日本の財政破綻論ビジネス(俺の海外銀行撤退記)
海外銀行口座開設
20年くらい前、日本は財政破綻して円は紙くずになる、という内容の本を読んで真に受け、海外に銀行口座を開いた。色々調べて、当時の自分には不相応なくらいドルを送金して、それはそれで勉強になった。
その後、仕事を忙しくするなどして放置していたら、長期間取引がないということで、いつの間にか休眠口座にされてしまった。そういう預金を有効活用するため、特別のファンドに組み込まれるようだが、自分で自由に使えなくなってしまうので大いに焦った。
解約・撤退
休眠口座とはいえ復活できるらしく、連絡をとってみたら解約を案内された。解約しなくてもいいのかもしれないが、日本は財政破綻していないし、取引を活発化させる予定もなかったので、そのまま解約することにした。
新しくパスポートを作ったり、色々な書類をそろえたり、ややこしい手続きもあったが、3か月くらいかかってようやく解約できた。預けていたお金はファンドから引き揚げて、日本の銀行に送金してもらい、撤退完了となった。これもこれで勉強になった。
財政破綻論ビジネス
日本が財政破綻するというのは、財政赤字をこのまま放置すると日本がデフォルトを起こすというものだが、そのような本を読んでから少なくとも20年、これは起こっていない。俺が読んだのは浅井某という人の本だが、その本のタイトルは2004年に日本は財政破綻する、というようなものだった(正確なタイトルは忘れたし、2004年ではなかったかもしれない)。
その頃はこの人の本をよく読んでいて、心配もしていたが、その後どんどん財政赤字が膨らんでも、日本は一向に財政破綻しない。本は2008年、2010年のように時期をずらして、ひたすら財政破綻を予測し、現在も同様のシリーズが刊行されているようだ。しかし、こうなってくるともう単に不安を煽る財政破綻論ビジネスといえまいか。
「FACTFULNESS」という本に、人々は不安な事柄に目が向くのでメディアは好んで不安を煽る、というようなことが書いてあった。財政破綻論もその一種で、もうビジネス化しているのだろう。読み物として楽しむのはいいが、最近は財政破綻論を否定する言説も多くなっている。
世の中、何が起こるか分からないので、日本が財政破綻することもあるかもしれない。ただ、その場合でも、今言われている財政破綻論がそのまま現実化したものにはならないのではないかと思う。
ちなみに、上に挙げた「FACTFULNESSS」は、冷静に物事をみることができるようになるいい本だ。