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博士と過ごした無駄な毎日

コンカリーニョのセット

初演を琴似のパトスで見て、けっこう感動した演劇「博士と過ごした無駄な毎日」がコンカリーニョで再演とのことで見に行きました。
町田誠也さんが作・演出であるのでどこを変えてくるのかも楽しみのポイント。
初回のキャストと変わらず、
袖山このみさん(劇団 word of herarts)
飛世早哉香さん(in fhe Box/OrgofA)
服部一姫さん
温水元さん(満天飯店)
本庄一登(演劇家族スイートホーム)
5人で演じておられました。

「木製戦闘機キ106」が北海道の江別の軍事工場で製造されていた事実からこの物語は作られました。
女子工員の手を借りて製造されていた木製戦闘機の存在は北海道の人間でも知られていません。
軍事に関係することは国からの命令で戦後すぐに燃やされてしまっているので実は隠されている事が多く、戦後かなり経ってから明かされることが多いようです。
江別の早苗別川の河岸から1994年7月18日に史料が発見。江別資料館に展示されています。
飛行場跡も残っているんですよね。
ほぼ事実を元に作られた今回の演劇を知人に見てもらいました。
北海道空襲の事。
軍事工場の場所や内容。
私たちは長いこと住んでいるのに知らない事ばかりで申し訳ない気持ちになります。

演劇は「知らない事」「難解で自分一人だけでは紐解けない事」を大勢で読解しているのでわかりやすくストレートになっている事が多いです。

戦闘機を組み立てることを請け負っていたのが王子製紙。(木繋がりなのかな?)
滑走路を作っていたのでアメリカ軍にばれてしまって攻撃を浴びて試験飛行で終わってしまう木製戦闘機。
でも試験飛行で飛んでいる事に成功しているには驚きですよね。
陸軍の二式単座戦闘機を量産しようとしていたのです。
もし、本当に量産に成功していたら江別の町は室蘭のようにもっと攻撃されていただろうなと予測します。
本州(中島飛行機武蔵野)から」エンジンが、浜松から(ピアノメーカー)から桁材が、他の部分の江別に輸送されて組み立てられていたのです。
室蘭も同様に戦車を組み立てており、北海道は軍事関係の工場が点在していて、北海道空襲においてもアメリカ軍はそれらの軍事工場を狙っていたようなので、軍事目的の場所を持たない事が狙われない事であるという事にも気が付かされます。
(日高の漁村でアメリカの戦闘機を目撃している人の話を聞いたのですが人を見ても素通りだったとの事)

戦争の事を過去の事とせず、これらの事を考える為にも演劇を観る事は大事なことだったように思えます。

来年2025年には江別公演。
江別でも観劇できたら良いなと思っています。

舞台から飛んで来た紙飛行機はサイン入り


役者さんも皆さん、ベテランで安心感がありました。
飛世早哉香さん、何度見ても演技が完璧で感心する役者さんです。
基本的に温水元さんのファンなので、上演後に「ファンなんですー!」と声をかけられて良かったな。

温水元さんと町田誠也さんは弦巻楽団の「ファーンズワース・インヴェンション」に出演されるので是非駆けつけたいが、11月は演劇の日程を組むには大変な事になっております。

何度も上演して欲しい作品がまた一つでした。

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