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メメモリの世界観について考える4-①~守護天使~

【※重要※】この記事は同シリーズ第4回目の連載となります。これまでの考察記事見たことないよ~という方は先にそちらをご覧になってからこの記事を読み進めてくださいね。
【※さらに重要※】第4回は前後編に分けてお送りする予定です。こちらの記事は「前編」ですので、順番を間違えないようにお願いします。


 はろはろ、メメモリ2周年めでたいけどやりたいこと多すぎて逆に何も手につかないぜ!鴇乃カナタです。
 恒常落ちの追加という無微課金に1番優しい?お知らせは今回も来ませんでしたが、そのぶん沢山新機能のお知らせが来てましたね。風の噂ですが、上位勢の方が「ギルバト!!!装備固定!!!」と狂喜乱舞しているらしいです。めでたい。
※装備交換する時間も結構バカにならないのでわりと神機能

《前回の記事はこちら!》

 前回の記事では、イリアというメメモリ史上最大の秘密を抱えたキャラクターを考察していきました。
 その正体は、隠されたゼロ番目のクリファの魔女。そして、これまでの旅は「クリファ計画」、全てのクリファの魔女の力を取り込んだイリアを悪魔王が乗っ取るためのものだった、ということが分かりましたね。
(そのついでに杖がどうとか砂時計がどうとか妄想を垂れ流しましたが、それは捨ておく)

 今回は、クリファの魔女の根幹となる「守護天使」とは何ぞや?という部分について深堀していきますね。
 第2回でも登場した生命の樹にも再度触れますが、前回の「メメモリ界の生命の樹」というよりは、現実の「宗教上の生命の樹」に多く触れる内容となります。正直、小難しい話にはなるのですが、読んでくださる方に楽しんでもらえるよう心がけますので、どうか最後までお付き合いくださいませ。 

そもそも「クリファの魔女」ってなに?

 今まで何度も当然のように使ってきた「クリファの魔女」という言葉。貴方はクリファの魔女を説明してください、と言われたら、どう答えるでしょうか?きっと、大半のプレイヤーはこう答えるはずです。

──呪いで世界を滅ぼす特別な魔女
──教皇(悪魔)に無理やり暴走させられた魔女

( ´-`).。oO (……重課金専用機!みたいな、ゲーム上のスペックのことは一旦忘れてくださいね!)
前回の記事を見てくださった方は「悪魔王がクリファ計画に使うために利用した駒」と捉えることもあるかも?

心の声

 大半の方にとってはそれが真実なのですが、クリファの魔女には実はもうひとつ、深い設定があります。それがこちら。

メメントモリのYouTubeCMより。
自力で探すのは難しいので偶然流れてきたらラッキーかも?

──世界を護る守護天使の力を"宿して生まれた"強力な魔女

 宿して生まれた。そう、クリファの魔女は守護天使の力を持つ魔女なのですが、大事なのはここですよね。暴走させられて特別な力が生まれ魔女になったのではなく、初めからそうなるよう選ばれて生まれてきたということ。
 筆者が調べた中では、この記述があるのはこのCMだけでした。さすがに情報探させる気なさすぎない??とツッコみたくなりますね。ですがこれも、後述する情報と合わせればある程度納得がいくので一旦置いておきます。
 改めて、守護天使とは何かを探っていきましょう。小難しい宗教上の原典の方は置いておき、メメントモリにおける守護天使から先に触れますね。

——10の封印が解け、11番目の封印が残された私の中に——(冥イリア)


 前回の記事でも語った通り、守護天使の力は悪魔王の封印のために使われる力です。具体的に封印がどうやって解けるのかはさておき、悪魔王という強大な存在を封印するには、わざわざ十の天使の力を使わざるを得なかった(11番目のイリアはあくまで予備だと思われる)。ここらへんから振り返っていきましょう。
 まず、メメモリ世界では神陣営の天使と、悪魔王陣営の悪魔が永きに渡り争い続けていました。天使陣営は悪魔の親玉である悪魔王を倒すべく策を講じましたが、悪魔王が強力だったため封印という消極的な選択を取らざるを得なかったのです。悪魔達が(悪魔王以外にも)非常に強敵であることはこれまで登場した第二大陸以降のキャラから語られていますよね。
 たとえば、パラデアの世界である第2大陸エメリア。エメリアはある日突然悪魔の軍勢が現れ、人類は必死に抵抗しますがエメリアで生き残った人類は僅か1割ほど、という悲惨な状況になってしまいました。

悪魔の軍勢に、ただの人間では抗いようがない
唯一の対抗策でさえ、悪魔側から与えられたものだった

 また、パラデアのように大陸全てを滅ぼすならとても大きな力が必要ですが、小さな村ひとつなら造作もない。そんな例がアイネです。故郷である音楽家の郷で、突然干上がった湖。困り果てた村人達を助けたいと願ったアイネは、悪魔の囁きに身を委ねた結果力を暴走させ、村を水没させてしまいました。

たったひとりの魔女の力ですら人々を苦しめてしまう
アイネは罪の意識と無力感に苦しめられてきた

 力でも言葉でも世界を滅ぼすことに暇がない悪魔軍ですが、そんな悪魔軍の親玉を再び解放してしまう(≒悪魔王の祭壇がある第一大陸が敗北する)ことは、神陣営において絶対に避けなければならない事態だったのでしょう。だからこそ、第1大陸は「守護天使の力による10の封印」という特例が必要なのです。

……守護天使が特例?どういうこと?

冥イリアはメモリー内でこう語っています。

世界に10人しかいないクリファの魔女は、全員が守護天使の力を持っている。

冥イリアのメモリーより

 守護天使という存在がよく分からないこと意外は、当たり前のように語られる何気ない一言なのですが、よく考えてみてください。だいぶおかしいんですよ、これ。
 新大陸のクリファの魔女である「パラデア」と「カグヤ」、そして最近実装された「メリア」に共通する点。それは、ひとつの世界をたった1人で滅ぼしてしまった、という点です。
 ひとつの世界につきひとりで十分なはずの守護魔女が、第1大陸には何故か10人も揃っていた。理由は前述した通り、悪魔王を封印するため。では、何故10人でなくてはならなかったのか?何故、10人を同じ世界の中に集めなくてはならなかったのか。
 その答えこそが、生命の樹にあります。
 急に宗教に関する画像バンと載っけてもな(メタい)……と思っていたのですが、なんと、メメモリ内に画像がありました。

運命ガチャの演出

 皆さん、2周年だしメリア強いし、ということで、推し以外ガチャ禁主縛り以外の方はおそらく運命ガチャは既に回しましたよね?その時に毎度再生される演出はきちんと確認しているでしょうか。
 今回のサムネイルにもしているこの画像、これこそが生命の樹です。

……いやいや、ただの煙やんけ。どこが樹なの?

……そう思われた方のために、もう1枚画像を用意させていただきました。

まるの中に文字が描かれている謎の陣形
この数字にはすごく見覚えがありますよね?

 モヤが薄くなる瞬間を切り取って画像が見やすくなるように加工をかけました。六角形と被っている上下部分はさておき、真ん中の「」やそのすぐ下の「」は比較的確認しやすくなったと思います。
 6の上にある小さな物を除けば、丸の数は全部で10。しかもその中にローマ数字が含まれています。勘の良い方はもう気づきましたか?そう、暴走状態のクリファの魔女の左目に現れるあの数字です。
 
では改めて、こちらをご覧下さい。

 皆様は第2回で生命の樹の説明をした時の内容を覚えていらっしゃいますか?
 メメモリにおける生命の樹とは、その幹に世界そのものが実る文字通りの生命線の大樹であり、神と天使はそれを守るために悪魔と戦っているアレ……ではなく、キリスト教の旧約聖書においては、「その実を食べると永遠の命を得られるとされている特別な樹」の方です。
 この生命の樹、永遠の命を得られるのはあくまでキリスト教上の解釈であり、別の宗教では異なる解釈がされていたりします。それが、ユダヤ教の神秘思想であるカバラです。

カバラの生命の樹──"セフィロト"

※ここからは生命の樹、セフィロトについての解説になります。最初にお話した通り、小難しくて一度ですっと飲み込める内容ではないので、何を言ってるか分からない……と思われた方はざっと読み流していただいても結構です。(私も何度も資料漁ってその度に泣きたくなっている)

 ユダヤ教の思想のひとつであるカバラの考え方では、この世界は宇宙を含めあらゆるもの全てを神が創造した、と考えられています。
 そのため、神が作ったこの世界(たとえば宇宙)の法則や、神の意思(何故人間が生まれたのか等もう考え出したらキリがないエトセトラ)を理解することで、神により近づくことが出来る、とされています。霊的な成長、と表現されることがありますが、要は俗物的な欲や穢れを捨て、魂を精錬していけば仏の道が開けるかも……というアレです。成長しても神になれるわけではなく、あくまで「より近づける」だけなのですが。
 料理人を神、料理人が作った料理を食べるお客さんが人間側であると仮定して、例え話をしてみましょう。
 料理人はそれまでの知識や経験を元に作りたい料理とそれに必要な材料を思いうかべ、とても美味しい料理を作りました。お客さんはその料理があまりにも美味しかったので、こんな美味しい料理を自分も作ってみたい、と考えます。
 しかし、お客さんは普段から料理をしていないため、この料理を作るにあたって何をすればいいのか、ちっとも分かりません。いつでも自由に話を聞けるほど親しい相手でもないため、今見えている料理や、味等の目に見える情報から材料を選び、何度も失敗しながら同じ味になるようひたすら挑戦し続けるしかありません。何度も試行と失敗を繰り返して、ようやく理想の料理が完成しました。
 料理人は経験や知識があるためお客さんのように無鉄砲な試行錯誤や挑戦をひたすら繰り返さずとも正解の味を作ることが出来ますよね。
 対してお客さんは、目の前にある完成品を元に料理というものに対する知識や経験を手に入れ、何度も挑戦をくり返して料理人と同じようなものを作る。結果的に、神とは真反対の手順ですが神と似たような成果を得ることが出来ました。
 このように、神が世界を作るにあたってどんな手順を踏んだのか、その道順を逆に辿りながら魂を高次化していくことで神の意志を理解出来る、この世の成り立ちが理解出来る、というわけです。
 カバラにおいては、お客さんが料理人と同じようなとても美味しい料理を作れるようになるまでの10の道のりをセフィラ、と呼びます。生命の樹は神話に出てくる幻の樹ではなく、人が神のように精神を成長させていくための10のステップを図示したものなんですね。逆に、この10の内容出来ればこの世の全てが分かる(物事は必ず10個のセフィラに分類できる)とまで言われるような超理論です。
 このセフィラが、先程お話したあの数字が書かれた円のことです。セフィラが複数になると、セフィロトと呼ばれます。セフィラにはそれぞれ対応する概念があり、たとえば、第1のセフィラはケテル(王冠)と称されます。10あるなかの最初の1、ということで、全ての始まり、その全能で以て宇宙を導く神の象徴でもあるため、「意思」や「創造」を司るセフィラでもありますね。
 そして、ここからが本題。カバラのセフィロトにおける守護天使とは、人間が神に近づくために(本来不可能なはずの)精神を進化させていく補佐をする10人の特別な天使のことです。10から1へ至るまで、各セフィラにつきひとりの守護天使が対応していることになります。
 キリスト教における守護天使とは「人間一人ひとりに生まれながらについている守り導くための専属天使」のことで、カバラにおいてもその考え方は適用されるのですが、セフィロトの守護天使はそれら個々人の守護天使とは別格の存在となります。例えるなら、個人の守護天使は家庭教師や担任の先生で、セフィロトの守護天使はその分野における専門家、権威のようなもの、と考えれば分かりやすいでしょうか。前者は自分の担当する人間にのみ干渉出来ますが、後者は世界全体に向かって神の意志を伝えることが出来ます。
 天使とは本来個々人に干渉するのではなく、特定の聖職者や聖女と呼ばれる人々に神の意志を伝えるあくまで代行者として描かれることが多いので、セフィロトの守護天使はある意味最も天使らしいと言えるかもしれませんね。

各セフィラに対応した守護天使

 さて、ここからはメメモリのお話に戻ります。生命の樹の10の概念、セフィラにはそれぞれ対応した守護天使がいる、ということで、メメモリで描かれる守護天使について見てみましょう。
 ……とはいっても、まだほとんど情報がないので、ごくわずかな部分になりますが。

第7セフィラは「勝利」と「感情」を司る

 セフィラという単語が明言されるのは、(筆者が確認している限りで)メルティーユと、使徒ロザリーのメモリーのみです。他のキャラも言ってたよ!というボイス情報等あればドシドシお寄せくださると飛び上がって喜びます!
 守護天使は生まれながらに宿るものと名言されている以上、後天的に天使が降臨した(メルティーユ談)と言われるA.A.は特異的な存在になります。
 しかし、メルティーユの人造ホムンクルス計画はそれまで失敗続きであり、A.A.という例外が生まれて以降も、同じような個体を生成することは出来ていません。そういう意味では、A.A.の誕生は第一大陸の封印を維持するための必然だった、と言えなくもないかと思います。
(※メルティーユやその他の魔女がクリファの魔女になる可能性はなかったのか、と思われるかもしれませんが、そちらに関してはまだ未検証ですのでご了承くださいませ)

 ……ハニエル、という天使の名前が守護天使として語られたのは初ですが、実は別の部分にもこの名前が登場しています。

パーツを合成して作るレア装備には、天使や悪魔の名前が使われている

 つまり、他の天使の名前も?……と言いたくなるところですが、長くなってきたので前編はここまで。残りは後編、ということで、また次回の考察記事でお会いしましょう!

~おまけ~

我が子のために世界を滅ぼす。
そんな本を読むたびに、非論理的だと思っていた。
たった一人の命と、それ以外の全人類。 比べる必要もない。 ・・・・・・だけど。

ホムンクルスの寿命は平均三日。 一年を生きたえーちゃんは驚異的だったけど、その 奇跡も長くない。

あの子の命を一日でも長らえさせる。 そのためだけに、私は教皇の「クリファ計画」に加担 した。 その結果、世界が滅ぶと知りながら。

メルティーユのメモリーより

 たったひとりのために世界を犠牲にするなんてありえない、と明言していたメルティーユが、たった1度の成功例とは言えホムンクルスに過ぎない彼女のためにひとりを選ぶと決断した。それこそが正に「愛」だと思うので、A.A.自身は愛という感情に不慣れかもしれませんが、A.A.という存在はメルティーユの深い愛で出来ていると思えば皮肉なんかじゃなく、ぴったりだと思うんですけどねぇ、、、

……今のメルティーユもまたホムンクルスボディなので、いつかは人間時代のことについてもっと教えてくれたらオタクは喜ぶと思います。

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