アラスカからの来訪者
雨上がりの朝、ふと窓の外に目をやると、チラチラと動くものが。
「コレア」だ!
コレアは、冬になるとアラスカから遥々飛んで来る小さな渡り鳥。
約5千キロもの大海原を、休むことなく飛び続けてハワイまでやって来る。
その華奢な身体の一体どこにそんなエネルギーがつまっているんだろう。
彼らの言葉を身につけて、いろいろ聞いてみたい。
「どうやってハワイを見つけるの?」
「迷わないの?」
「疲れたらどうするの?」
「大海原の上を飛ぶのってどんな気分?」
コレアは、一度落ち着く場所を決めたなら、毎年、同じ場所に戻って来るんだそう。
「君、去年の冬も来てくれた君なの?」
このアラスカからハワイへの往復、とある研究によると少なくとも12万年前から続いているそう。
彼らが一体どうやって方角を見定めているのかは、今も謎に包まれたまま。
太古の昔から続く営みが、今、自分の目の前で繰り広げられている神秘に思いを馳せる。
雨露に湿った土をせっせとつつきながら、食料探しに忙しそうなコレア。
食べて、食べて!
いっぱい食べて、元気をつけて。
一冬過ごす、憩いの場所に、わが家を選んでくれてありがとう。