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お受験、塾選びはどうする?(その3)

元お受験ママ、カナヲです。
このノートは少しでもお受験に挑む家庭のお役に立てればと書いているものです。
この記事は連載8回目です。

前々回、前回の続きです。
今回は大手塾ならどこがいいのかというお話。

大手塾はジャック・伸芽会・理英会・こぐま会・わかぎりの名前を出しました。

塾に求める条件


これらの中のどの塾か、の議論の前にまず、条件を整理しておきましょう。

・場所
・曜日・時間
・費用

まずはこの3つは絶対に無視することができない条件ではないでしょうか。

場所はとてもとても重要です。
年少時の総合クラスはできれば30分以内に通えるところが良いですね。
遠ければその分、家庭学習の時間が減ったり生活そのものの余裕が減りますので、なるべく近いお教室に入会することをお勧めします。カナヲも徒歩圏内のお教室でした。

年長になると志望校別クラスが始まりますが、自宅近くの教室で開講していないという場合も多いかと思いますが、そこはある程度仕方ありません。

むしろ志望校別クラスは実際に学校のある場所からアクセスの良い立地の教室で行うことがほとんどですので、そのクラスに通えない距離ならば、学校にも通えないということです。年長時は頑張るしかないでしょう。

曜日と時間は共働きかどうかによってかなり条件が変わります。
お受験をする家庭は残念ながら(?)専業主婦の方ご家庭が非常に多いです。
塾にいた時は6割程度が専業主婦、小学校に入ってからは7割程度が専業主婦という印象です。
学校に入ってからの方が専業主婦率が高いのは、やはりお母様の時間がとれる方が優位だという現実の現れかと思います。

そうは言っても、働くお母様もどんどん増えてきています。
しかし働きながら通塾させるとすると、もう土日しかありません。
(現在はコロナによる在宅勤務が一般化してきていますので、送り迎えのみ平日に行くのは可能になワーキングマザーもいるかもしれませんが)

そうなると土日にクラスがあり、自宅から近い塾ということになってきます。
これでだいぶ候補は絞れるのではないでしょうか。

最後に費用
これに関してはクラスの受講の仕方にもよるのでどこか高い安いというのは、判断の難しいところではあります。

一般的には伸芽会が一番高く、ついでジャック、理英会の順番だと聞きます。
しかし伸芽会とジャックでは講座の内容に違いがあるため、実際は単純比較はできない構成になっています。
伸芽会は総合クラスはまさに総合で、全ての科目を含みます。
しかしジャックは体操や絵画やペーパーなどのクラスを組み合わせて履修するシステムになっていますので、伸芽会の総合クラス分の全てを履修するとジャックの方が高額になります。(が、合計時間も長くなるのでそこでも単純比較はできません)

ここで叩かれ覚悟で申し上げますと、月に数万円程度の差を気にするならば小学校受験で難関私立を目指すのは難しいかもしれません。
夏期講習や直前講習は本当に万札が帯を巻いたまま、翼を生やして飛び去っていきます。
何にいくらかかったか把握できないスピード感でお金が消えていきます。

どの塾に入るかを費用の面で比較して悩んでも、ほとんど意味がないということに年長時に気づくと思います。
費用はもちろん大事ではありますが、場所と曜日・時間の条件の方を優先して決めるのが賢い選択とカナヲは実感しております。


授業の内容

ここまでは通塾の物理的条件を元に考えてきました。
しかし大事なのは塾で教えてくださる内容ですよね。

正直申し上げます。
どの塾も授業内容に大した差はないと思います。
いい意味で大手塾は大量生産品といいますか、マニュアル商売です。
他の塾に劣ったりすることのないようにカリキュラムは毎年作り直されています。
どこの塾に通っても、そこでいかに頑張れるかだと思います。

しかし、先生との相性はかなり影響があります。
子供と先生、親と先生、両方の相性が良く、こちらのニーズや考え方を尊重しつつも新しい提案や厳しいアドバイスもしてくださる先生との出会いが受験を大きく押し進めます。
親子ともどもに信頼関係を築ける先生を探してください。
先生は神ではありませんし、逆に我々の召使いでもありません。
人間対人間として、いい関係になれないと難しいと思います。

同じ先生でも、人それぞれ評価は本当に分かれます。
厳しくもきめ細やかにご指導いただけた、と感じる方もいれば、感情的に叱るヒステリーな先生だと評する方もいます。
先生の方としても内向的な子に積極性を持たせることが得意な先生と、少々乱暴な子を落ち着かせることに長けた先生、ペーパーの難問を教えるのが上手な先生、基礎的な理解を定着させることに定評のある先生・・・本当にさまざまです。

大手のように指導マニュアルがしっかりある所でも、先生との相性は生命線です。
もちろん相性だけではなく、先生の力量も均一ではありません。正直、説明が上手ではないと感じる先生もいらっしゃいます。
場所や時間などの条件が合っていても、先生がイマイチだと感じたら転塾、もしくはクラス変更を検討した方が良いと思います。

塾との相性

あと、もうひとつ。
塾のシステムとの相性も重要です。

一番の違いは「参観システム」です。
ジャックは完全参観制というのが大きな特徴です。
全ての授業を教室内で見ることができるシステムです。
見ることができる、というより「見なくてはならない」に近いシステムです。

参観はお母様によってその評価が本当に分かれるところです。
ジャック出身で志望校合格を勝ち取ったお母様は、参観制だったからこそ家庭での取り組みも効果的にできた。と皆様おっしゃいます。
しかし、伸芽会等の母子分離型の出身の方は、母子分離のおかげで実際の考査で実力を発揮できたと考えていますし、また参観制は自分には耐えられなかっただろうとおっしゃいます。
(ちなみに伸芽会は全く参観できないわけではなく、定期的に参観日が設けられており、ペーパーの授業だけは教室内で見ることができます。)

参観なしの母子分離型ですと、送り迎えにさまざまなパターンで対応できるのも特徴です。

・送りはアルバイトの方を頼んで保育園から塾に連れて行ってもらい、お迎えは父母どちらか。
・送りはおばあちゃまでお迎えは父母のどちらか。
・送りと迎えで父母が交代
・送ったあと、カフェ等でリモートで仕事をしてからお迎えに行く

このように動くことができますので、共働きの家庭ですと母子分離型が向いていると言えます。
また、先に挙げた伸芽会ですと、大きな校舎では保育所が併設されており、そこに預けるとそこから塾に連れて行ってくれるシステムもあります。

お子さん視点で言いますと、参観型はいつもお母様がそばにいるので安心してお教室で学べるのが良いと感じる方もいれば、甘えてしまって集中しない、実際の入学考査で親がそばにいないことに動揺してしまう、など良い面悪い面の両方あります。

まとめますと、参観型はかなり時間に余裕のある方、またお子さんの失敗等を間近で見てもイライラしない方に、分離型は時間が厳しい方、塾にお任せした方が平穏でいられる方におすすめです。
お子さんとしては甘えん坊さんはむしろ分離型が良いかも知れません。

塾選び、次にも続きます。

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