《アンダースロー考察2》投球フォームについて
はい。こんにちは。
アンダースロー考察の第2回目です。
今回はアンダースローのフォームについて、僕が認識していることを記載したいと思います。
例として、僕の投球フォームの画像を用いて、良い点と悪い点、アンダースローのポイントとなる点を整理します。
(プロの投球フォームの解説はたくさんあるはずですので、有用な書物等をご覧ください。実戦している素人が中々解決できないことや、気をつけなければならないことに重点をおいて記載します。)
まずは解説無しで、僕の投球フォームをご覧ください。ちなみに、ボールを握っていないのと、足腰が弱っているので、実戦の投球フォームとは多少異なることをご了承ください。
はい。
「お前、なんでピンクのスリッパやねん!」っていうツッコミは置いといて、部分的にコマ割を進めながら考察していきましょう。
○まずはセットから足を上げるモーションまで
※僕はランナーなしでもセットから投げます。(理由は本回では割愛します。)
見ての通り、ここまではオーバースローなど、他の投法と変わりませんね。
意識していることは、まっすぐ上に足を上げる事だけです。次の動作に進めばわかりますが、僕のアンダースローの場合、まっすぐ上げた足をまっすぐ下におろすモーションになります。
上げる左足は右足側に引き込みすぎないようにしています。右足側に余計に引き込むと、足をおろしていく際に、まだ始めてはいけない横の体重移動が発生する可能性があるので、真上に引き上げます。意識としては”足を上げて下げるだけの(上下にプラスマイナスゼロ)”の動作のみを行っているイメージです。
ちなみに、この足を上げた頂点の状態で、じっと姿勢が維持できるくらいの下半身の筋力やバランス感覚が最低限必要だと思っています。
ここでフラつくと、次の動作で無駄な横ブレが入ります。
○足を下ろしながら上半身を倒すまで
体重移動は真下です。
キャッチャー方向に進みたい感覚を我慢しながら、足を下げつつ、上体も倒していきます。ボールを握った手は下に向いていて、ほぼ力が入っていません。テイクバックで力むと負荷がかかりすぎるので、右腕は垂らしていくイメージに近いです。
アンダースローの場合、ヒップファーストで落ちません。ただ、左足はかかとから進入するイメージを持っています。
これは、この写真の四枚目で一番窮屈な姿勢を取るためです。
オーバースローの場合、「重力+進行方向への体重移動」でパワーをためますが、アンダースローの場合、「窮屈な姿勢+進行方向への体重移動」でパワーをためます。
※後から気づきましたが、右足が開いていますね。右足は通常プレートに右側面を添えます。右足が開いていると、プレートを蹴ることができません。細かいですが注意すべきです。
○体重移動開始からテイクバック序盤まで
体重移動はキャッチャー方向にだけスライドするイメージです。
このモーションで一番悪い点は左足の開きが早過ぎることですね。左足の接地時には、もちろんキャッチャー方向に向いて足を下ろすわけですが、左足の太ももの開きは粘りがある方がいいと思います。(開くと力が早く逃げてしまって、コントロールが定まらない・球速が落ちるの二重苦です。)
窮屈な姿勢を長く維持しておきたいので、締めれる部分は締める方がいいと思います。僕はこれが苦手でした。(クセが治らない!)
右手のテイクバックは小指から引き上げる動作です。僕の場合は極端に小指から引き上げています。
体重移動中とテイクバック時点では、左肩を意識しています。左肩はギリギリまで開かないように粘ります。前方に踏み出すと、身体が苦しいのでどうしても(起き上がりたい)(肩を開きたい)感覚がありますが、僕は左肩を開きません。
前述した「踏み出しの足が開くクセ」があるので、上体で補正してる部分もあると思います。
○テイクバックから手首が返る手前まで
この一連の1コマ目の画像が、投球の勢いを伝え始める直前の力加減がゼロの位置です。
1コマ目の画像を見ればわかりますが、両肘のラインはまっすぐではありません。
悪い点として、準備状態で両肘を引きすぎだと思います。次の動作に繋がる際に、遅れて出てくる右腕を無理に引き寄せようとすると、肩と脇腹に負荷がかかって怪我に繋がる場合もありますので注意が必要です。
※ただし、僕の身体の特性として、肩関節がかなり柔らかいです。可動域が広いので、腕が遠回りしても投げづらくなるなどの弊害は起きませんでした。
2コマ目から一気に投球動作に移ります。左足のステップ完了時点から、一気に左肩(左肘)を引き上げます。
このとき動作しているのは上体だけです。
勢いの壁になっているのは左足の付け根で、左肩を極端に先行させることで投球モーションのきっかけを作っています。
○腕振りから手首が返るまで
コマを追っていただければわかりますが、下半身はステップ後から同じ位置を維持しています(特に左足)。
アンダースローの回転の軸は左足の付け根を意識するといいと思います。広島東洋カープの西川選手が自身の打撃を「でんでん太鼓ですよ」と表現していましたが、僕のアンダースローもでんでん太鼓のイメージです。
左足がでんでん太鼓の軸になり、腕が振り回されてくる感覚に近いです。
これに加えて上半身の動きは「オーバースローの腕振り」と全く一緒で、「ただ上体が傾いているだけ」です。この理論はまんま山田久志さんの感覚と一緒です。
アンダースローだからといって、腕振りの動きは変わりません。4コマ目で確認いただくと、リリース時の肘の角度がおよそ90度なのが分かると思います。
ということで、前述した下半身の回転と、上半身の腕振りによってアンダースローになります。
(2〜4コマ目で手首が返りますが、この瞬間にリリース時の手首の角度が決まります。ストレートや変化球を投げる際に重要になる手首の動きは別記事で詳しく考察します。)
○腕振りからフォロースルー
ものすごく悪い例ですね。
リリース時に、まだ腰の回転が完了しきっていません。
左足の付け根を軸にして、最初に回転するのは腰です。腰が回転して上体がついてくると、肩肘を通して腕振りに力が伝わり、最終的にボールに勢いが伝わります。
したがって、起点である腰の回転が甘いと、不自然な腕振りになったり、肩肘の力に頼ったりしてしまうことがあります。これが深刻化すると、身体の動作より先行して肘や肩を回すようになり、怪我に繋がる恐れがあるので気をつけた方がいいと思います。
リリース後の体重移動は、完全に左足に乗りきって、打者に正対して投球を終えます。
(以上でコマ割り解説は終わりです。)
僕のフォームで唯一の良い点を挙げるとするなら、目線の位置だと思います。
上体を落としきったあとからリリース時点までで、顔の位置は地面と平行に動いているだけで、ほぼ上下動をしていません。
これは実際に投げると分かりますが、アンダースローの場合、視線が上下動すると本当にコントロールが付かなくなります。
下半身に筋力がついて、アンダースローに慣れてからは、上下方向へのコントロールミスはかなり減ってきます。単純にフォームが安定してくるのだと思います。
アンダースローのコントロールで難しいのは、左右のコントロールです。(現に僕の与死球数は周りの投手含めてダントツで悪かったです。)
○補足
この画像ではステップ幅が実際より一足分程度短いです(撮影場所の問題で。普通に踏み込むと落ちちゃうので)。
実戦ではもっと沈み込みます。試合後にユニフォームの右膝部分が、マウンドの土で真っ黒になるくらいの位置で投げていました。
(僕は高校時代に、投げ過ぎと腰の回転のクセが抜けず、肩を痛めたことがあり、ノースロー練習〈毎日10キロ走と短距離走ばかりの練習〉をしていました。これが不幸中の幸いで、かなり下半身が強化されたようで、モーションの上下動が少なくなりました。)
とはいえ、下半身を落として、上体も倒して投げるのはめっちゃキツイです。(渡辺俊介選手は「投球時にマウンドの土に指が擦ることがある」とか仰ってますが……通常の身体では到底耐えることができません。渡辺俊介選手はリリースポイント地上0cm。おそらく、高校野球時代の僕で20〜30cm程度だと思います。)
アンダースローの欠点はスタミナです。
試合後には下半身がガタガタになります。1試合、同じ投球フォームで完投できるようになるにはものすごく時間がかかります。下半身がダレてくると上半身に頼って故障につながります。
まあ、そもそも僕がアンダースロー遊びをしていたのは小学生の頃ですけど……。読者の方が、遊びでアンダースローを試すのはいいと思いますが、故障にはくれぐれも気をつけて下さい。
ということで、第2回はこのあたりで終わります。素人のフォームなので参考になる部分は少ないかもしれませんが、注意点の整理として読んでいただけたら幸いです。
真似をするのなら、渡辺俊介さんとか山田久志さんとか、有名なアンダースロー投手の真似っこをしてみるといいと思います。
野球って、真似っこ遊びから始まる楽しいものだと僕は思ってるので。
おしまい。またね。
僕の書いた文章を少しでも追っていただけたのなら、僕は嬉しいです。