日本のバスケットボールはなぜ躍進したのだろうか?ホモソ組織からの脱却。
日本女子バスケ決勝進出の投稿の後編です。
近年、躍進甚だしい日本のバスケットシーン。ほんの数年前には、協会のごたごたで国際大会出場を禁じられたり、選手の不祥事も重なり、東京五輪の開催国枠さえ一時は危ぶまれていたのに、この躍進である。バスケ界に何がおこったのだろう・・。そもそも、日本バスケットボール協会の会長って今、誰なんだろう。
そう思い、サイトを見に行って納得した。会長は元バレーボールオリンピック代表のエース三屋裕子だった。
国際バスケ連盟から改革を求められ、2016年にBリーグが発足して以降、それまでの川淵三郎氏から会長職を引き継いだ(川淵氏就任の前にそれまでの理事はみな辞任。川淵氏の誘いで三屋氏は副会長となり、その後、会長職を引きついだ。)いくつか関連記事をググってみたが、やはり、会長が三屋裕子になったことは大きいようだ。
海外での試合中、4人の男子選手が買春した時の処分と記者会見のあり方も、当時の記事によれば、会見時間に制限を設けず、三屋会長だけでなく、選手にも自ら釈明させ、しかし「選手を潰さない」と公言している。
バスケットボールは彼女にとっては専門外のスポーツ。「よそ者」だからこそ、欠点ではなく良いところに目がいく視点を持てたという。現役時代の実績を持つ人間が上層部を占めやすいスポーツ組織の中で、「どういうふうな強化を考えているか」という視点で人材を探し、多くの敵も作ったらしい。
「よそ者に何が分かる」という視点で、建設的な意見も排除していくのが、日本の旧態依然とした組織の悪いところだ。聡明な彼女は、自らがオリンピアンであるからこそ、その弊害を熟知し、本気で改革に乗り出したのだろう。バスケ協会の改革と選手の躍進がどこまで関係しているのかを、胸を張って語れるほど私は近年のバスケ界隈を知らない。けれど、リンクのインタビューを読むと、やはり彼女の改革の功績は大きいとしか思えない。
今回の東京五輪の多くのゴタゴタは日本のホモソーシャルな組織や社会の行き詰まりの象徴だった。しかし、同じ五輪の試合の中にこんな未来への希望も隠れていた。そして、その希望の背景を探ってみたら、日本にはこんなちゃんとしたリーダーもいるということがわかったのである。
このインタビューはJOCの関連サイトに掲載されたもので、三屋氏自身も今年の6月末、JOC委員会副会長になっている。2016年に改革に着手したバスケ協会での実績を買われてだと思うが、遅すぎる・・。最初から彼女がJOCの会長であったなら、今回の東京五輪はどういうものになっていたのだろうか。
でも、日本の旧態依然としたホモソーシャルは、最初から彼女を呼ぶなどということをするはずがない。国際社会から糾弾され、理事全員辞任に追い込まれたバスケット協会だったからこそ、彼女の活躍する余地が生まれたのだろう。ケガの光明みたいなものだけど、今、現役の選手たちは幸運だと思う。
このバスケの成功を見て、旧態依然としたおっさんたちはちょっとは反省してほしいものであります。
私は東京五輪はもともとやらなくてよかった派である。でも、スポーツの素晴らしさや楽しさは分かる。今回の女子バスケを見ながら、かつて自分がバスケをやっていて本当に良かったと思った。今更ながら、バスケというスポーツのすごさに気づかせてもらった。五輪に対してありがとうではなく、女子バスケチームとそれを支えるスタッフにありがとう!
決勝は明日。またすごいプレイを見せて欲しい。
JOCのサイトだから、ちょっと批判的な部分は柔らかめに書いてますけど、リンクの三屋裕子インタビューも読んでみてください。
ただいまお手上げ状態脱出画策中。経済、乳がん、住宅ローン、とりあえず、お金を稼いでゆったり暮らせる状態を作るのが目標。乳がんは特に症状はなく、金欠だし、標準治療してないのですが元気です。