現代の遊牧民は、うめぇと茹でた豆を食う。
皆さんは、土地に想いを寄せることはあるだろうか。
私はいま、故あって英国に住んでいる。以前はグアテマラだったり、メキシコだったりに住んでいた時期があった。ちなみに会社のメンバーには”タコス”と呼ばれているのだが、それはまた別のお話。
両親は高校の同級生で、実家から徒歩圏内で家庭を持った。姉は某私鉄を生涯かけて利用しており、みんなめっちゃ地元っ子だ。私が育った場所は東京であるがそういう町だ。
そんな地元を離れたのは社会人1年目のとき。小江戸・川越の観光地に移り住んだ。ぶっちゃけめっちゃ寂しくて、ビレバンで地元のステッカーを買って部屋に貼っていたこともある笑。
今はどんな感じかというと、土地に関連したアイデンティティがめっきり減衰してしまった。英国に愛着は全然といっていいほど沸いていないが、羊がメェメェ鳴いている草原は涙が出るほど美しいし、日本はもちろん自由が利くけど、一番恋しいのは成田空港に着いた最初のコンビニおにぎりだったりする(ノリうますぎる)。グアテマラにいたときからこんな感じで、日本食にありつくために数時間かけて町を移動する友人もいるなか、私は茹でた豆をうめぇうめぇと食っていた。
遊牧民族がどんなアイデンティティを有するのかはわからないが、私は現代版遊牧民なのかもしれない。住めば都。一長一短。こんな感覚がいつまで続くのか、四十が近くなったら違うのか、窓のむこうを眺め想う。
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