見出し画像

主人の両親を相次いで見送ったお話・番外編ー誰も知らない遺産相続のアレコレー

昨年の秋頃、2回に分けて主人の両親を相次いで見送った話をしましたが、気づけば年を越し、お正月も越え、プロ野球の春季キャンプが始まりました。こんにちは、セキモトカナタです。

さて今回の話は、皆が気になっているであろう、

『遺産相続』

についての話。

『遺産相続』と聞けば、現金……はもちろん、



土 地
貴 金 属
持 ち 株
会 社 の 権 利


と、何となく大きな物を相続する、というイメージが強いのですが、
セキモト家の場合、土地も家も株も会社もなく『預貯金』だけだったので、

揉 め る こ と な く
あ っ さ り と 終 わ っ た

のですが、この1年の間に遺産相続だけではなく、相続放棄もやる事になるなんて思ってもみなかったです。
(´-`).。oO(遺産相続って、どうしても現金や土地などの相続ばかり注目されるけども、それと同時に故人の借金や税金等の『負債』も相続されるので、例え支払う金額が少額であっても、放棄せざるを得ない場合もある、って話ですよ……

そんな話も踏まえての『相続』のお話。
『主人の両親を相次いで見送ったお話・番外編』
スタートです。

驚きの事実が明らかに

2023年7月末、義父が亡くなった。
その義父の通夜と告別式を終えた翌日から、

・市役所へ保険証と介護保険証の返却
・義母の遺族年金の手続き
・お墓の申し込み
・義母の終の住処になる施設への入居手続き

の、上記↑の手続きを済ませ、誰も居なくなった主人の実家の処分をどうするか、で頭を悩ませていた9月初旬。家で仕事をしていた主人の元に義母の姉(=主人から見たら伯母)から電話がかかってきた。

伯母曰く、義母の元に甲子園球場がある市の役所から手紙が届いているらしいのだが、その受け取り主である(はずの)義母は主のいない主人の実家……ではなく、昼夜問わず必ず誰かが居る場所にいたため、とてもじゃないが手紙を受け取れる状況では無い。が、電話をかけてきた伯母がどうも切羽詰まった様子だったので、在宅勤務で外出が難しい主人から、実家のポストを見てきて欲しい、と頼まれた私は大阪市内へ行く用事を済ませるついでに、主人の実家に届いた郵便物も持って帰ってきた。

(´-`).。oO(あの時、『甲子園球場がある市の役所からの手紙かー。まぁ大抵市役所からの手紙って、

還付金が出るから手続きしてねー

っていう手紙が多いから、今回もそんなお手紙かなー??(ウキウキ♪)』
と、思ってた私の頭をぶん殴りたい←

家に帰って、ウキウキしながら(←)甲子園球場がある市から届いた手紙を読んだ瞬間​​────その手紙を読んだことを私は後悔した。そう、甲子園球場がある市の役所から義母の元に届いた手紙とは、貰ったらとっても嬉しい還付金でも何でもなく、

相 続 に よ る
納 税 義 務 承 続 通 知 書


という、お手紙だったのだ。

何で亡くなった人の税金を
我々が払わなあかんねん(涙)

『相続による納税義務承続通知書』とは───そこの市町村に住んでいた納税者(=義母の伯母)が亡くなり、未納になっている税金を相続者(=義母と主人の伯母、合わせて十数名!!)に引き継がれた、ということをお知らせするものである。

要は、

『あなた、亡くなった人の親族でしょ??
この人が払ってない税金、代わりに払ってね』


と、いう事だ。
その肝心の手紙に書かれていた内容は、要約ではあるが下記↓の通り。

セキモトカナタの義母 様

こんにちは、甲子園球場のある市の役所です。

実は、あなた(=義母)の伯母が1月に亡くなりました。が、昨年の未納分の固定資産税と住民税があります。

そこで法定相続人を調べたら、
その人の甥と姪が十数名(!!)居ることが判り、あなたはその1人になります。
(´-`).。oO(嬉しくない!!

相続放棄をするならまず我々(=甲子園球場のある市)に電話をし、その後、神戸家庭裁判所に来て手続きをしてください。
あ、支払って下さるのなら、9月末までに送付した振込用紙で振り込んでください。またこの中に放棄した人が居たら、その人たちの分もお願いしますね←

あ、そうそう。これを支払ったら

来年以降の税金も
支払って頂くことになります

だってあなたがこの『家』の相続人ですし!!←

なお、来年以降の税金については、
分割納付ではなく全額納付(←!!)になります。
だってあなたがこの『家』のそ(ry

では、そういうことですので、
よろしくお願いしますねー(ニッコリ)。

2023年9月
甲子園球場がある市の役所 より

甲子園球場がある市の役所からの手紙・要約

……

…………

………………

( ゚д゚)え??

(つд⊂)ゴシゴシ

( ゚д゚)えーーーーーーーーっ?!(絶叫)

なんで亡くなった人の未納になってる税金を我々が払わなあかんねん!!
(´-`).。oO(いや、だから……相続……

いくら相続人1人の納税額(=1人約2,000円位)は小さいとはいえ、この手紙をよく読まないで

税金だし、払わなきゃ!!

といってうっかり支払ってしまったら、誰も住んでないその家を相続してしまう上に、来年以降もその家の住民税と固定資産税を

全 額 (しかも分割納付不可!!)

支払わないといけないってこと?!

いやいやいやいや!!大阪に我々が住んでいる一軒家があるのに、
何で我々がそっちの家の面倒も
見なアカンねーーーーーん!!(/`□´)/⌒┻┻

どうする??と考える前に、答えは出ていた

亡くなった義父は、何か問題が起きれば我々……ではなく、上手に行政サービスを利用しており、我々の出番……といえば、義父の入退院の手続きや義母の施設の入所手続き位だった。

義父は生前

息子(=主人)や
そのお嫁さんであるカナタさん(=私)に
迷惑をかけたくない

というのが口癖で、自分たちに必要な手続きは全て自分たちで解決し、義兄の成年後見人に関しても、義兄のいる施設の担当者と相談して決めた。

が、その義父はもう居ない。
(´-`).。oO(いや、居たとしても義母の相続といえ税金だから、1度市役所に問い合わせてその上で相続放棄を選択して、その始末を終えたら事後報告でしれっと我々に言うぞ……!!

義母は話している内容に対しての理解はある、とはいえ病気の関係で筆記具が持てない。義兄も病気の都合で成年後見人をつけているため、セキモト家の手続きができるのは───末っ子の主人ただ1人。

どうする??

ど う す る ??

ど  う  す  る  の  ??


……

…………

………………(プツン)

どうするもこうするも、
『相続放棄』一択じゃーーーっ!!(/`□´)/⌒┻┻
(´-`).。oO(ちなみに、そこの固定資産税と住民税の全額を計算したら、我々が住んでいる家の固定資産税と金額が同じ位でした……いくら相続権があるとはいえ、家2件分の税金はキツいですよ……はい……

準備を整え、いざ相続放棄へ

早々に手紙を読んだ私からの報告を聞き、そしてその手紙を読んで驚いた主人は、家で仕事をしている合間を縫って甲子園球場がある市の役所へ連絡をし、それと同時に施設に入所している義母に今回の件の話をした。

義母からの返事は

例え金額が少額でも
相続放棄してくれてかまわない

だったので、
早速相続放棄の手続きをすることにした。
(´-`).。oO(ですよね!!

後日、仕事を午前中に終えた主人とともに大阪市内の区役所へと向かい、相続放棄に必要な書類を用意すると、その足で神戸家庭裁判所へと向かった。

ん??

神戸家庭裁判所?!

待て待て!!お前らが家を出たのは14時前。
でもって、区役所を出たのが15時頃!!
しかもその日は金曜日!!
そこから神戸家庭裁判所って……間に合うのか??

カナタちゃんホントに行くの??
今日は金曜日だよ??
道路混んでるし、間に合わないんじゃないのー?!


と、車の助手席でガタガタ震える主人を横目にそのまま高速道路の入口へと向い、約1時間後。

私「はい、着いたよー( ˘ω˘)ドヤァ」
主人「……うそぉ」


そこには、週末の一般道と高速道路の渋滞に巻き込まれることなく​、神戸家庭裁判所へ到着した我々の姿があった。

そこで今回の件の『相続放棄申述書』を受付の窓口で記入すると共に、相続放棄に必要な書類、そして所定の手数料を支払い、その日の内に手続きを終えた。

その後、

義母の相続放棄の手続きを受け付けましたよ

という手紙が神戸家庭裁判所から我々の元に届いたのは10月。
そして、主人の伯母を筆頭に十数名の甥姪全員(※義母含む)の相続放棄も認められたため、この話は終わった。
(´-`).。oO(後日談ですが、主人の伯母はその家の所在地に出向いたそうですが、その所在地に建ってる家を見て、

これは誰も相続したがらない訳だよ

と、何かを察した様です……

揉めないはずの遺産相続……だったのだが

義母の伯母の余計な相続話と同時期の9月のある日。

義父の四十九日も終え、そろそろ遺産相続の話をしないと……ということで、義母の入所している施設の一室をお借りし、遺産相続の話をすることになった。

相続権のない私には関係の無い話なので、

セキモト家の皆様で、よく話し合ってください

と主人には言ったのだが、

こういう交渉ごとはカナタちゃん得意でしょ

ということで、私もその席に座ることとなり、また、どうやっていけば法律的に問題ないか、というアドバイスが欲しかったので、義兄の成年後見人から司法書士の人を紹介して頂き、その人にも入って貰った。

が、セキモト家の遺産は義父の預貯金のみだったので揉める要素が全くなく、

・遺産相続の割合は法定通り
(この時は義母1/2,義兄と主人は1/4ずつ)
・当面の生活費として預かっていた現金は
(これからの手続きのことも考えて)私たちが頂く


ということで落ち着いた。

が、その話を終えて5ヶ月後に義母が亡くなり、義母の告別式を終えた翌日から、そのまま義両親の遺産相続の手続きを始めた……のだが、

遺産相続に関わる重要な、ある『戸籍』が中々見つからなかったのである。

今はいない兄弟の行方。その証拠はどこにある??

その重要なある『戸籍』とは、

義 兄 と 主 人 の 間 に い る
も う 一 人 の 兄 弟

の戸籍だ。

実は、セキモト家には義父と義母の間に
3人の子どもがおり、その2番目の子どもが

主 人 が 生 ま れ る 前 に は
既 に い な い
(=察してください)

状態で、私も主人と結婚する前からその話を聞いていたので知っていた。
そのため、

セキモト家の子どもは3人居るのだが、
その内の1人は『何らかの理由で』もう居ない


ということが掲載されている戸籍謄本(=除籍謄本)を、義両親の預貯金があるそれぞれの金融機関に提出する際に出さないといけなかった……のだが、

義父が筆頭者となっている戸籍謄本を見ても、
その兄弟の戸籍が見つからない\(^o^)/オワタ

このままでは、ある日突然

『ボクはセキモト家の次男です!!』

という人が我々の目の前に現れたら、現状の法定相続(=義兄と主人で1/2ずつ)で終わる所が、相続の割合が変わってまうのである。
(´-`).。oO(そういや過去に、私の父の姉妹の息子という人が我が家に入り浸ってた事がありましてだなぁ。詳しい事情は知らないけど、ある日突然来なくなったので、多分おか……ゲフンゲフン!!

意外なところから見つかった兄弟の『戸籍』

戸籍謄本とは、その人が、

『どこ』で生まれ
『だれ』と結婚し
『どこ』で亡くなる


という、その人の一生を辿ることができる書類で、その人の筆頭者(=大抵は父親)の名前が判れば、筆頭者の本籍がある市役所に依頼して取り寄せることができる。
(´-`).。oO(なお、これを取り寄せる事が出来るのは筆頭者と血縁関係がある人なので、この場合は主人が市役所に依頼すれば取り寄せる事ができる。

が、市役所やコンビニで出せる現状の戸籍謄本だと、筆頭者(=大体父親)、母親、その子ども達までしか掲載されていないため、詳細な戸籍謄本​────『改製原戸籍謄本』(=昔の戸籍謄本。一族全員の戸籍が載っている)が必要となる。そのため、ひとまず義父と義母の生まれ故郷の役所に連絡をし、義父と義母の戸籍を取り寄せ、それらをじっくりと見てみたのだが……

…………

………………

……………………

義兄と主人が、
過去に義父の生まれ故郷に本籍を置いていた
ということはわかったのだが、

もう1人の兄弟の戸籍が見つからない_| ̄|○||||||

これ……詰んだで……と思っていたのだが、
後日、義父と義母の戸籍を見て『あること』に気がついた。

私「……?!これ、○○市で本籍作ってる!!」
主人「はぁ?!オレ、親父が○○市に住んでたなんて聞いてな……」
私「ほら、ここ!!(と、義父の戸籍謄本を指差す)
お義父さんとお義母さんが結婚したとき、○○市で本籍を作って、その後、何らかの理由でお義父さんの生まれ故郷に本籍を戻してる!!」
主人「ってことは……」
私「(頷く)○○市、当時は政令指定都市じゃないから、今の区役所の方じゃなくて、市役所に行けば出るよ!!戸籍!!」

そう、義両親の改正原戸籍謄本に、義両親が婚姻の際、○○市で本籍を作成していた事が記載されていたのだ。

コンビニや市役所で発行する戸籍謄本は、基本的にその人の生まれてから亡くなるまでを簡潔に掲載されているが、遺産相続の際に必要となる昔の戸籍謄本(=改製原戸籍謄本)の方は、その人の家族の出生、婚姻でどこに戸籍を移した、あるいは、死亡して除籍になった事まで掲載されている。
(´-`).。oO(戸籍謄本を取り寄せる際『遺産相続に必要』と言えば、除籍謄本も取り寄せる事となるので、『戸籍謄本と除籍謄本はワンセット』ということを覚えておいてください……もし判らなくても、市役所で教えてくれるよ!!

そこで判明した事は

義両親は、結婚の際に〇〇市で本籍を作成し、
その後、(何らかの理由で)義父の生まれ故郷に(家族全員の)籍を移している


のだ。

また、戸籍は『現時点の本籍にいる家族』の分しか出てこないので

セ キ モ ト 三 兄 弟 の 戸 籍 が
〇 〇 市 の 戸 籍 を 
取 り 寄 せ た ら
出 て く る 可 能 性 が あ る

のである。
それが判れば話は早く、主人とともに○○市役所へと向かい、窓口で『遺産相続のために戸籍を取り寄せたのだが……』と、義父の戸籍謄本を見せながら説明し、○○市での戸籍謄本(=この場合は除籍謄本)を出してもらうと、

も う 1 人 の 兄 弟 の 不 在 を 
確 認 す る 事 が で き た

(´-`).。oO(ビンゴ!!

こうして、もう1人の兄弟の不在の証拠が出て来たことで相続人全員の必要な書類が揃い、義両親の預貯金があるそれぞれの金融機関に提出し1週間後​────主人の口座に両親の預貯金全額が振り込まれ、その後、義兄の口座にも法定相続分の金額を振り込み、振り込んだ領収書のコピーとその旨を終えたことを告げる手紙を義兄の成年後見人に郵送し、遺産相続の手続きが終わった。

わからない事は専門家に任せるのがイチバンヤー!!

……とまぁ、2023年の夏から2024年の春にかけて主人の両親を相次いで見送った訳だったのですが、その間に相続と相続放棄の両方を経験することになるとは思ってもみませんでした(汗)。
(´-`).。oO(先日、親友からえらいこっちゃな話を聞くことになるんですが、相続税を逃れるために貴金属でなんちゃらかんちゃらすると、それが収にゅ……ゲフンゲフン!!

何度も言いますが、今回の場合主人の相続が

両 親 の 預 貯 金 の み

だったので、相続人同士の話し合いと法的な相続割合で終了でしたが、家や土地、かなりでかい金額の現金、貴金属、株、会社の相続権などのややこしい事案は、迷わず弁護士に相談することをオススメします。
(´-`).。oO(下手に素人がネットで聞き齧った知識でやると、周りを振り回すだけになるので、本当にやめた方がいいと思うの……

それでは、長々と話したこの話も、これでお開き。
最後に、もう一度言いますね。

わからない事は
専門家に任せるのがイチバンヤー!!(絶叫)