俺の物語

2015年だったかな?


俺はビルメンをはじめた。
なんでって?安らぎを求めたんだよ。

ビルメンは楽だとネットでよくみるよね。
だが
楽だとか楽じゃないとかで俺はビルメンを選んだわけではないではない。
俺は自信を喪失していたんだ。

再就職先はどうしよう。。。

文系私大スペックの俺の選択肢は営業マンか流通しかなかった。勿論そういった会社も考えた。
だが自信のない俺が
出来るのはビルメンだけだった。

入社した会社は客先派遣会社だった。
正規雇用だが実際に仕事をするのは親会社の事業所で働く。という感じだ。

入社手続きを済ましいよいよ出社当日のことだった。

俺はとても緊張していた。
最初が肝心だ。
部長と配属先のビルへ向かった。

ここか。

そこにはとてつもない広大な敷地に高いビルがなん棟も聳え立っている。
俺は少し飲まれ始めていた
大企業の威光。
迫力に。

ひえ〜レベル高そうだな。。。

そんな不安をいだきつつ。

うーん事業所はどこだろう。
どのビルだろう。。。

「おーい、ここだぁーー」
ここかよ。。。なんだよ。。。

そこは
二階建ての小屋だった。
ここが職場か。
拍子抜けと共に自信のない俺の不安が少し解れた。

「じゃあワシはこれで失礼する」
部長は帰ってしまった。

なんだよジジイお前が派遣先に俺を紹介してくれんじゃねーのかよ。。

別にいいがなんだこのジジイと思った

小屋の入口前で俺は配属先に電話した。
「本日よりお世話になります。本郷かなたと申します。いま扉の前におります。」
電話口には元気のない声で
「はい?あーわかりました」
感じの悪い若造の電話対応だったがまぁいいかと受け流した。

ガチャッ。扉が開く

電話口の人が出てきた。
血色のわるい青白い死んだ魚のような目をした元気のない若者が出てきた。
本当に覇気がない
例えるならば生きた屍だった。

鬱病?

俺は嫌な予感がした。
悪寒だ。

俺は率直に大丈夫か?この会社と思った。

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