スマホと弁当:大江健三郎の『死者の奢り・飼育』を読んで
会社の昼休みに弁当を食べる。箸をにぎった手でそのままふたを開け、箱につめられたご飯を箸の先でちいさく区切り、ひとつを掴んで口に運ぶ。
同時に、左手でスマホを開き、ツイッターを見始める。何を見ようとするわけでもなく、目に飛び込んでくるツイートを流し読みする。
ご飯を箱の半分ほど食べたところで、ふと米粒のかたまりが、箱の外に落ちているのに気づく。
新潮文庫の『死者の奢り・飼育』(1959)は、大江健三郎の最初期の短編を集めた作品集である。
読書会のために、読んでみた感想をまとめ