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ナットの話
・ナットは外れやすい
先日お客様より「買ったばかりのギターの弦交換をしようと思って弦を外したらナットが取れてしまった」「不良品ではないか」とのご指摘をいただきました。
いきなりナットが外れてしまい、びっくりされたかもしれません。
不良品と疑ってしまうのも無理はありません。
これを読まれた方の中にも経験のある方がいらっしゃるかもしれませんね。
しかし安心してください、不良品ではありません。
新しい、古いにかかわらず、エレキギター、アコースティックギターにかかわらず、ギターのナットはちょっとした力が加わるだけで簡単に外れてしまうことがあります。
・ナットは消耗品
弦を張り、チューニングをしたり演奏するだけでナットの溝を弦が滑り、溝を削ります。
弦が滑ることでナットの溝は少しづつ削れて行きます。
ラウンドワウンドの場合、エレキギターの場合は4弦から6弦、アコースティックの場合は3弦から6弦は巻き弦です。
巻き弦はやすりのようなものなので特に摩耗が顕著です。
プレーン弦でも摩擦はありますので巻き弦弦ほどではありませんが、摩耗はあります。
溝の摩耗したナットは弦高を下げ、ビビリやサスティーン低下などに繋がりますので、摩耗したナットは定期的に交換する必要があります。
・ナットの接着方法
ギターナットは音質面とメンテナンス面との2つの見地から、どのメーカーのギターもたいてい微量の接着剤で固定しています。
木槌でコツンと叩く程度で外れてしまいます。
もしも弦交換時などに外す気がないのにナットが外れてしまった場合は、慌てずに瞬間接着剤などで留めれば復活しますのでご安心ください。
・付け過ぎ注意!
その場合でも接着剤はほんの1,2滴に留めてください。
接着剤を付け過ぎると音質低下や場合によっては外れなくなったり、取り外し時に木部を破損してしまったりする恐れがあります。
くれぐれも付け過ぎには注意しましょう。
自分で接着するのは怖いという方は楽器店やリペアーショップにご相談ください。