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035 自足自給
自給自足は傲慢(ごうまん)から
自給自足といえば、夢の生活といったイメージもあるが、その逆に社会からの落ちこぼれ、社会貢献をしない不届きもの、といったイメージも少なからずある。ことばの意味は時代により変化している。使いはじめられたのは初出の文献からわかるが、それは知識人など一部の人たちに限られている可能性が高い。その言葉と意味が社会的に認知されたのはいつからかとすれば、辞書で意味の変化を知るのがいいのではないかと考えている。辞書にのれば一応認知されたものと割り切っている。
自給自足の語源であるセルフサフィシエンシーについて調べたく、英語の辞典を調べてみた。英語の辞典で、歴史が長く、たびたび改定・見直しがされている辞書といえば、ウエブスターの大辞典しかみつから無かった。そこでウエブスターの大辞典で調べたセルフサフィシエントについて勝手に意訳したものを示せば、
1828①自惚れ
1890①自足②自惚れ
1909①自給自足②自惚れ
1934①自給自足②自惚れ③自足
1961①自給自足②集団自給③自足④独立⑤自惚れ
であった。自己充足という字面にたいして、もともとは自惚れという意味で使われていた。「自惚れ」とは「自らに惚れる」という表意しているが通じている意味は「傲慢」である。日本では経済学から来た集団の自給自足は、戦後の1961年版からであり、日本より記載されるのが遅い。集団自給の意は手持ちのショーターオックスフォード英英辞典の三版1956年版にも記載がない。
現在の日本語の自給自足は、自らの必要なものを自らまかない自ら満足する意だが、いずれ自惚れとか独立という意味も載ってくるだろう。それは自給自足は自満であり、自満は自惚れであるし、自給自足の意志には独立があるのだから。
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