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なぜか昨日は一睡も出来なかった。
特に悩み事や心配事がある訳では無いのだが(会計のテストはあったけど)、目が冴えてしまってずっとうんうんしていた。
いや、悩み事はあるのかもしれない。
就職活動だ。
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ついに私もこの段階に来たのかと思う。時間の流れとは恐ろしいものだ。
ついこの間高校を卒業したばかりな気がするのは、コロナのせいだけではないのだろう。
スーツを着て、就職試験の問題を解いて、業界について調べ、インターンシップに参加し…
私はおそらく割と真面目な就活生になっている。
やればやるほど、自分にあるものなどたかが知れていることを思い知る。
思い出せば思い出すほど、自分という人間の小ささを感じる。
それすらも普遍的だろうか。
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手探りで始めた就活だったが、なんとなく自分の人生を振り返って気付いた。
大事にしたいものがいつの間にこんなに多くなっていたんだろう。
いや、元々大事だったものにやっと気づき始めたのか。
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昨日母が事故にあった。
幸い軽い衝突で済んだらしく、外傷もなくピンピンしていた。
事故の状況を嬉々として語る姿はどこか自慢気だったのは気のせいだろうか。
心配して損したとはこの事である。
いつも「気をつけて」と送ってくれる母。
私の無限容量の胃を少しでも膨らませるために、野球部みたいな弁当箱にぎゅうぎゅうご飯を詰めてくれる母。
金ローは飛び飛びでしか見ないくせにラストシーンで誰よりも泣いている母。
私が虐げられた時に誰よりも激昂する母。
父と姉に理不尽に怒られても何も言わない母。
もうすぐ、還暦を迎える母。
そんな母が居なくなるのかもしれないと思った。
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大事なものを守るために早く大人になりたいが、
これ以上大事なものが増えると困る。
ちょうど就活生とは学生と社会人の間の中途半端なとこにいる、本当にしょうもない存在だ。
何も出来ないくせに。何も持ってないくせに。
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歳を重ねるとは、
大事なものと比べてあまりにもちっぽけな自分を見つめることなのだろうか。
だとすれば、どうしろと言うのだろう。
私は、きっとこれからも、ずっと無力だよ。
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昨晩から休ませていない目は、今も冴えている。
せめて、大事なものを大事にするために、自分の身体を使えたら。
優先順位もつけられない私は、無理矢理生きている。