まだ完璧じゃなくても
173cmのよく目立つ私の背。
自分の身長は、割と好きだ。
好きな服が似合う時や、シティポップを聴きながら繁華街の夜を歩く時。満員電車とか。一種の個性として受け入れているから、笑い話にしちゃえるエピソードもたくさん持っている。
最近は私くらい身長が高い人も沢山見る。170cm超えの女の人は、結構いる。嬉しい。
ボディポジティブという言葉も出てきている。高身長は関係ないかもしれないけれど、自分の体を好きになるという点では一緒だと思う。どんな体型でも魅力的だ。みんながそう認め始めている。のかも。言葉選びがここは難しいけれど。
それでもまだ卑屈になることもある。
フリルやリボンが着たかった小さい頃の私は、身長のせいでかわいい服を諦めなければいけなかった。
試着したってサイズがあっていないから、どんどん服屋が嫌いになった。
今、カジュアルな服が好きな私は、可愛い服を着れないという前提に立っていたが故の私だ。
組体操の練習では人一倍膝が黒くなっていった。走るのが苦手なのにリレーのアンカーをやってコケた。
男性のような扱いを受けたこともあった。私だって女の子だったのに。
今でも。
最近、誰かが私のことを「デカい」と言っていることを人づてに聞いた。
きっと悪気は無いのだろう。きっとそう。
傷つけるつもりなんて無いのだろう。
だから傷ついてはいけないのかもしれないけれど。
なんだか泣きそうになってしまった。
男性といるときはヒールは履かない。
そんな自分が嫌になってしまう。
自分に対しても、他人に対しても失礼な自分が。
前向きに生きていたいし、自分のことをまるっと好きになりたい。強い人でありたい。頼られるような、余裕のある強い人になりたい。
そのためには、こんなことで傷ついてはいけないのだろう。こんなことを気にしてはいけないのだろう。
「気にしすぎ」と、言われてしまうのだろう。
でも、まだ、過去の傷も、今の傷も、未来の傷も受け入れるには、私にはまだ、強さが少し足りていない。
きっといつか全部好きになれる気がする。
まだ私は、弱いままでも良い。
そう、自分に言い聞かせている。