コントローラーと同等の操作が可能。
Lightning Modelと同じスタートボタン/VEFX/Effectボタンの配置(物理)でINFINITASが遊べる(INFINITAS純正コンのE1-E4ボタンの挙動がAC版とちょっと違うので、完全再現は不可能。あしからず。)
ボタンの発光も可能(ただし、純正LEDは12VでUSB電源供給では光らせられないから、あとから5V LEDに置き換えた。)
できないこと
スクラッチの発光(基板とは別に、AC 100Vを接続し蛍光灯を光らせればよい)
それ以外は特段不便していない…はず。
苦労した話とか。
苦労①ボタンを追加するためのコンパネ加工
旧筐体と新筐体では、正方形のボタン4種類 スタートボタン(1P/2P)、VEFXボタン、EFFECTボタンの配置が異なる。旧筐体にボタンを増設するための穴あけ加工が、クソ大変だった。あと当たり前っちゃ当たり前だけど、この位置は従来筐体ではプレイ方法のポップがあった箇所だけど、ボタンが配置されることになるので、ポップは撤去するか穴をあける必要あり。
コンパネの素材は、下から順番にMDF材 15mm アルミ板 1mm アクリル5mm と思われる(目分量なので違ったらすまん)。それぞれの素材に、ボタン用の穴を開ける必要がある。
①MDF材の穴は、取り付けるボタンの寸法を気にせず、大きめに開ければよい。どうせアルミ板で隠れて見えなくなる。このとき初めてホールソー使った。超便利。鍵盤のボタン取付構造も同じように、MDF材は大きく切り抜かれている。ボタンを固定するときは、MDF材は挟まず、アルミ板とアクリル板だけを挟むようになっている。
②アルミ板の穴は、ある程度狙った寸法で開けるのがよい。ボタンの影になるところではあるが、加工が荒いと見えてしまう。電動ドリルと金属用のホールソー(27mm径)があるとすごく捗る。そして1mm厚の金属はDIYで素人が行うとかなり危険と感じた。ある程度わかってる人じゃないと、工具やコンパネを破損するだけでなく、場合によっては重大な怪我にも繋がる可能性がある。
③アクリル板の穴は、かなり正確に開ける必要がある。ボタンの位置決めに使われるため、プレイフィールに直結する。油性ペンで位置決め→3mmのドリルで何箇所も穴あけ→ニッパーでバリ取り→金ヤスリで平面に慣らす。ボタンの位置が合わなければ金ヤスリで削って調整。ちまちま。
VEFXボタンは、遊び方ポップを挟む部分とコインシューターの部分両方にかぶる箇所に来るので、ホールソーが使えずアルミ板の加工が死ぬほど大変だった。この位置にボタンがあることで、本家と同等の操作が可能になるので、大変だけど頑張った。2024/4/3追記:
FHS切り替えはスタートとEffect(上側)同時押しなので、この努力は微妙でしたね…
苦労② LED交換について
この基板はもともとDAOコンへの適用を前提としており、LEDは5Vを想定していた。だが、実際のコンパネは12Vだったようで、そのまま配線しただけではLEDが弱々しく光るのみであった。
LEDのサイズは"T10"で、AliExpressなどでは6V品として売られているものが多く、それを買ってきて付けてみたが、サイズが合っていないようで、ボタンを押すと引っ掛かりがあり無理に押そうとするとボタンホルダーごと外れてしまった。
2024/3/31追記: T8じゃなくてT10でした。ご指摘いただきありがとうございます。
LEDの頭がデカいのが原因かと思って小さいのを買ってみたが、それでもダメだったので頭を抱えた…が、原因はLEDホルダーの出っ張り部分とわかった。出っ張り部分をニッパーで切り取って取り付けると、無事ボタンを押せるようになった。良かった良かった。
苦労③ハーネスについて
DAO用の自作基板を流用することにしたので、純正ハーネスを流用せず、ハーネスを自作することにした。ボタンが18個あるので、18本。作業自体は単純だけど、単純に時間がかかって大変。
皿用のハーネスはコンパネ付属のものを受けて自作基板に接続するため、変換ハーネスを作成。
JST SM 6pinというコネクタらしい。筐体からは、オス側がでているので、メス側コネクタを用意して受ける。
写真の右の方には、映ってないけどDAO用基板が2枚ある。
さいごに
パネルの加工が大変だったけど、苦労に見合うだけのものを入手することが出来たと思っている。何かの拍子に旧筐体コンパネを手に入れてしまいINFINITASをやりたくなった方がいたらご参考までに。
紹介した基板はboothにも置いてますが、購入前にDMなりで一声いただけると助かります。https://kandaiiidx.booth.pm/items/5560906
2024/5/22追記
To be continued…(たぶん何も続かない)