オタクも知らない「360°VRMVの世界」
近年の音楽業界では様々な試みが行われている。その主な要因はコロナウイルスによるライブ収入の激減であり、様々なアーティスト、イベントがバーチャルを基軸とした新気鋭のライブを行っている。
特筆すべきは、世界最大級のEDM 「Tomorrowland」であり、昨年度の2020では、全ての会場をバーチャルで作成して大成功を収めた。
一方で、ミュージックビデオをVR化した360°MVの存在はあまり普及していないのではないかと感じることが多い。実際にVRに近い人々からもあまりその存在を感じることはないし、再生数もあまり伸びてはいない。
実際に見てもらえば分かるが、360°MVは圧倒的な臨場感と自由さを感じられる。特にVRで見れば言うことなしだが、スマホで見ても自分の手で視点を変えられるという今までにない体験ができる。
このような新しい世界を見ていこう!
※youtubeアプリで閲覧しないと360°で見られません!ご注意下さい。
1 Hello, Morning ~Happy New Year Edition~【Special Music Video】/Kizuna AI
ヘッダーにもしてあるキズナアイのHello, Morning。キズナアイが作り出した世界の中を私達も一緒に巡る体験をすることが出来る。このような表現はVRの大きな特徴だろう。
2 『放課後ディストラクション』やくしまるえつこ
360°MVの一大巨塔と言えばやくしまるえつこは外せないだろう。彼女は何本か360°MVを投稿しており、上手に活用しているアーティストだ。
『放課後ディストラクション』は、やくしまるえつこの特徴的な柔らかいウィスパーボイスと流れるモーションタイポグラフィがうまく噛み合って、個性的なMVとなっている。世界観を表現するキズナアイとのアプローチとは異なり、より楽曲中心のライブテイストのMVだ。
3 ∞(360°)/HARUKA SUZUKI
MVを見ると、まるであの頃の放課後の教室のような空間に私達は落とされる。すずきはるかさんが描いたポップでかわいいキャラクターが自由に各々好きな行動をしており、に角すいさんの「予感」と共にノスタルジーな気持ちになっていく。日本のポップミュージックにおいてどこか感じる"懐かしさ"は重要なファクターであり、VRはその体験を強くさせてくれる。
「私達は少女であったことがあっただろうか。夢みたいに掴みきれないかつての思い出と何か。」という概要欄も必見だ。
4 kawaii ASMR music 360°VR MV『Nekoze Punch!!』 朝ですよ~!/【kAmP/アキロゼ】
「軽やかなテンポが織りなす、朝のビタミンになるようなモーニングポップチューン!!」。ASMRのくすぐったいような耳心地の良さと楽曲がうまく噛み合っているMV。アキロゼちゃんの部屋というオタクの理想のような世界でASMRの音楽を聞くことが出来る。
5 CuBerry/CuBerry
映像と音楽の制作ユニットCuBerryの初作品「CuBerry」。アニメーションと音楽が物語仕立てになっているのが特徴的で、箱から飛び出したキューベリーを追って彼女の冒険を追体験することができる。リアルの世界とアニメーションを混ぜることでリアリティが増し、ストーリーを伝えやすくなっている。
6 【360°自主制作アニメーション】「落下生」VRコンセプトムービー
落ちそうな少女を背に男性が話しかける――そのようなストーリーを起点として始まるアニメーションは、新海誠を思い起こさせる美しいイラストレーションとキャラクターが編みだす訴えが音楽と素晴らしい協奏曲を奏でている。VR空間で見ると、その迫力は圧倒的だ。
7 backword /somunia
インターネットガールsomunia。彼女が生み出すエレクトロでどこか儚げな音楽は多くの人々を惹きつけ、登録者数は9万人を誇る。そんな彼女がPCの中で織りなすVRMVは、あくまで私達が現実世界から彼女のMVを見る形だ。それは彼女がinternetに住む存在であり、その存在を頑なに守っているからだろう。プレミア公開のコメントと歌詞が流れるだけの映像はVRとして異質的ともいえるが、リアルとの実在性はこのMVが最も大きいだろう。
まとめ
360°MVは今までの音楽とは異なる体験をもたらすものだと思う。音楽に新たな付加価値を生むことが重要とされるこの世界で、この要素は盛り上がるのではないかと感じている。このnoteをきっかけに面白い世界へ漕ぎ出してほしい。
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