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物語の中で “音楽を” 流したくて。/『くちびるリビドー』創作こぼれ話〈3〉

2015年の日記をひらく(ちなみにそれは石井ゆかりさんの『星ダイアリー2015』)。
“突然またR-18(←『女による女のためのR-18文学賞』のことね)も書いてみようと思い立つ”と緑色のペンで記されているのが、《8月》のマンスリーページの〈21日〉のところ。そして濃いピンク色のペンで“つまりこれが『くちびるリビドー』”と吹き出しで書き加えられている。

(どうでもいいがその翌日には“実家から梨など届く”とあり、木星が乙女座に移動した11日のところには“今年の大きな境目だ!!”と書かれている)

一番上の余白部分には(その月に心がけたいと思ったことや、一ヵ月のまとめのようなことを書いていた)、左のページに“私は失った光(夢・希望)を取り戻せるのか?!”と赤色のペンで、右のページに“→とにかく私は再び書き進んでいるぞ。”と紫色のペンで、大きめの字で記されている。


そして《9月》。どうやら〈1日〉に、私は『くちびるリビドー』の第一稿を書き上げていて、そこから間を空けずに修正の日々へと突入していったらしい。

9月だ。ひとまずラストまでいった『くちびるリビドー』、今のところ14ページくらい(※)。もっと書き込み、削るのだ。
夢中にならせてくれてありがとう。私はつかみ取るぜ。
雨だけど心は満ちている。向かっているこのときが、苦しさもあるけど楽しい。自分で自分を高めていくとき。メラメラと燃えるハートとクールなマインド。
もっと上手くなりたい。言葉を知りたい。使いこなしたい。本を出したい。読んで何かを感じ取ってほしい。あなたも一緒に“コドクに自分を高めること”をやっていこうと伝えたい。コドクだけど「私もここにいる、互いに輝こう」と。

※1ページ=「40字×30行」設定で。



そんな中、私は思いつく。

「そうだ! 音楽を流そう‼︎」


マンスリーページの〈9日〉のところには、“ラフマニノフ降臨✴︎  9・9のキセキか??”なんて書いてある(水色のペンで)。

書き進む。音楽を入れることを思いつく(村上さんのインタビュー読んで)。ラフマニノフのピアノ、めっちゃ合う!! と一人盛り上がる。
もっと良くしたい。感じさせたい。う~ん、自分ではこんなに高まってるんだけどな。どんどん完成度、上がってきてるんだけどなーーー。
最大の盛り上がり、たぶんテクニックが必要なんだ。もっとうまくなりたい。
それでも、今日はぐっと腕を上げたはず!! さらに上へ、飛ばせ!!!



当時のブログ(小説を書いていることは伏せていた)には、こんな文章。

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“はじめまして”のnoteに綴っていたのは「消えない灯火と初夏の風が、私の持ち味、使える魔法のはずだから」という言葉だった。なんだ……私、ちゃんとわかっていたんじゃないか。ここからは完成した『本』を手に、約束の仲間たちに出会いに行きます♪ この地球で、素敵なこと。そして《循環》☆