見出し画像

oOコミュニティ相談会第1回 レポート#2 〜J-KISS株について〜


はじめに

oOコミュニティでは、隔週で木曜の12時から、「資金調達・資本政策のお悩み相談会」をオンライン開催しております。この相談会では資金調達・資本政策でお悩みがある方は自由に相談できます。

J-KISS(J-KISS型新株予約権)とは?

「J-KISS」はシリコンバレーで活用されていた「Keep It Simple Security(KISS)」の日本版として、ベンチャーキャピタルの500 Startups Japan(現在のCoral Capital)が2016年にその手法や必要書類などテンプレートを無償公開したコンバーティブルエクイティ(有償の新株予約権)による資金調達の方法です。「J-KISS型新株予約権」と呼ばれることもあります。
資金調達するスタートアップ企業が新株予約権を発行し、これを投資会社が有償で引き受けることで投資が実行されます。将来、企業価値が上がったタイミングなどでこの新株予約権を行使することで株式に転換されることで投資家は株式を手に入れることになります。

引用:https://corporate.ai-con.lawyer/articles/company-basic/21

J-KISS株のメリット・デメリットについて

鈴木「それでは、次はJ-KISS株のメリットやデメリットについてお聞きしてもいいですか?」
星野「メリットは当然、的確な投資が発生するまで株価を設定しなくて済むので、 ファーストのラウンドとしては調達しやすいという意味合いはあると思います。」
星野「デメリットで言うと、結構J-KISS株を知ってない人たちがやはり慣れてないのが日本は多いので、 調達できる先が減ってきたりとかはあります。結構そこはリスクまで言わないですけど、あったりするかなと思います。」

鈴木「知識不足かもしれないですけど、J-KISS株は、一旦は新株予約権みたいな形で入って、それでシリーズAのタイミングでバリエーションを決めるっていう認識であってますか?」

星野「そうですね。シリーズAかどうかは別なんですけど、計画投資っていう、他のVCだったり事業会社が出資するタイミングの時に株価が設定されます。それで、多分 ディスカウント何%ぐらいでとかっていう形になるので、その時の出資金額からディスカウント何%で株価変換できる権利を持つという形になります。」

鈴木「なるほど。その適格投資のタイミングっていうのはどうやって決まるんですか?」

星野「僕も完全に正しいかわかんないんですけど、 このJ-KISSをやった後に、このラウンドで機関投資で資金調達しますというので、発行体側が多分、話をして、J-KISSに出して頂いた方々のも、そこで同意した時点でそのラウンドが適格機関投資のタイミングになるみたいな話だったと思うんです。それで、出す人たちは確かVCとかが入ってないといけない。」

鈴木「それはなんか株主総会とかで決めるんですか?」

星野「はい、そうですね。僕らがっていうよりは、その入る前のJ-KISSのメンバーに対して、承認を取らなきゃいけないんで、臨時株主総会とかをやって、増資の株の枠設定するじゃないですか。 
その増資の枠設定の時に多分承認が必要になります。
なので、ファイナンスかける前にJ-KISSで出して頂いている方々に説明して、承認を得てからファイナンス動き出すっていう流れだったと思います。」

鈴木「それで、そのタイミングに関しては、プシリーズAとかシリーズAとか、会社によってバラバラってことですよね?」

星野「そうですね。」

シード期は普通株とJ-KISS株どちらで入れるのが良いか?

鈴木「次に最近シードラウンドでJ-KISS株を入れるところが増えてきてるとは思うんですけど、 実際、普通株とJ-KISS株どっちで入れるのが良いと思いますか?好みにもよるんですかね。」

星野「それはビジネスモデルとか希望調達額にもよるとは思うんですよね。」

星野「けっこう、開発などの資金を必要なビジネスモデルでやるんだったらJ-KISSとかで、しかも多分準備期間少ないので、初めてやるラウンドだとJ-KISSは良いと思います。」

星野「一応、契約書の雛形が決まってるじゃないですか。なので、初期投資の段階で意外とリスクは比較的抑えれたりするので、シードラウンドで急ぎで、金額もそこそこであればJ-KISSを使っていいと思います。」

星野「普通株でやった時は優先株と違ってバリエーションをそこまで上げれなかったりもするので、 そのビジネスモデル上、どのぐらい調達を初回しなきゃいけないかにもよります。」

星野「普通株だと決まりきった法務の手続きで定款も別に変更とかはかけなくて増資できるので、 そういう意味合いだと知識なくてもできるという意味の普通株は良いと思います。
J-KISSでやる場合は知識がいりますし、相手方にもある程度の知識っていうところの
制限があるかなと思います」

鈴木「企業家側もある程度知識がないと結構不利な契約とかになりそうです。」

鈴木「でも、今だと基本的にはベンチャーキャピタルは種類株で出すのが一般的で、おそらく、普通株で出すっていうのはあんまりないですよね。」

星野「今は少ないですね」

鈴木「エンジェル投資家の方は大体、普通株なんですかね?」

星野「エンジェルは、すごく慣れてる人は全然、優先株で出すとかもあります。
J-KISSでやる人はあまりいないかもしれないですけど、 リードVCが他にいる話だとありえるとは思います。
純粋なエンジェル投資家の人、 そんないっぱい投資してる人じゃないと普通株のケースが多いと思います。」

鈴木「先ほどの適格投資のタイミングでバリエーションが決まって、仮にダウンラウンドになった場合は、その最初に出資したお金はどうなるんですか?」

星野「最初に出資したお金は変わらないです。持ち株比率が下がるみたいなことにはなりますけど、結局、株価がついたっていうだけなので、転換した時の持ち分比率が当初よりも下がる可能性があるとかっていう意味合いになってるだけです。なので、入れてるお金がどうこうみたいなのはないですね。」

鈴木「なるほど、そういう事なんですね。」

星野「逆に言うとキャップとか決めるはずなので、出す側は当然、株価がつきにくいからJ-KISSを使ってるんで、 その振れ幅の中で了承する形になると思います。」

まとめ

  • J-KISS株のメリットは適格な投資が発生するまで株価を設定しなくて済むので、 ファーストのラウンドとしては調達しやすい。

  • デメリットは、J-KISS株を知ってない人たちが慣れてないのが日本は多いので、 調達できる先が減ってきたりとかはあります。

  • シード期は普通株とJ-KISS株どちらで入れるべきかは、ビジネスモデルとか希望調達額にもよる。

oOコミュニティについて

oOコミュニティは、経営者(これから経営者になる方を含めた)のオンライン中心のコミュニティです。
知りたい情報を聞けて、学べて、語り合える。ビジネスのヒントになる最新の情報とも、自然と出逢えます。
oOコミュニティのDiscordの参加はこちらから。
https://discord.gg/EFpnaYhHCg

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?