2019年から2020年にかけてV音楽鑑賞会というものを私主催の神椿サーバーで行っていた。
隔月でV音楽オタクが神椿discordのVCに集まり、好きなVtuber音楽を4曲もち寄ってdiscordのRythm botに入れてみんなで聞くというイベントだ。
V音楽鑑賞会自体は一年以上前に最終回を迎えて終了している。
正直このイベントについて書くタイミングは遅きに失している。ただ、先日ついに神椿サーバー自体も閉じてしまい、今を逃したらこのイベントを語る機会がなくなってしまいそうだった。
もちろん歴史的記録としても貴重なのでどこかに残しておく重要性は常々感じていたことも事実である。
早くnote書けと言われて一年。備忘録的に書いていきます。
きっかけ
V音楽鑑賞会に至るまでのきっかけは色々あるけれど、その大きなきっかけになったのが花譜とバーチャフリークだった。
私は2018年からずっと音楽系Vtuberが好きだった。
当時はまだVtuberそのもののブームが始まったころだった。今となってはVtuberといえば配信というイメージが付きものだが、当時はクリエイター系や動画系も多く存在していて、その中に歌をコンテンツの主軸とするVsingerやバーチャルシンガーが生まれるのは当然の帰結だった。
(自称世界初のバーチャルシンガーYuNiが生まれたのは2018年6月のことだ)
そもそも私はロックが大好きでライブに毎月足を運ぶほどの音楽オタクだ。そんな私がバーチャルシンガーに惹かれるのは必然だったのかもしれない。
2018年当時はYuNiや花譜、個人時代の星街すいせいなど――ほぼすべてのVtuberミュージックを追っていた。今となっては追いきれないくらい多いVtuberのオリジナルソングもまだ少なく、全部追い切れると行っても過言ではなかった。
もちろん、音楽といえばライブは欠かせない。私は現場と呼ばれるイベントも大好きでVtuber関連のイベントが開催される度に現地へ足を運んでいた。
ただ、2018年はまだイベントが少なかった。企業側としても急激に広がる文化に対してイベントの準備が整っていなかったのだろう。何しろ、バーチャルシンガーである。既存の設備やオペレーションでは容易に対応できないことは想像できる。
しかし、そんな状況も月日が経つにつれ徐々に解消されていき、2018年末にはcount0やバーチャル大晦日など大型音楽イベントで年越しを迎える。
バルスさんが「ライブで世界を変えます」と言ったのはこの時期あたりだった気がする。この言葉が体現するように、当時のVtuber界隈には一つ予想が流れていたと。「2019年は音楽イベントの年になる」と。
その理由は明白だった。2018年は多くのVtuberがデビューしたが、デビューしたばかりでオリジナルソングを持っている人が少なかった。しかし、Vtuberファンはますます増え続け、"ハレ"のイベントとして音楽フェスが求められていた。
当人のVtuberたちも、ファンへ感謝の気持ちを伝えるものとして、また収益の一つの手段としてオリジナル曲を少しづつ発表していた。
そのジャンルも多種多様でアイドル的な曲を創るVtuberもいた一方でアーティストチックな曲を創るVtuberもいた。ミディさんやyacaさんに代表されるような作曲系のVtuberも徐々に認知度が高まっていった時代だった。
そんな状況で2019年私はバーチャフリークというイベントに初めて足を運んだ。私自身クラブというものも初めてだった。
もう誰が言っていたか忘れてしまったけれど、これからVtuber音楽ファンが集まる場所が必要だからという理由でバーチャフリークは始まった。
黎明期特有の熱気がそこにはあった。Vtuber音楽オタクがまだ知られていない最高の音楽を聞き、仲間内で共有し盛り上がる。そこにDJなんてあれば最高だ。
当時、バーチャフリークに感銘を受けた私は神椿鯖で一つの企画として声をかけた。「V音楽鑑賞会&布教会」として。
告知にも書いてあるように本当に個人企画として始めたものだった。
「なぜ神椿鯖で?」
今となってはそう思うのは当然の疑問だと思う。神椿は比較的Vtuberシーンから距離を置いているイメージもあるから。
ただ、当時はその様子も少し違った。当時の花譜のファンはVtuberオタクが多かったし、その影響でVtuber音楽に興味を持ってくれる人も多かった。
また、花譜側も今のテイストと少し異なっていた。今となってはライブの前にはクラシックが流れている不可解だが、不可解1stのときにはVtuberミュージックが流れていた。
(俺は思わずバーチャフリークみたいじゃんとツイートしている)
さらににじさんじや他のVtuberさんから応援ビデオメッセージなどもライブ前にあった。当時を知ってる人は分かると思うけれど、「佐々木は嫌われている」が流れたときは思わず笑ってしまったね。
このような形で当時はVtuberのイベント前の待機時間にVtuber音楽が流れていたことが結構あった。黎明期特有かもしれないが、「Vtuber音界隈全体でVtuber音楽を盛り上げていこうという機運」が確かにあった。
また、私自身も花譜を好きになってくれた人にもっとVtuber音楽シーンを知ってほしいという気持ちが強かった。そして、それは花譜を知ることにも繋がると感じていた。
花譜自身も不可解1stの「祭壇」のMCで以下のように語っている。
「私はバーチャルシンガーとしてデビューしたんですけど、運営の皆さんも言っていましたが私はバーチャルyoutuberという業界が盛り上がっていたからこそデビューできたと思っています。普段はあまり交流はないですが、たくさんのVtuberの皆さんにライブの応援コメントを頂けてとても嬉しかったです。次はバーチャルyoutuberシーンとそこで頑張っているバーチャルYoutuberさんに捧げる曲を聞いてもらいたいと思います。同じ時代を生きる皆に捧げます」
花譜の曲はバーチャルへの問いかけの歌が多い。正直、「V音楽鑑賞会&布教会」を始めたときはそこまで考えていたわけではなかったけれど、結果として推しを考える一助になれば良いなと後半は考えていた。
V音楽鑑賞会セットリスト
次項以降、セットリストを貼っていきます。全17回
セトリを見ながら気になったところだけ少しコメントしていきます。
古参Vオタクは懐かしくてダメージ受けると思いますので覚悟してください。
初回
2019年6月9日の最初のセトリは以下の通り。
もう懐かしい。ずらっと見ると今でもアンセムとして知られる曲が数多くリストアップされている。この頃twinkle night 出たての時期だよな~。
第2回
2019 / 06 / 29の第二回は以下の通り。私がアザミさんを知ったのはこの頃だった気がする。そしてアイシー……
第3回
第三回は不可解のすぐ前。当時のシーンを彩っていた方が多い印象だ。もう活動していない人もいるのが界隈のスピードを実感させられる。みんな元気でいてくれ~
第4回
第5回
Hacked Fruity Luvだ!!!!!!
今考えると本当にこの頃は一体感があったね。
第6回
この頃から色んな人と交流をもつようになった。
同じVtuber音楽オタクとして今でも仲良くしている人が多い。
第7回
2019年末。まさに今年の集大成というセトリ。
第8回
年始ということで各々が好きなVtuberを布教している気がする。
2019年がVtuberフェスの時代なら2020年は個人のワンマンライブの時代になると当時は思っていた。コロナさえなければきっとそうなっていただろうけど……
第9回
コロナが始まった年。不可解再など色々なライブが中止になった。
そんな不安の中で開催された鑑賞会。
第10回
sleeplessがバズったのがこの頃かな?
バズる当初から見ていたけど、人がどんどん集まってきていて勢いがすごかったね。
この頃の時代背景としてはコロナで撮影や収録ができなくなって、各々企業系のVtuberが非常に動きにくい時期だったと思う。そんな中、個人は宅録などで頑張っていた印象がある。動画系のVtuberも家で出来る配信に切り替えていったり大きな変革があった。
第12回
この頃VMDJが始まった。
Vtuber楽曲を配信してくれるラジオで周りのV音楽オタクはみんな聞いていた気がする。音止めも始まって、マイナーなVtuber楽曲が大きく広まり始めた時期だった。
第13回
この頃からV音楽鑑賞会の意義について悩み始めた気がする。
VMDJ、音とめとマイナーなVtuber楽曲をdigれる機会が増えていく中で自分の企画の役割が薄くなったと感じた。
楽曲自体は当時のトレンドを反映した気がする。ロック系が比較的多い?
第14回
Vの夏楽曲が多い。波羅ノ鬼や皆守ひいろの名前を見ると本当に懐かしくなる。
第15回
2020/08/15
第16回
2020/09/19
最終回
前回の人の少なさを鑑みて2020年を最後にV音楽鑑賞会を終えることを決めた。元々個人企画だったし、需要がなくなれば終わるということは初めから考えていた。
それこそ2020年になってVMDJやVのクラブ文化も広がり様々な楽曲を聞く手段が出来た。digれる媒体も増えた。その結果、鑑賞会に来る人が減った。V音楽鑑賞会は役割を終えたということだろう。
最後の観賞会。
KMNZのOPENINGから始めることは決めていた。
そして最後にHello,Morningで終わることも決めていた。
自分の中でイベントはこれじゃなきゃ終われないと思っていたし、この楽曲たちこそが最後にふさわしいはずと信じていた。
みなさんも最後だから思い思いの好きな曲をかけてフィナーレを表現してくれた。本当にありがとうございました!
2020/12/19