斉藤由貴とバックトゥザフューチャーの共通点
「最初の晩餐」っていう映画見たことあります?
父親の葬式で配られるはずの料理が届かない。娘が慌てて仕出し屋に連絡すると「キャンセルと伺ってますが?」という返事。「どういう事?」と疑問に思う娘に投げかけられた母の言葉。
「お父さんのお葬式の料理、全部私が作るわ」
まず運ばれて来たのが目玉焼き。お葬式なのに目玉焼き。それを食べて気づく息子。
「あ。これ、あの時の目玉焼きだ...」
父親の葬式でふるまわれる母の手作り料理。そのすべてが家族の記憶の中にある「あの日」の料理。それを食べるうちに「あの日」の思い出、「あの日」の記憶、「あの日」の気持ちがよみがえって来る、っていう映画。
これ見て号泣した覚えがあるんですけど、今日はこの映画のおすすめポイントをお話したいと思います。
まず特筆すべきは、ストーリーの上手さ。
お互い子持ちで再婚した家族。別々に暮らして来た二組の家族が初めて食卓を共にする。そこに登場する味噌汁。
「あ。」
「この味噌汁いらない」
今まで味わってきた白みそ、ではなく赤みその味噌汁。「お母さんの白みそがいい」と、それを拒む父の連れ子である娘。
次の日「これなら大丈夫でしょ。」と白みその味噌汁を出す母。
すると今度は「この味噌汁いらない」と拒否する母の連れ子である息子。
別々の家庭で育った子供たちがひとつ屋根の下で暮らす。味噌汁を通してお互いの居心地の悪さを表してます。
あくる日も、次の日も、気まずい空気は続き、業を煮やした母が出した結論。
「今日からはこれしか作らないって決めたから。食べるも食べないもあなたたちの自由よ。」
出された味噌汁は「白と赤の合わせ味噌」。
二つの家族がひとつに合わさるための「合わせ味噌」。この時点でもうウルっと来たよ。
そして次のポイント。料理がみんな美味そう。
味噌汁。焼き魚。目玉焼き。家庭料理だからフツーの、なーんでもない料理なんだけど、美味そう。いやだぶん逆に、普通だからこそ美味そう。
そして何と言っても母親役である斉藤由貴さんの演技力。
物語の後半で、夫に先立たれた母が子供たちにある告白をするシーンがあるんですけど、そこを見てる時に「ふっ」と疑問が浮かんで来て、その理由が分かった瞬間に戦慄が走りました。みなさんも一緒に考えてみて下さい。
斉藤由貴さんが演じるお母さんのセリフ。
「ホント、ごめん、バカだな、って。ホント、あたしってバカだなー、って思う...ホント、ごめん、、なさい」
あれ?このシーン、前にも、見た事あるぞ?
何の映画だっけ?
絶対見たことある。
あ!
違う!映画じゃない!
あれだ!あれだ!記者会見だ!斉藤由貴さんが不倫したときの記者会見だ!
「ホント、自分でも、バカだなー、って思います。。。」
うわ!
わわわわ!
うわわわわわ!
斉藤由貴さん、演技と現実が重なってるよ!
記者会見の時に演技してたとかウソ泣きしてたとかではなく、記者会見も現実、映画の中でも現実、どっちもホントに心のそこから「あたしって、ホントに、バカだなー」って思ってる。現実と虚構の壁が崩壊してる。すべてがリアル。
かつて名優・勝新太郎が大麻で逮捕された時、記者会見の前に「今日の客入りはどうだ?」って聞いたエピソードを思い出す。
この映画を見て確信しました!この場を借りてお伝えします。
大女優・斉藤由貴さん。数々の映画、ドラマに出演し、数々の名演技を見せて来ました。が!一番の名作は何か?そう!記者会見です!
「斉藤由貴の代表作は記者会見」
みなさんも覚えて帰ってください。ではご一緒に。
「斉藤由貴の代表作は記者会見」
「そしてその記者会見は三部作」
「パート1は尾崎豊、パート2は川崎麻世、パート3はお医者さん」
そう!バックトゥザフューチャーと斉藤由貴は三部作!
よい子のみんなー。覚えてくれたかなー。
では!また来週ー!
★金谷ヒデユキ
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