熊?俺はそう思った。
熊?俺はそう思った。
彼の名は谷口デビット
役職は主任。
デビット主任だ。
若造「痛いです。デビットさん」
若造だ。ちなみに若造は2年目の社員だ。
熊のように大きく肥えた頑丈な腕からデビットは指先に力を入れてこれでもかと秘孔をついている。
身体中に。
若手に秘孔をつくデビットは微かに微笑んでいた。
ドッドッドッ。ドッドッドッ。
デビット「こんな見積もりダメだぁぁぁ作り直してこい」
なにがダメなのか説明をしていない。
罵倒と暴力。。。
こんな上司を持ったら部下は潰れてしまう
本当に若造が可哀想だった。
若造は目が虚になりながらトボトボと廊下へと歩いていった。
銀二「本郷くん。気を付けろよ。デビットには。変な電話応対したら目をつけられるから」
デビットのパワハラ場面を遠くから傍観していた俺に銀二は「次はお前の番だ。」と言いたげな様子で薄ら笑いを浮かべ注意してきた。
気を付けろというわりに業務を全く教えないクソジジイ。ほんとコイツはなんなんだと俺は思った。
銀二は嫌味ったらしい目つきで
「おい本郷くん、デビット主任に挨拶してこいよ」
挨拶くらいはするかと俺は席から立ち上がった。