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きをみずもりをみる

札幌演劇シーズン2024。
始まっております。

札幌座さんの「西線11条のアリア」。
劇団fireworks「沙羅双樹の花の色」。
観劇終了、公演期間も終了しております。
「西線11条のアリア」は札幌座のベスト作品だなあと思いました。
流石、札幌座。
チケットが次々と売り切れておりました。
劇団fireworksさんは大人数で圧倒される殺陣が迫力ある時代劇ものでした。

昨日見ました、パスプア「きをみずもりをみる」。
今回はこちらを観劇して感想を述べていきたいと思います。

始めてみるパスプアですが、
何度か見たことのある役者さんがそろってます。
yhs曽我夕子さん、最上玲香さんはなんかどこかで見たことがあるような。

温水元さんは年に何度も舞台で拝見します。

温水さんだけが若手ではないのですが、他は若さが売りの劇団なのかもしれません。

演劇の題材も「生きるとは、死ぬ意味とは」と若いからこそ時代を基軸に流されながらもに感じた「現代における命の重さ」あたりが素材であったと思います。

物好きなので脚本も購入してきました(2000円)。
演劇は四部構成なのですが、二部目がコンテンポラリーダンスで舞の意味が書いてあるとあったので興味があって持ち帰りました。
コンテンポラリーダンス、好き。
俳句を作っているとどうしても「言葉だけの力」を武器にしてしまうのですが、真逆の体だけを武器に訴えてくるから。

公演もまだまだ残っているのでネタバレはあまりできないのですが、一部目はSFを思わせる内容でしたし、三部目は温水会長(役名は篠崎)の葬式についてが空しく討論され、四部目は「ハッピーエンドセンター」(皮肉な名前である)で働く公務員の二人がどんどん仕事をしていく話になっています。

現代社会における若い人の生きる価値観が深く表現されており、ブラック企業で働いて最低賃金で生きていきていく現代の過酷さを表していて、最低ラインの文化的な生活が出来ないなんてゾンビみたいなもの。それじゃ自殺なんて減る訳がないじゃんと若者の目線で訴えているのがこの演劇の秀逸なところであるようです。

現代の政府が若者に課している労働の意味をしっかりと考え直さなければ、若い人達が生きる意味を見出せないのだと社会を上げて見直さなくてはいけないターンだと訴えてくる舞台になっております。

平日20時から開演なのは皆さん会社員として働きながら舞台に立っているからでしょう。チケットに余裕があるそうなので、もしお時間がある方いらっしゃいましたら、是非見に行ってください。

四部構成なので見ごたえがあります。

脚本・演出・音楽の小佐部 明広さんは2015年「瀧川結芽子」で若手演出家コンクールで優秀賞を取られておられるそうです。

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