見出し画像

2024皇后杯 4回戦「VONDS市原FCレディース vs 静岡SSUボニータ」 超主観的振り返り

VONDS 2-1 ボニータ
【得点者】

VONDS:櫻庭 琴乃(45分)、櫻庭 琴乃(64分)
ボニータ:中島 咲友菜(78分)

2024年12月8日。

静岡SSUボニータは皇后杯 4回戦に臨みました。場所は、2回戦で戦った「藤枝総合運動公園サッカー場」に再び帰ってきました。

相手は関東第1代表のVONDS市原FCレディース 。なでしこリーグ入れ替え戦を戦い抜き、2025年からなでしこリーグ2部に昇格が決定したチームです。

更には3回戦で、今季なでしこリーグ1部準優勝のニッパツ横浜FCシーガルズを1-0で破るというジャイアントキリングを成し遂げて勝ち上がってきた強者。

厳しい戦いを予想していましたが、残念ながらボニータは1-2で敗戦。2024シーズンボニータの公式戦はここで幕を下ろしました。


スターティングメンバー

梅津真央白井未来がスタメンに復帰。
渡辺彩香高島絢音はベンチスタートになりました。


中島咲友菜への期待

VONDSの守備は堅かったですね。さすが3回戦のニッパツ戦でクリーンシートで勝利しただけの実力があるなと感じました。

特に前半はアタッキングサードになかなか入り込めず、シュートに行かせてもらえないもどかしい時間が続きました。

ボニータのエース土屋佑津季はかなり相手に研究されていたと思います。得意のボールを受けて相手DFを突破するシーンを殆ど作ることができませんでした。土屋佑津季にボールが渡る瞬間には、すかさずマークがついて、突破を許さないシーンが続きました。

拮抗した時間が続く中、ボニータは45分、64分と失点。

特に45分の失点はゴール前での混戦で何とか身体を投げうって防いでいただけに悔しい失点でしたね。前半スコアレスで終えていたらまだ違った展開だったかもしれません。

試合終盤は相手は2-0リードを守ろうと引いた形。ボニータの攻撃のシーンが増えます。しかし、VONDSの守りが徹底して堅いことと、ボニータのサイドからのクロス精度もあまり良くなかったことなどもあり、なかなか得点に結びつきません。

それでも78分、梅津真央のパスをうけた中島咲友菜がゴールを突き刺し意地の一点を返します。堅い守りのVONDSを冷静に対処してシュートを放ったのは素晴らしかったです。

これで中島咲友菜は皇后杯三試合連続得点。

今季リーグ戦はエース土屋佑津季の卓越した得点力で勝ち切ってきたボニータでしたが、これに中島咲友菜が更に実力を伸ばしてくると相手は土屋佑津季だけに集中することが無くなるので、ボニータの得点機会がさらに増すと思います。これは良い傾向。来季の中島咲友菜の成長に大いに期待したいと思います。


堅守で対策してきたVONDS

VONDSの実力、特に守備力には目を見張るものがありました。VONDSの川本監督のSNSによれば公式戦三か月ぶりの失点だったそうです。カテゴリが違いますが守備を徹底し、自信を持っているチームであることがわかります。

ここからは憶測です。

スカウティングのしやすさという点ではVONDSに利があったのだと推測します。ボニータのなでしこリーグでの試合は、YouTubeで全てアーカイブが残っておりフルマッチで観られます。ニッパツが敗れた原因の一つにその影響があったのかもしれません。過去試合の材料は豊富です。

対してVONDSの情報は、先般のなでしこリーグ2部入れ替え戦の動画くらい。それ以外の情報は殆ど確認することができません。事前情報量の差はあったかな?と感じます。

もちろんスカウティングしてもVONDSに実力がなければ活かしきれませんので、しっかりとボニータ対策してきたVONDSの実力はさすがとしか言いようがありません。2025年はなでしこリーグ2部で戦うことになりますが、台風の目になると思います。要注目のチームですね。


山田優衣・日野李保 現役引退

この試合直前の12月7日。山田優衣日野李保の現役引退が発表されました。

皇后杯真っ只中での発表で非常に驚きました。

特に山田優衣は今季センターバックとしてほぼスタメン出場し、今試合でもスタメンフル出場を果たしただけに、個人的にはまだまだ現役を続けられるのではないか?と感じていました。

試合後の挨拶では、共にセンターバックとして戦ってきた塩澤優と泣きながら抱擁する姿が。思わずもらい泣きをしてしまいました。

試合前の塩澤優との気合入れも今回が見納め

日野李保は、今季負傷もあったようで、なかなか出場機会がありませんでした。しかし、昨年の2023年なでしこリーグ1部初挑戦のボニータにおいて、ほぼ全試合フル出場を果たす活躍でした(1885分出場。全試合フル出場した塩澤優の1980分に次ぐチーム2位の記録)。

前線やボランチで攻守に身体を張ったアグレッシブなプレーを見せてくれて、私自身勇気をもらっていました。

アグレッシブなプレーで魅了した日野李保

第二のステージでのご活躍を心から祈っています。


来季に向けて

皇后杯敗退により、今季の全公式戦が終了しました。

本田美登里監督、山田優衣、白井未来の試合後のコメントは以下のリンクより。三人ともVONDSの勢いに飲まれたとコメント。今季リーグ戦は失点数ワースト3でしたので、守備の向上で失点を減らすのが課題です。



ボニータの選手、監督、スタッフの皆さんには心から感謝と労いの言葉を送りたいと思います。

今季、本田美登里監督がボニータを率いてくれましたが、監督就任発表は、なでしこリーグ開幕1週間前の3月6日でした。本田監督はボニータを率いた経験はあったにせよ、監督就任即シーズンインの状態でしたので、憶測にはなってしまいますが、序盤は難しいチーム状況だったのではではないかと思います。

昨年の皇后杯は初戦(2回戦)敗退でしたが、今年は2回戦、3回戦を勝ち上がり、WEリーグクラブとの対戦まであと一歩まで迫ることができました。これは昨年よりも大きく成長した事の現れだと思います。

来季も本田監督に指揮を執ってもらって、今季の実力から更に積み上げを図って欲しいです。そして、リーグ戦では優勝争いをし、皇后杯ではWEクラブと戦えるだけの実力をつけて、更なる高みを目指して欲しいと思っています。

最後までお読みいただきありがとうございました。
静岡SSUボニータのファン・サポーターに歓喜が訪れることを願って。

いいなと思ったら応援しよう!