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基盤づくりに挑む ジュビロ磐田 新キャプテン 山田大記

長期的な視点も、短期的な残留も成し遂げられなかった。

山田大記コメント:ジュビロ磐田公式ホームページより

2022年10月29日、ガンバ大阪に敗れたジュビロ磐田は、この日J2降格が決まりました。冒頭のコメントは、試合終了後の山田大記のコメントです。

2022年のジュビロは下位に低迷し、8月に伊藤彰監督を解任してJ1残留を図りましたが、結局は最下位でJ2降格となりました。

山田大記は伊藤彰監督に当初から大きな期待を寄せていました。

ただ自身が負傷により長期間試合に出ることができなかったため、忸怩たる思いだったでしょう。

解任時にはTwitterで惜別のコメントを発信しています。

伊藤彰監督の解任時、そしてJ2降格決定時のコメント。

私は、山田大記がジュビロの将来に対し悲観的な想いを抱いていないだろうか?と本当に心配な思いでした。

でも、それは杞憂でした。

2022年最終節の翌日、noteで「クラブの未来」というタイトルでジュビロ磐田の再建への覚悟を示してくれました。

一方で、私は以下のコメントに注目しました。

J2降格に際し、本来であれば皆さんに「一年でのJ1復帰」を誓うべきなのだと思います。
しかし、今僕たちが皆さんに、そして自分たちの心に誓うべきは『長期的な視点に基づき、J1で上位に進出できる土台をしっかりと作り上げること』かもしれません。

山田大記note「クラブの未来」より引用

ジュビロがJ1で上位で戦える土台が無いことを認め、降格時に多くの選手が目標として公言するであろう「一年でのJ1復帰」を誓いませんでした。

ヤマハスタジアムで応援してきた私も、ジュビロが敗戦を重ねる度に他のJ1チームの力強さと速さに驚きました。

「ここまでジュビロと差があるのか・・・」

そう思わされた試合は数知れません。

ジュビロには戦術が足りなかったのかもしれませんが、そもそも、山田大記が言う「土台」が無かった事を思い知らされました。




2023年、新たに横内昭展監督が就任。

始動初日のミーティングが公開され、横内監督は「基盤づくり」を目標の一つに掲げました。

ジュビロの現在の立ち位置を良く見定めた上での的確な目標だと思います。

そして、奇しくも山田大記が掲げた「土台作り」と一致するものでした。

2023年1月10日のNumber Webによる山田大記の取材では、改めて基盤づくりへの想いを語っています。

「2年前は勝ちながら強くなるということをすごく意識してチームを作りました。結果としてJ2では強いチームが作れたと思っていますが、脆さみたいなものを感じたのも事実。今年は実力があるから勝てるという試合をどれだけ増やしていけるか。勝ちながら強くなるのか、強くなったから勝てるのかは大きく違うし、後者のほうが難しいと思いますけど、後者を成し遂げなければならないのが今のクラブ状況だと思う。難しいチャレンジになりますけど、しっかりと基盤を作って、強いから勝てる、そういうチームになっていきたい」

山田大記コメント Nomber Web(2023.01.10)より引用

2年前というのは2021年のジュビロです。
この年、ジュビロはJ2優勝でJ1昇格を掴みました。

しかし、振り返ってみて、2021年は圧倒的な強さだったか?と問われれば、そうではなかったかもしれません。

最少得点差で何とか勝利を拾っていった試合の方が多かったと思います。

それを山田大記は「脆さ」という言葉で表現したのでしょう。

J1で勝つためには、実力に裏打ちされた勝利を掴んでいかなくてはならないのだと思います。

J1で圧倒的に足りなかった強度や速さ。

そういった基盤をまた改めて作り直す作業を目標としてくれた横内監督との出会いは、ジュビロにとってまたと無い好機と思います。

「土台」「基盤づくり」という点で一致した横内監督と山田大記。

山田大記のキャプテン就任は必然だったと言えるでしょう。

2023年1月23日、鹿児島キャンプ直前のミーティング。
キャプテン決定の様子がジュビロ磐田公式YouTubeチャンネルに【Go on.】episode4として公開しました。

山田大記が改めて強調したのは、2年前とは違うこと。そして、チームの基盤を作らなければいけない事でした。

さらに「一丸」というワードを使い、選手全員の頭の中のイメージを一致させることを語りました。

2年前のジュビロは、山田大記が指摘した「脆さ」は確かにあったかもしれません。

でも、「一丸」という面では、2年前のジュビロも持ち得ていたと思います。「団結力」と言っても良いかもしれません。

J2優勝へ向けて駆け上がっていた時、試合途中、特に終了間際にはベンチの皆が立ち上がり、ピッチ上で戦う選手達に声をかけ鼓舞し続けました。

特に山田大記や大津祐樹などは、「第二の監督」と言ってもいいくらい、ベンチに下がってからも選手達に激を飛ばしていたシーンを思い出します。

ジュビロは「一丸」となって戦うことについては2021年で実績があります。これに「基盤づくり」が伴うことができるならば、実力があるから勝てるという試合が必然的に増えてくるはずです。

更には、山田大記を慕う鈴木雄斗と、次代のジュビロを引っ張っていくであろう上原力也の二人が副キャプテンとして支えます。

横内監督はジュビロの選手やスタッフにヒアリングして人選したと推測しますが、雄斗と力也をサポート役に選んだところは、山田大記との関係性やジュビロの将来を見据えており、短期間でよく見ているものだと感心しました。

ジュビロは既に鹿児島キャンプに入り、基盤づくりを本格的に取り組んでいます。

山田大記キャプテンが率いる新生ジュビロ磐田が無事キャンプを終えて、ホーム開幕のファジアーノ岡山戦に向けて、最高の準備をしてくれることを願って止みません。

最後までお読みいただきありがとうございました。
ジュビロ磐田と山田大記のファン・サポーターに歓喜が訪れることを願って。



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